ハウツーが満載のコラム
文字サイズを変更する

ブラック企業経営者は、こうやって新人を社蓄化する

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

若者の労働力を搾取しまくり、ボロボロになるまで働かせまくるブラック企業。社会問題化しているにもかかわらず、依然として問題の解決策は見えてこない状態にある。

最近、某居酒屋チェーン店にようやく労働組合ができたというニュースが報じられていた。一方で、労働組合なんてうちの会社にはないよという例が大半だと思う。ニュースで報じられないブラック企業は、世の中にごまんとあるのだ。

辞めない人が多い不思議

なぜブラック企業にもかかわらず、辞めない人がいるのか不思議に思う人も少なくないだろう。残業が月100時間を超えるなど、尋常ではないはずなのだが、辞めずに黙々と仕事をしている人は多い。

それは、知らず知らずのうちに、社員がブラック企業の経営者によって、新人の段階から“社畜化”されているためなのである。社蓄とは、会社の命令に忠実に働き、すさまじいサービス残業や、どんな理不尽な指令でも受け入れる社員のことだ。では、どのような方法で社蓄化は進められているのだろうか?

経営者の恐るべき洗脳の手口

ブラック企業経営者の本音』(秋山謙一郎・著/扶桑社・刊)に、ある経営者の恐るべき手法が記されている。内容を要約して紹介しよう。

まず、経営者は新人が入社して1日目は何もしない。無論、新人は仕事を与えられず、ぼーっとしている。2日目に仕事の段取りを一通り教える。このとき、「この新人は指示がなければ動かないタイプだな」と感じ取った経営者は、翌日、いよいよ社蓄化の第一手段を実行するのだ。

3日目。経営者は出社するなり新聞を読んでいた新人に対して、怒鳴りつけた。

「仕事もしないで何を遊んでいるんだ!」

顔色をうかがい始める新入社員

新人は衝撃を受けて大パニックに陥ってしまう。そして、経営者は続けざまにこう言うのだ。

「出社したら、掃除するのは新人の役目だろう。女の子たちの仕事ではないんだよ。ウチは、言わなければわからない人間に給料を払う余裕はない」

この一言をきっかけに、新人は恐怖におびえ、経営者の顔色をうかがうようになるのだという。そして、ほとんどの新人は翌日から朝一番で出社するようになり、「自分にできる仕事はないか」と聞いてくるようになるのだそうだ。まさに一種のマインドコントロールである。

世間との関わりを遮断する

極めつけは、新人をどんどん拘束することで、世の中との関わりを希薄にしていく手法だ。

会社には早朝に出勤させ、営業回りが長引いても直帰は一切認めない。そして、その日の仕事は溜め込まないようにと指示を出す。こうしてサービス残業が常態化していくのだ。自分の自由時間もないし、家族や友人と過ごす時間も減っていく。こうすることで、新人は次第に、自分が置かれている環境を「変だ」と思わなくなってしまうのだ。慣れというのは実に恐ろしいものである。

このように、世間と隔絶させる手法は、カルト団体などもよくやる手口だ。最後に、ブラック企業経営者の言葉を引用しよう。

「常識的におかしいことでも染まってしまえば、たいていのことは受け入れられるようになる」

社蓄状態から抜け出すにはどうする?

こうして、経営者の手となり足となって忠実に働く社蓄が完成するというわけだ。

ブラック企業経営者は、そもそも人材を育てる気など、さらさらない。労働力を搾取するだけ搾取し、ボロ雑巾のように使い捨てていく。そして、社員はマインドコントロールのような状態になってしまうので、社蓄になってしまったら抜け出すのは難しい。苦しくても日々の仕事でいっぱいいっぱいになっている人も多いはずだ。

そんなときに頼りになるのは、友人、家族だろう。なんとか時間を捻出して、相談してみるのもいい。友人の働き方と自分を比較してみてもいい。一度しかない人生をブラック企業のために捧げてしまうのはあまりに悲しい。比較して、おかしいと気づいたら、そのときが辞め時なのかもしれない。

(文:元城健)

ブラック企業経営者の本音

著者:秋山謙一郎
出版社:扶桑社
なぜ、長時間拘束できるのか? なぜ、残業代を払わなくて済むのか? なぜ、社員を使い捨てにできるのか? 経営者サイドが明かした怖すぎる本音!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事