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うまいカラスとまずいカラス

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日本に生息しているおもなカラスは、ハシブトガラスハシボソガラスに分けられる。

本格アウトドア雑誌『Fielder vol.19』(Fielder編集部・著/笠倉出版社・刊)によれば、食べておいしいのはハシボソガラスだという。カラスは筋肉質なのでシチューなどの煮込み料理に向いている。鉄分が豊富で胸肉はレバーのような味がするという。ハシボソガラスのほうは草食系なので肉に臭みがないそうだ。

見分けるときは「鳴き声」と「クチバシ」に注目する。ハシボソガラスは「ガーガー」と鳴く。クチバシが細くて小さい。

東京都環境局は住民の苦情を受けて毎年1万羽のカラスを捕獲している。それでもなお1万5千羽(平成26年度)のカラスが確認されている。日本では許可なくカラスを捕獲したり殺してはならない。「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護法)」によって禁じられている。……とは言うものの、いざという時のための食材として期待できる。

自然の恵みを食べて生きのびる

もしも未曾有の災害によって一般的な食料の入手が難しくなったとき、カラスやスズメを食べるしかない状況も有りうる。「でもやっぱりカラスは生理的にムリ……」という人は、山に行ってみてはいかがだろうか。山の幸という言葉があるように、かならず食べられるものが見つかるはずだ。

先に紹介した『Fielder vol.19』には「獲物採集カレンダー」が載っている。日本の山で入手可能なものが季節ごとに一覧できる。たとえば春から夏にかけてはヘビやカエルを捕獲できる。昆虫の幼虫はクリーミーな舌触りだという。たんぱく質には事欠かない。

夏から秋にかけては菌糸類や山菜がオススメだ。ナラタケ、ヒラタケ、ウド、ミズ、ウルイなど。キイチゴやクロマメノキなどの天然のデザートもそろっている。

飲料水サバイバル獲得術

ほとんど水を飲まずに生存できるタイムリミットは2週間だ。意外と長く感じるかもしれないが、徐々に体が動かなくなることを考えれば、極限状況における飲料水の確保は急いだほうがいい。

1. ありったけの容器を並べる
2. 植物から集める
3. 朝露を集める
4. 水場を探す
5. シートを張る
6. 枝から集める

(『Fielder vol.19』から引用)

容器を並べるのは「雨水」を集めるためだ。酸性雨や大気汚染が心配だが、日本国内で降る雨ならば飲んでも死にはしない。

できれば大きなビニール袋があると良い。樹木は水蒸気を放出しているので、枝葉にビニール袋をかぶせておけば水滴を確保できる。一刻も早く水分補給したいときには、ビニールシートの上で枝葉をゆすって水滴を集める。たとえ水場が見当たらなくても慌てずに対処すれば生存確率は格段にアップする。煮沸消毒をしたほうが良いのは言うまでもない。

燻製はTシャツ1枚あれば作れる

サバイバル生活に慣れてきたら、ウサギやシカなどの野生動物を狩ったり、川魚を釣れるようになるはずだ。獲物に出会えない日のことを考えて「保存食」を作っておきたい。余った獣肉や生魚を日持ちさせたいときは燻製(くんせい)がいちばんだ。

「一晩燻製された肉は一週間もつ」そうだ。特別な道具はいらない。厚手の布が1枚あれば燻煙するときのフタ代わりになる。『米陸軍サバイバル全書』に掲載されている「ティービー型燻製室」をアレンジすれば、Tシャツと3本の枝木だけで燻製器を作ることが可能だ。(本来は軍用ポンチョかパラシュート布を用いる)

燻製食品が長持ちするのは、煙でいぶすことによって食材から水分を奪って腐敗を遅らせるからだ。わざわざ燻製にしなくても干し肉にするという選択肢もある。塩をかけた獣肉や生魚を「6ミリ以下」にうすく切り分けて「風通しの良い日の当たる場所」に吊るして徹底的に乾燥させれば出来あがりだ。

知っておきたいシェルター構築

1日の最後には安心して眠りたい。サバイバル生活には「シェルター」が欠かせない。シェル(殻・甲羅)の字義どおり、風雨や寒さから身を守るためのものだ。まずはシェルター構築に適した条件を知っておきたい。

1. シェルターを作る材料があること
2. 快適に横たわれる十分な広さと平坦さがあること
3. 鉄砲水、落石の恐れがない場所
4. 毒草、害虫、害獣の危険がない場所

(『Fielder vol.19』から引用)

アウトドアマンがシェルターを構築するときは「タープ」という防水シートを用いることがある。ロープとポールを組み合わせることによって簡易テントを形成できる優れものだ。

もしもロープやポールを持ち歩けない場合は、それぞれ「蔦(つた)」と「Y字の枝木」を現地調達すれば、タープはシェルターとして機能する。タープは1枚あれば必要十分なので折りたたんで持ち歩けばそれほど大きな荷物にならない。タープは「永久定番のアウトドア用品」と言われている。いざという時のために備えておいて損はない。

(文:忌川タツヤ)

Fielder vol.19

著者:Fielder編集部
出版社:笠倉出版社
TAKE THE POWER BACK…。現代社会にまかり通る常識に挑み、街では気づくことのない人間本来の力を、遊びながら呼び覚ますための1冊。山、川、海、すべてのフィールドを通じて、「獲って食う」「野で寝る」「自在に動く」を実践し、どんな場所でも楽しく生き抜ける、本当に必要な知恵と技術をお届けする雑誌、Fielder。

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