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趣味と実益をかねた脳トレーニング

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数独やナンプレは、慣れると単純作業になってしまう。頭の体操になっているか疑問だ。スマホアプリのパズルゲームも同様だ。

記憶力、特に暗記力は年齢を重ねるごとに衰えていく。学生のときは一夜漬けに自信があった人でも、早ければ20代後半で暗記力が衰えはじめていることに気がつく。

新しいことを覚える能力はどのような業種でも必要とされるが、多くの人は「若い者にはかなわない」とあきらめてしまいがちだ。加齢によって記憶力が衰えるのは仕方がないことだが、衰えを最小限にとどめる良い方法はないものだろうか。

危険物の資格を取得した理由

わたしは危険物取扱者免状(乙種第4類)を取得している。2002年に取得した。資格試験を受けようと思ったのは「なんとなく脳が衰えているような気がした」からだ。趣味と実益をかねた頭の体操ができれば何でも良かった。

なるべく短期間で取得したかった。いろいろ調べた結果、危険物取扱者(きけんぶつ・とりあつかいしゃ)に挑戦しようと思った。総務省所管の国家資格だ。すでに20代だったが「危険物を取り扱う者」という言葉の響きが、わたしの中二病スピリットをくすぐった。

書店の資格コーナーへ行くと乙種第4類(おつしゅ・だいよんるい)を取り上げた参考書や問題集が多かった。危険物取扱者にもいろいろ種別があることを知った。

乙種第4類とは何か

最新 乙種第4類危険物取扱者 合格完全ガイド』(坪井孝夫、中野博・著/日本文芸社・刊)によれば、乙種第4類に定められている危険物は、おもに引火性液体と呼ばれるものだ。ガソリンや灯油などの石油類、食品製造に使われるサラダ油、工業用途のアマニ油、衣類クリーニング用途のエタノールやベンゼン、雑誌や書籍印刷に使われるグラビアインキなどがある。

試験で問われるのは、消防法上の危険物、関係する法令の理解、危険物施設の区分、危険物施設の構造理解や保安方法、危険物の貯蔵と取り扱いの方法、基礎的な化学や物理学に対する理解、引火したときの消火方法などだ。

問われる専門知識は多岐にわたるので、毎年かならず出題されるキーワードを効率よく暗記したほうがいい。そのためには参考書が役に立つ。

受験した感想と合格体験談

・危険物に関する法令(15問)
・基礎的な物理学および基礎的な化学(10問)
・危険物の性質ならびにその火災予防および消火の方法(10問)
・5肢択一のマークシート方式
・試験時間は120分。

乙種第4類は、ガソリンや灯油などの引火性液体にまつわる資格だ。つまり「やってはいけないこと」の知識が重視されるため、試験では「誤っている(間違っている)ものはどれか」「該当しないものはどれか」「消火に使用してはならないものはどれか」という設問が多い。

全部で35問あるので、じっくり考えていると時間切れになってしまう。特に「法令」の問題は、法律で定められている具体的な数値を問われるものが多い。暗記しておかないと自信をもって答えられない。マークシート方式なので、終了時間ギリギリになってもわからなければ運任せで解答するしかない。わたしがそうだった。

「物理学および化学」は、本当に基礎的なものばかりだ。3つの区分のなかでいちばん簡単かもしれない。「火災予防および消火」の問題は、消火に使われる化学物質の性質について問われる。二酸化炭素やハロゲン化物などの消火剤にまつわる知識の丸暗記が必要だ。

「法令」「物理学と化学」「危険物の知識と消火」それぞれ60%以上を正解していれば合格となる。わたしの勉強期間は2ヶ月。一発合格することができた。

更新手続きと資格の実用度について

危険物乙四試験の合格率は40%前後だ。原付免許の合格率が2人に1人(50%)なので、乙種第4類は運転免許を取るよりもちょっとだけ難しいと言える。わたしの実感に照らしあわせても納得できる数字だ。

危険物取扱者免状の更新は、10年間に1度、免状の顔写真を書き換えるだけで良い。しかも、わたしのように14年のあいだ放置しても完全に失効することはない。たとえ10年を過ぎていても写真を新しいものにすれば免状を更新できる。住所変更の届け出は必要ない。郵送でも更新申請ができる。

ガソリンスタンドのアルバイト時給を上げたければ乙種第4類がオススメだ。保安監督者(立ち会い資格者)になれるからだ。乙四と内容はほぼ同じだが、設問数が少ない「丙種(へいしゅ)危険物取扱者」という資格もある。じつは丙種免状だけでもガソリンや灯油を運ぶことができる。わたしの身内には、丙種資格ひとつで家を建てるほど稼いだタンクローリー運転手が実在する。まさにハサミと資格は使いようだ。

(文:忌川タツヤ)

最新 乙種第4類危険物取扱者 合格完全ガイド

著者:坪井孝夫、中野博
出版社:日本文芸社
ガソリンなど、日常生活に必要不可欠なものだが、その取扱には十分な知識と経験が必要だ。知識と経験が一定レベルに達している人がもつ資格が「危険物取扱者」。学習効率を高めるため出題頻度が高い項目に印を付けたり、学習の理解度を確認するための練習問題を収録している。さらに、本試験と同様に科目別の模擬試験問題を掲載。試験対策の総仕上げとして活用できる。

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