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明智光秀さんのブログが炎上。主君殺害が明らかに

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芸能人や政治家が失言すると、インターネット上がにぎやかになる。祭りやネット炎上と呼ばれる。現代特有の現象だ。

1582年にも炎上があった。本能寺の変だ。天下統一を目前としていた織田信長が、家臣の明智光秀に襲撃された。追い詰められた信長が、みずから火を放って自害した。
【悲報】本能寺で何かあったらしい…… 光秀ブログ炎上中! 歴史Web2.0』(藤井青銅・著 金谷俊一郎・著/日本文芸社・刊)は、架空のインターネット空間を再現したものだ。

明智光秀は「十兵衛日記」というブログを公開していた。しかし、本能寺の変が起きたあと「十兵衛日記」は閲覧しにくい状態になったという。アクセスが殺到したことによりサーバー障害が発生したからだ。そして、本能寺の変から11日後に明智光秀ブログは削除されてしまう。山崎の戦いで秀吉に敗北したからだ。

もしも、2000年前からインターネットがあったら……

政府の公式ウェブサイト

インターネットといえばホームページ(ウェブサイト)だ。現在の日本政府とつながりのある明治政府や帝国議会が設置されるまで、さまざまな権力者が興亡を繰り返してきた。

邪馬台国(やまたいこく)。女王・卑弥呼が治めていた国だ。古代中国の歴史書『魏志倭人伝』に記述があるものの、所在地が特定されておらず諸説ある。『歴史Web2.0』の世界では邪馬台国の公式ウェブサイトを閲覧できるが、やはり所在地表記がない。

邪馬台国ウェブサイトには「卑弥呼の部屋」というパスワード認証付きのリンクが設けられている。卑弥呼は「鬼道」によって民衆を惑わしたとされており、当時から謎めいた存在だったという。

遷都しました

都(みやこ)は「天皇の所在地」という意味だ。天皇が引っ越しをすることを「遷都(せんと)」と言う。日本の歴史上、何度も遷都がおこなわれている。

難波京

藤原京

平城京

長岡京

平安京
(京都御所)

皇居
(東京都千代田区千代田1番1号)

インターネットがあれば、遷都がおこなわれるたびに、新しい都のホームページが作られたはずだ。遷都を知らしめるために、古い都の公式サイトにアクセスすると、JavaScriptの機能によって最新の都の公式サイトに飛ばされる仕組みだ。

幕府ホームページも同様だ。鎌倉幕府、室町幕府、江戸幕府など、滅亡したあとの公式サイトから最新の政権サイトへと誘導リンクが用意されている。1945年直後にインターネットがあれば、大日本帝国の公式サイトは一時的にGHQが管理していたのかもしれない。

歴史の有名人によるブログ

ブログによって情報発信のハードルが下がった。「ブログ=日記」というのは正確な理解ではない。大げさに言いあらわすならば、誰もが、無料で、何ら制限されることなく、好きなことを発表することができる革新的なITテクノロジーだ。全国紙やニュースでも話題になった「保育園落ちた。日本死ね!!!」というブログ記事も、日本国内の無料ブログサービスに投稿されたものだ。

ブログがあれば、立場や地位にかかわらず、社会にむけて不満を述べたり不正を告発することができる。

9世紀ごろに「太宰府だより」というブログがあった。ブログ執筆者のプロフィールには「中流の公家出身。大宰府に左遷されるまでは右大臣、やってました」とある。これは菅原道真による匿名ブログだ。

時の権力者に逆らって流刑になった人々も、匿名ブログを開設して不満を垂れ流している。ブログタイトル「流されて…」は、平家打倒のたくらみがバレて鬼界ヶ島へ流された俊寛が書いている。ブログタイトル「隠岐島日記」は、鎌倉幕府打倒の計画がバレて流刑になった後醍醐天皇が書いている。

「竹千代日記」は実名ブログであり、のちの徳川家康が今川義元のもとで人質生活を送っていた頃の記録だ。ブログのコメント欄には、かわいそうな竹千代をはげますコメントが投稿されている。

匿名掲示板にスレが立つ

世が乱れた時には、インターネット上の匿名掲示板がにぎわう。匿名掲示板において、ある話題について投稿するスペースを「スレッド(スレ)」という。多くの人が関心をもっている話題について議論がはじまることをスレが立つという。

先に紹介した本能寺の変をはじめとして、さまざまな「乱」や「変」や「戦い」が起これば、匿名掲示板ではかならずスレが立つ。

当時の最高権力者を暗殺することによって政権奪取した事件にまつわる「大化の改新キター」スレ、若き日の織田信長が今川義元を討ち取った事件にまつわる「桶狭間で、なんかあったらしい」スレ。

ほかにも「リアルタイム速報 関ヶ原」スレ、「松之廊下事件の真相は?」スレなどが再現されている。ゴシップや騒動について誰かと語り合いたいという欲望は、いつの時代も変わらないようだ。

(文:忌川タツヤ)

【悲報】本能寺で何かあったらしい…… 光秀ブログ炎上中! 歴史Web2.0

著者:藤井青銅(著) 金谷俊一郎(著)
出版社:日本文芸社
昔からインターネットがあったなら、卑弥呼・紫式部・源義経・織田信長・坂本竜馬・西郷隆盛たちはブログやHPを作り、どんなやりとりをSNSでしたのだろうか!? 2008年に日本史をまるごとインターネットで再現、パロディ心にあふれた「超」歴史書として世間を驚嘆させた『歴史Web』が、ネットの発展に伴い、さらに進化して装いも新たに登場! 激動の歴史が見ているだけですっきり頭に入ってくる!! 歴史をモチーフにした遊び感覚の本。古代から明治維新にいたるまでの重大事件や重要人物がインターネットに登場したらというコンセプトで作られた本書は、ブログ、掲示板、HP、さらにはSNSにいたるまで、ネット上のガジェットを模して日本史が再現されています。どのページを開いてもつい笑ってしまうくすぐりが満載ですが、それだけではないのが本書のスゴいところ。記事に書かれている内容自体は実際の史実に基づくものですから、歴史の副読本として読んでも、じゅうぶんに通用するという優れものなのです。歴史ファンも受験生も、みんなこの本で歴史をさらに楽しんでください!

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