古文と向き合うのは、何年ぶりでしょう。学生の時は、あーどうやって暗記しようかと単語帳にひたすら書き連ねたり、「ありをりはべりいまそかり」を呪文のように唱えたり、たくさんの努力をしてきました。
今回は、シリーズ累計400万部を突破した大ベストセラー! 受験生の味方「マドンナ古文」でお馴染みの荻野文子さんの『マドンナ古文単語230 れんしゅう帖 パワーアップ版』(荻野文子・著/学研プラス・刊)より、日常生活のちょっとしたリアクションとして使える古文単語を、現代で使えるシチュエーションと合わせて、ランキング形式で発表させて頂きます。今こそ、古文を使い、スマートなコミュニケーションをしちゃいましょう!
第5位「つとめて」
枕草子の中で「冬はつとめて」と出てくるので、覚えている方も多いかもしれません。「早朝」という意味で使われ、一般的に「冬は早朝がいいよねー」という現代語訳で解釈されています。
▼ 現代で使えるシチュエーション
先輩「例の企画書、どうなってる?」
後輩「明日のつとめてまでには!」
先輩「お前、ちゃんと寝るんだぞ」
後輩「ありがとうございます!」
第4位「をこなり」
こちらは『和泉式部日記』の中でも、使われている単語です。恋仲である和泉式部と帥宮敦道親王でしたが、当時モテモテだった和泉式部へ恋仲の彼から手紙が届き、そこに記されていた一文が…
「さりともと頼みけるがをこなる」
だったのですが、どんな意味か想像できますでしょうか?
この一文には、モテモテな和泉式部に嫉妬した彼が、「そうだとしてもバカだった」と言っているのです! 「をこなり」は「ばかだ・愚かだ」という意味で使われています。
▼ 現代で使えるシチュエーション
男A「10年付き合ってた彼女にフラれたよ」
男B「なんで?」
男A「俺が悪いんだ…職場の子と浮気しちゃったんだよ」
男B「をこなり…」
第3位「うたて」
この単語は、「いやだ」の意味で使われます。ただ、「いやだ」という言葉ってなんとなく全てを拒否されているような気持ちになりがち。
心の中では断らなくてもいいかな? と思っていても体裁上、一回断っておくか…的なときに、ちょっと語尾を伸ばして「うたて」と言うと、スムーズなコミュニケーションができちゃいます。
▼ 現代で使えるシチュエーション
女「ちょっと、今日のバイトのシフト変わってくれないかな?」
男「うたてぇ~」
女「えーそこをなんとか! タバコひと箱あげるからさ!!」
男「しょうがないなぁOK!」
女「ありがとう♡」
第2位「なんでふ」
柔らかくてかわいい字面…こんなメッセージがメール等で送られてきたら、キュンとしてしまいませんか?(笑)萌え系タレントが首をかしげているような姿が連想され、キュンとしますよね!!(強引)
これは文字の通り、「どうして」という意味で使われているので、現代でも何の違和感もなく使うことができる古文単語ですが、発音する際には「なんじょう」となりますので、ご注意を!
▼ 現代で使えるシチュエーション
父「今日は帰りが遅くなるから」
娘「なんでふ?」
父「ちょっと会議が長引いているんだよ…」
娘「なんでふ?」
父「やっぱり早く帰るね!!」
第1位「むべ」
さあ、いよいよ第1位の発表です!
似ている言葉で「むげ(「ひどい」という意味)」がありますが、この「むべ」はどんな意味なのでしょうか? 以下の和歌を例に考えてみましょう。
吹くからに 秋の草木の しをるれば
むべ山風を あらしといふらむ
(古今和歌集/文屋康秀)
これを現代語訳すると…
吹くとすぐに、秋の草木がしおれていくので、なるほど、山風を「荒らし」と言い、「嵐」と書くのであろう。
(『マドンナ古文単語230 れんしゅう帖』より引用)
もうお分かりですね!「むべ」は「なるほど」という意味で使われています。
古文は暗記するもの…と思っていた人も多いと思いますが、こうやってランキングや現代で使えるシチュエーションを考えてみるととっても身近に感じられると思います。
自分の好きな古文単語を見つけて、日常生活に取り入れてみてはいかがでしょうか?