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天才ドリブラーの究極の足ワザを盗め!

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サッカー欧州選手権の真っ只中、連日の深夜テレビ観戦で睡眠不足になっているファンは多いと思う。特に、明日の一流選手を目指すサッカー少年たちはスターたちの足ワザにクギ付けになっていることだろう。

12歳以下の国際サッカー大会

私自身はサッカーについて大して詳しくはないけれど、子どもたちのサッカーがとても盛んな町に暮らしていたせいで、いつの間にかサッカー好きになっていた。

私がフランスで住んでいたジフという町は、パリから南西に25キロ、人口2万1000人。町の中心には小さなスーパー1軒、パン屋3軒、カフェ3軒、100人も入ればいっぱいの小さな映画館がひとつ。こんな静かな環境なのにフルスケールの陸上トラックに芝のサッカー場が1面、人工芝のサッカー場1面、ラグビーとサッカー共用の芝のコートが2面、テニスコート10面、それとバスケットコートと体育館という施設がすべて町の中心部に集まっていて、スポーツがとても盛んなところだった。

風が爽やかに感じる5月末、毎年この田舎町では12歳以下の子どもたちの国際サッカー大会が開かれている。PSG、ACミラン、ベンフィカ、フェイエノールト、スパルタクモスクワなど有名クラブの育成チームU12(小学生)がヨーロッパ各地から集まり、そこに地元と近隣の町の少年サッカーチームを加え、約40チームが優勝トロフィーを目指してピッチを駆ける。小学生たちの大会だが大人顔負けの熱い戦いが毎年繰り広げられているのだ。

一流選手を生む移民の町レ・ジュリス

この大会で有名クラブチームの子どもたちに負けない実力をいつも見せつけるのが、隣町レ・ジュリスのサッカーチームだ。レ・ジュリスはアラブやアフリカからの移民が大多数を占める町だが、サッカーの一流選手を生み出す町としても知られている。

レ・ジュリスのチーム出身者には、アーセナルやバルセロナで活躍し1998年ワールドカップ優勝メンバーであるティエリ・アンリや、現フランス代表でユベントスのパトリス ・エブラ、マンチェスターユナイテッドのアントニー・マーシャル、そしてフランス代表ではないがアーセナルのヤヤ・サノゴなどがいる。

こういった優秀な選手を輩出できたのは環境が大きいような気がする。レ・ジュリスから車で30分もかからない場所にフランス代表チームが練習するクレールフォンテーヌという国立のサッカー施設があり、ここはフランス代表のトレーニング地でもある。特別な事情がないかぎり練習はいつも公開なので、近隣のサッカークラブは生の教本としてトレーニングや足ワザを見せるために大勢の子供たちを引き連れて見学にやってくるのだ。

いいプレーを観察して、真似するということはとても大事なことなのだと思う。

私の好きな天才ドリブラー

あくまで個人的な意見だが、私がドリブルがスゴイと思った選手は2人いる。

まずは、ジネディーヌ・ジダン。ジダンと言えばマルセイユ・ルーレット! 足の裏でボールを止め、体を半回転後ろ向きにしながら、ボールは自分の体でディフェンダーから隠すように、そのままボールを引き寄せたらもう半回転して一気にディフェンダーを抜き去る。このワザを多用する選手はジダン以外に少なく、ジダンの出身地にちなんでマルセイユ・ルーレットと呼ばれている。

もうひとりは、メッシでもなくロナウドでもなくネイマールでもなく、かつてPSGに所属していた元ブラジル代表・ロナウジーニョなのだ。これは住めば都の地元贔屓にほかならない。郊外の田舎町に引っ越す前は、PSGのホームスタジアムであるパルクデプランスまで歩いて5分のところに住んでいたからだ。

ロナウジーニョは当時のPSG監督だったルイス・フェルナンデスとの確執からわずか2年でチームを去ったけれど彼の代名詞とも言えるテクニック、エラシコやノールックパス、ルーレット、オーバーヘッド、そして華麗なドリブルは、観ていてとても楽しかった。

足下のボールを誰にも触らせないために

さて、もっとサッカーが上手になりたいと思っている少年たち、そしてコーチたちにおすすめしたいのが、『500円でどんどん上達! サッカードリブル』(ストライカーDX編集部・編/学研プラス・刊)。コマ送り写真で人の動き、ボールの動きを徹底分析した丁寧でわかりやすい足ワザ解説本だ。

読売サッカークラブ(現東京ヴェルディ)の下部組織で育ち、16歳7ヶ月の若さで日本サッカーリーグ(Jリーグの前身)にデビューした天才ドリブラーの菊原志郎氏。日産自動車サッカー部(現横浜F・マリノス)入部直後から抜群のボールコントロールで左サイドのスペシャリストと呼ばれた鈴木正治氏。そして浦和レッドダイヤモンズで大活躍し、現在は指導者として活躍している福永泰氏。この元3選手がデモンストレーターとして正確な実技と理論を展開している。

テレビ観戦やYouTubeで有名選手の足ワザを何回観ても上手く再現できないと悩んでいる人も、この本を読めばすべて解決!

メッシやネイマールになれなくても、現在のチームでのポジションを約束してくれる実力が身につくことは間違いない。

サッカーを習う子供たちだけなく、指導する側にもいい教本になるだろう。

(文:沼口祐子)

500円でどんどん上達! サッカー ドリブル

著者:ストライカーDX編集部(編)
出版社:学研プラス
サッカーのテクニックを手軽に、詳しく学べる一冊。プレーヤーがもっとも身につけたい技術である「ドリブル」に焦点を当て、
ここ数年のサッカーシーンで見られた基本ワザや流行ワザを、デモンストレーターの連続写真でわかりやすくレッスンする。

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