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感情に振り回されないためのコツ

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感情の赴くままに行動して後悔することがある。嫉妬や怒りに身をまかせてしまえば人間関係に支障をきたす。ヒトの感情とは脳の化学反応にすぎない。感情のメカニズムと正しい対処法を知ることで、人生をより良いものにできる。

他人の不幸を面白いと感じるのは、脳による化学反応

「他人の不幸は蜜の味」という言い回しは、脳科学的に正しい。他人の不幸を目撃したとき、ヒトの脳は喜びを感じるからだ。独立行政法人・放射線医学総合研究所が報告している。

「前部帯状回」という大脳皮質の一部分は、ヒトの痛みや葛藤などを処理している。前部帯状回の活動が高い人ほど「他人の不幸に強い反応を見せる」という。現状に不満を持っている人ほど他人の不幸を願ったり面白がったりする、というのは何となくわかる。

「線条体」と呼ばれる大脳基底核の主要部位は、ヒトの嫉妬感情に関わりがある。線条体は報酬系と呼ばれている部位であり、ヒトの「快」感情に関わっている。先に述べた研究報告によれば、嫉妬している相手に不幸が起きたときには線条体が強く反応するという。いわゆる「ざまあみろ」という感情だ。

他人の不幸を心待ちにしている人生は、じつに情けない。嫉妬(ねたみ)という暗い感情を振り払いたければ、みずから脳に「快」を与えれば良い。ただし、直接ではなく間接的に喜びを与えたほうが効果があるという。

精神科医の著者が書いた『感情に振り回されない技術』(西多昌規・著/大和書房・刊)によれば、ヒトは他人を喜ばせることによって自分も喜びを得られるという。お酒を飲んだりおいしいものを食べたりする直接的な「快」よりも、他人を笑わせたりするほうがマイナス感情を解消させやすい。

「下方比較」で自信を取り戻せる

どうしても嫉妬心から逃れられないときは「下方比較」を試したい。

「離婚寸前のあの人の夫よりは、うちのほうがマシ」
「あんなブラック企業に比べれば、うちの会社のほうがいいかな」

自分より劣る、あるいは悪い「下方」の条件と比較して、自分の立ち位置を少しだけ上げる作戦です。

(『感情に振り回されない技術』から引用)

嫉妬は「自信の無さ」が引き起こすものだから、下方比較することによって自信を取り戻そうというわけだ。ダメ人間たちと話したり交流することによって、自分がそれほどダメではないと思えるようになればしめたものだ。

辞表よりも先に履歴書を書いてみる

会社勤めをしていれば「もう耐えられない」という感情に襲われることがある。理由はさまざまだが、いちど「辞めたい」と思ってしまったら、職場の何もかもがイヤになってしまう。現実逃避を優先するあまり、条件が良くない転職先を選んでしまいがちだ。

仕事を辞めたいと思ったら、辞表を書くのではなく、まずは履歴書を用意してみる。転職したい会社に提出するためではなく、辞めるまえに冷静な判断を下すためだ。

履歴書を書くのはめんどうくさい。手書きはもちろんのこと、パソコンで作るとしてもWordやExcelの履歴書テンプレートを探さなければいけないし、インターネットの履歴書作成サービスを利用するにしても玉石混交だ。

辞表を書く前に履歴書を作成することは、人生の振り返りになる。学歴を記入すれば、学生時代の楽しい思い出が浮かんでくる。職歴を記入すれば、実績が不足していることに思いが至るかもしれない。保有している免許や資格が少ないことも気になるだろう。

辞めてしまったあとに自分のキャリアを振り返るのでは遅すぎる。感情的になって会社を辞めようとする人のほとんどは、辞表を書く前に履歴書を作成することによって、軽率な退職を思い留まることができそうだ。

(文:忌川タツヤ)

感情に振り回されない技術

著者:西多昌規
出版社:大和書房
モヤモヤした不安は、「もと」がわかれば9割消える! ままならない感情を否定せず受け入れる。感じたこと自体を責めすぎない。「もう一人の自分」の目で状況を見直してみる。「不安」「怒り」「イライラ」「緊張」と上手に付き合うヒントを精神科医がアドバイス!

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