手のひらに乗るハムスターだって、りっぱな家族の一員

我が家には大型犬のラブラドールがいるが、数年前まではハムスターも飼っていた。ハムスターのなかでも、いちばん小さく、ラブラドールの鼻とほぼ同じサイズの“ロボロフスキーハムスター”で、一代目が2年半、二代目が2年ちょっと生きた。
ハムスターの寿命は3年と言われているから、まあ、ちょっと短めだったかもしれないが、天寿を全うしてくれたんだろうなと思っている。
ペットショップで一目ぼれ
ハムスターは、ある日突然、飼うことになった。ペットショップに犬のフードやビスケットを買いに行ったとき、店内をうろうろしていた娘がロボロフスキーハムスターに一目ぼれしてしまったのだ。その体長わずか7cmの小動物はガラスの向こうから目をくるくるさせながら、“連れて帰って”とアピールしているように見えた。
ハムスターは約1500円だったので、その場で衝動買い! ケージや巣箱や給水ボトルなど一式買っても1万円でおつりがきたと記憶している。
犬と同居した我が家のハムちゃん
『はじめてのハムスターの飼い方・育て方』(岡野祐士、今泉忠明・監修/学研プラス・刊)を読むと、ロボロフスキーハムスターはとても臆病で手乗りにするのは難しいので観賞用にぴったりと書いてあった。
しかし、当時、予備知識ゼロで飼いはじめてしまった私たちは、初日から、ハムスターをとんでもなく怖がらせていたことを今になって知ることとなり、反省している。
我が家の場合、家に着くと、まずはペットとしての先輩の犬とのご対面が待っていた。ロボロフスキーハムスターはラブラドールの足のパットよりも小さいので踏み潰されないように、とりあえずはケージに入れた。が、まずは鼻先をくっつけて相手のにおいを嗅ぎたい犬はケージに頭を突っ込んで、逃げ惑うハムちゃんを追い回し「ワン!」。驚いたハムちゃんは飛び上がってすってんころん。きっと、いきなり怪獣に襲われたような恐怖感を抱いただろう。
こんな風にハムちゃんにとっては最悪の環境でも、病気をすることもなく一代目は老いを見せるまで家族の一員として愛嬌をふりまき、長生きしてれたし、二代目はそれよりちょっと短かったけれど、やはり老衰で天に召された。
ハムスターはシリア生まれ
本書によると、ハムスターのペットとしての歴史は、現在、紛争が続いているシリアからはじまったという。イスラエルの大学教授がシリアの砂漠で、母ハムスターと子ハムスター12匹を連れて帰ったのが1930年のこと。その後、生き残ったのはオス1匹とメス2匹だけだったが、交配をさせ、1年で約150匹まで増えた。つまり最初の3匹がペットとしてのハムスターのご先祖さまと考えられているそうだ。
その後、1931年に2ペアがイギリスに渡り、繁殖され、世界中に行き渡ることになった。
ハムスターの初来日は1939年。アメリカから歯の研究用の実験動物として輸入されたのがはじまりだ。ペットとして飼われはじめたのは1970年ごろからで、人に飼われるようになって、たくさんの色や柄、長毛種が誕生したのだそうだ。
ハムスターと仲良くなる
犬や猫は飼うことができないけれど、生きている動物に癒されたいと思う方にハムスターはおすすめだ。ケージを置くスペースさえあればOKで、お世話も簡単、また、1~2日ならお留守番も問題ないから、ひとり暮らしの相棒としてもハムスターはうってつけだ。
手に乗せて遊びたい派には、のんびりした性格でなつきやすいゴールデンハムスターや、警戒心が弱いジャンガリアンハムスターを選ぶのがいいようだ。
眺めて楽しみたい鑑賞派には、チャイニーズハムスター、キャンベルハムスター、ロボロフスキーハムスターがおすすめ。これらの種は臆病で動きがすばやいので手乗りにするには難しいという。
もちろんそれは一般的な傾向で、なつきやすいかどうかは個体差があると本書でも解説している。
真夜中の運動会
ハムスターは夜行性の動物だ。夕方に起きて、朝に寝るというリズム。だから、ペットショップに行って購入する際、元気なハムスターを見定め、選ぶためには活動タイムに入る夕方以降にするのがいいだろう。
ハムスターが最も活発に動き回るのは人間が眠っている真夜中。ケージの中に回し車を置いておくと、2時間でも3時間でもカタカタ、カタカタという音と共にハムスターは回りっぱなし! 私たちもこの音に慣れるまでには、しばらく時間がかかったが、それでもこれがハムちゃんの健康のためと諦めると、そのうちカタカタという音も子守唄になっていった。
安全な遊び場を考える
さて、家族の一員となったからにはケージに閉じ込めておくのではかわいそうだし、つまらない。
で、うちの娘はちっこいロボロフスキーハムスターとお風呂場でよく遊んでいた。犬に踏まれず、ハムちゃんも逃げず、自由に動き回って安全な場所、それがバスタブの中だったのだ。
バスタブの水気をよ~くふき取って、排水口には忘れずに栓をしてから、ハムちゃんを解放。おもちゃを配置すると楽しそうに走り回って遊び、おもちゃと間違えて(?)娘の手にひらに乗っかることもしょっちゅうだった。
ハムスターの一生
この本では、ハムスターの選び方、飼い方、そして繁殖のさせ方から、見送りまでをカラーの写真やイラスト付きで詳しく解説しているので、初心者でも安心してハムスターを家に迎えられるだろう。
ハムスターと人間の年齢を比較すると、1ヶ月で7才、3ヶ月で18才、6ヶ月で25才、1年で30才、2年で60才、3年で90才になるそうだ。
たった3年という短い期間でも、家族の一員として、共にしあわせに暮らし、癒し癒されて、天寿を全うさせてあげればそれでいいのではないかなと思う。
(文:沼口祐子)


はじめてのハムスター 飼い方・育て方
著者:岡野祐士、 今泉忠明(監修)
出版社:学研プラス
品種とカラーを解説するハムスター品種カタログ。ハムスターを迎える、お迎え前の準備。入手先、健康なハムスターの見分け方、基本のお世話・お手入れ、掃除の仕方、季節ごとのお世話の仕方、毛のお手入れなど。ハムスターとキモチが通じるハム語辞典も。
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