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今も昔もみんな悩みながら生きていたんだな~

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30歳を過ぎたころから、日常的に「悩む」ことが増えました。それは、「今日のご飯どうしよう」という些細なことから、仕事、結婚、家族、お金、老後のことなどありとあらゆる悩みが増えたように感じます。そして、いつも最後に辿り着くのが「私ってなんで生きてるんだ?」という壮大な悩み(笑)。ここでは笑っていられますが、色々と悩みまくった結果、頭が噴火してしまっては大変です。今回は『はじめての哲学・宗教』(相澤理・著/大和書房・刊)を参考に、偉人たちから学んでいきたいと思います。

知らないことを自覚する…ソクラテス(紀元前470~399年)

無知の知」という言葉を聞いたことはありますか?

自分は何が正しいかを知らないが、知らない事を知っている点で知者である。こうして知らないことの自覚(無知の知)が、正しいこと=真理探究への出発点

(『はじめての哲学・宗教』より引用)

これは、自分が「知らない」ことを自覚しなさいという意味なのですが、ソクラテスさんは「産婆術(助産術)」という対話を通じた問答法を用いて哲学を展開していたと伝えられています。あくまで、その人の答えを導くお手伝いをしていた…ということなのですが、これを紀元前に発見し、実践していたのだから驚きですね。

個人の自立が組織の自立に…福沢諭吉(1834~1901年)

天は人の上に人をつくらず、人の下に人をつくらず』の名言でも有名な福沢諭吉さんはご存じの方も多いと思います。明治8年に刊行された『文明論之概略』という書籍で以下のようなことを述べていたそうです。

各人上役の顔色ばかりうかがって責任を取らないから、組織がグダグダになる。だから組織として自立した国家を作っていくには、まず個人の自立を

(『はじめての哲学・宗教』より引用)

これは現代にも通じる気がします。 上司の顔色をうかがって、ポイズンにまみれて、言いたいことも言えない世の中になっちゃってませんか?

諭吉さんは、当時から西洋文化を積極的に取り入れ、日本での普及を目指していましたが、取り入れていくことだけが目的ではなかったようです。世界をリードしていくためには、様々な文化を知る必要があるということを教えてくれていたのでしょう。これは自分の仕事や悩みごとでも同じで、世間を知らないと、自分の悩みごとが大きいのか小さいのか判断がつかないですからね。

リビドーが感情や行動を左右する…フロイト(1856~1939年)

ノイローゼ患者の治療を通じて、深層心理の解明をしようとした精神医学者のフロイトさん。人間の心には、意識的・理性的にコントロールできない力(無意識)が働いているということを発見された方です。

人間の心は、自我(エゴ)・超自我(スーパーエゴ)・エス(イド)の三層構造からなるとフロイトは説明します。自我は現実の世界と接触する意識の領域、超自我は自我を道徳的に監視する良心の領域、エスはリビドー(性の衝動)が蓄えられた無意識の領域

(『はじめての哲学・宗教』より引用)

あれがしたい! これがしたい! とリビドーの思うままに行動していたら、世界は犯罪者だらけかもしれません。「お金が欲しい」という衝動も、「働く」という良心的で道徳的な方法を超自我で考え、真面目にアルバイトをして計画的にお金をもらうことを自我が実行します。お金が欲しいからと言って銀行強盗しようと、非道徳的な考えに至ってしまうのは、幼少期の教育やしつけに問題があると指摘していたそうです。

難しいことですが、無意識を意識してみると、自分が本当は何に悩んでいるかわかってくるかもしれません。

哲学や宗教と聞くとすごく難しいことのように思いますが、「あぁ~昔の人も今と同じような悩みを抱えていたんだな」なんて思うとちょっとだけ心が軽くなるような気がしませんか? 人の悩みは比べられませんが、同じ悩みを持っている人はいると思います。先人たちから知恵をもらうような気持ちで、哲学の書を開いてみるのも良いかもしれません。

(文:つるたちかこ)

はじめての哲学・宗教

著者:相澤理
出版社:大和書房
センター倫理にこんな利用法があったなんて! よく練られた良問の面白さを堪能するうちに、いつのまにか世界の哲学と宗教のポイントをおさえられる画期的な書。受験にも、ビジネスにも、教養にも!

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