一周まわって「まなめはうす」にたどりついた私のネット遍歴

告白する。私が、合法ドラッグ「インターネット」を乱用するようになったのは、2005年ごろからだ。いまも毎日やってる。どーしてもやめられない。かれこれ10年以上も常用しているから脳みそ溶けちゃってるかも…アヒャヒャ…キエェェーッ!

ISDN回線すら乏しい山奥に住んでいた私は、2005年に田舎から離れる機会を得て、転居した先でようやく世間並みのインターネット環境(ADSL回線)を手に入れることができた。

それ以前の私にとって、インターネット環境といえば地元の公民館にあるパソコン(Windows98SE)だけだった。まともなネット回線が使えるかわりに「村民1名につき、ネット利用は1日30分のみ」というルールがあった。

山奥でブログ更新

そんな極限状況にもかかわらず、身のほど知らずな私はブログを運営していた。北国にある奥ぶかい山の中心でセカイに向けて愛を叫ぶためだ。ヤッホォォォォー!

しかし、1日30分という制限時間内にブログ記事を書き終えることは難しかった。あらかじめ自宅のパソコン(Window95)で書いたテキストデータをフロッピーディスクに保存しておき、それを持参して公民館のパソコンに読みこませてブログ更新をおこなっていた。人間やればできる。余った10分くらいの時間は、ヤフージャパンにアクセスしてニュースをむさぼり読んでいた。

本心では『ネットランナー』や『Windows100%』に載っているような不謹慎なウェブサイトにもアクセスしたかったけれど、公民館では職員がそこはかとなく見張っていたので無理だった。

そんな私にとって、世間並みの高速ネット回線が得られたことはまさに悲願だった。特に、2005年から2006年にかけてのインターネットは毎日がお祭り騒ぎだったから、いまでも忘れられない原体験になっている。

ホリエモン祭りのころ

当時、日本のインターネットは「ライブドア祭り」だった。2005年2月にニッポン放送株35%を電撃取得したかと思えば、およそ1年後の2006年1月に六本木ヒルズのライブドア本社が強制捜査されたからだ。

フジテレビ買収騒動。ライブドア事件。いずれにせよ新聞やテレビだけの情報では物足りなかった。そもそも既存マスコミは批判一辺倒であったから、今も昔もホリエモンびいきな私は、インターネットの言論空間に情報を求めていった。(ちなみに朝日グループは、朝日新聞記者・大鹿靖明氏の存在や、田原総一朗氏が全力で逆張りするなど、他社の報道に比べて中立だった……ような気がしなくもない)

私が頼りにしたのは『はてなブックマーク』だった。2005年ごろにサービスを開始したソーシャルブックマークサービスであり、そこには毎日のようにライブドア事件に関するさまざまな考察や意見が集まっていた。もちろん取捨選択は必要だったが、新聞やテレビでは決して得られないような公正で専門的な見解を得ることができた。

――と、ここまでが前置き。ライブドア事件をきっかけにして、10年間ほぼ毎日欠かさずに『はてなブックマーク(通称・はてブ)』に入り浸ってきた私だが……。

最近、ちょっと疲れてきた。

まなめはうす再評価

いままでは『はてブ』の新着トップページに1日何度もアクセスして面白いニュースを見つけては奇声をあげるという生活を送っていた。しかし最近では、とりあえず『まなめはうす』という個人ニュースサイトにアクセスするだけで満足できるようになってしまった。

『まなめはうす』1日分で得られる情報は『はてブ』の数百分の一だ。だが、いまの私には、それくらいの量がちょうど良い。腹八分目のような感じだ。

ところで。まなめさん(まなめはうす管理人)には謝罪しなければいけない。かつて私が、はてブ中毒だった頃。きまぐれに『まなめはうす』を訪問しては「ふーん。はてブ読んでれば知ってる記事ばっかりじゃん。m9(^Д^)プギャー」などと優越感にひたっていたことがある。おろかだった。つつしんでおわび申しあげます。

と、このように最近「まなめ」づいている私にうってつけの本を見つけた。その名は『カリスマニュースサイト管理人が15年続けたシンプルな情報収集術』。著者は、まなめはうす管理人ことまなめさんだ。

まなめ可愛いよまなめ

たしか…仕事はIT関連で、ちゃんと会社員として働いており、Twitterとコカコーラが好き。あと、KOTOKOが大好き(私も好きです! しかもSociometryが超好きって変ですか?)――それくらいの知識しかなかった私にとって、本書『カリスマニュースサイト管理人が15年続けたシンプルな情報収集術』は、たいへん興味ぶかいものだった。

数学科出身(なんかカッコイイ!)であることをはじめ、日ごろから社畜を自称するほど激務とおぼしきまなめさんが、どうやって毎日更新を維持しているのか? おもしろい情報を効率よく見つける方法など、テクニックやノウハウを惜しげもなく公開している。まなめファンでなくとも必読の内容だ。

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