ハウツーが満載のコラム
文字サイズを変更する

“毒親”のこんな言葉が子どもを傷つける!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

日本という国では、一般的に「親の言うことをよく聞く子」は模範的な存在として扱われる。オリンピックで活躍した選手が「親孝行をしたい」「尊敬する人は親です」とでも言おうものなら、絶賛の嵐だ。テレビドラマはもちろん、道徳教育、宗教団体のスローガンなどでも「親を大切にすること」は重視されている。

現在の日本では核家族化が進み、戦前のような大家族制は崩壊しつつある。それでも、親や家庭という存在が特別視されている状況には変わりないだろう。

親は本当にありがたい存在だろうか?

その一方で、親を厄介な存在と感じている人が多いのも、また事実だ。ところが、日本では表立っては「親が嫌い」「親が憎い」とは言いにくい風潮なので、親への不満を心に溜めこんでしまう人が多いのである。そのせいだろうか。最近、下重暁子さんの『家族という病』という本がベストセラーになった。子どもに過干渉で、親の理想を押し付け、自由を制限したりする親を指す“毒親”という言葉も生まれた。

毒親は暴力を振るうタイプも多いが、厄介なのはねちねちと言葉で攻撃してくる親だ。感情的なタイプも嫌だが、理屈っぽい親だともっと困る。子どもは親に対して充分な反論など、できないことが多いからだ。

何気ない言葉が子どもを追い詰める

追いつめる親 「あなたのため」は呪いの言葉』(おおたとしまさ・著/毎日新聞出版・刊)には、様々な毒親の事例が紹介されている。その中から、毒親が子どもを追い込む言葉をいくつか抜粋して紹介しよう。

教育熱心な毒親が決まりごとのように言うのが、「どうしてできないの?」だ。そんなことを言われても、子どもは答えることができない。そして、問い詰められれば問い詰められるほど、子どもは頭の中が真っ白になってしまう。本著によれば、子どもがわからないことが理解できないのは、親の未熟さの表れだと言っている。

テストやスポーツなどで「一番になれ」という親もいる。本著では、その言葉を聞いた子どもが、「お父さんは自分にできないことを僕にだけやらせようとする」と涙ながらに話しているシーンが紹介されている。親が一般的なサラリーマンで、一番になろうという野心家でもないくせに、どうして自分に強要するのかと疑問を抱いているのだ。子どもは親の姿を見ている。だから余計に困惑してしまうのだ。

まだまだある、キツい一言

あなたはダメな人間」「あなたなんて生まれてこなければよかったのに」などの、キツい言葉を浴びせて、子どもの奮起を促す親がいる。特にスパルタ好きな体育会系に多い。しかし、それらは子どもの尊厳を傷つける言葉であるのは言うまでもないだろう。

出て行け!」という言葉も、痛烈な一言だ。子どもは親に養ってもらわない限りは生活できない。家を追い出されたら、生きていく術を失ってしまうのである。本著によると、子どもにとって「出て行け!」と言われることは、「死ね!」と言われることと同じなのだそうだ。したがって、子どもには「出て行きなさい!」は絶対に言ってはいけない言葉の一つである。

毒親に育てられた子どもは、普段は大人しく“いい子”であることが多い。しかし、その“いい子”とは親にとってのいい子に過ぎない。本人は心のなかに深い闇を抱えている。そして、“いい子”に見えるのは、子どもの方が、反抗して親を傷つけないようにしようと遠慮しているためなのだという。大人が思うより子どもはずっと大人なのだ。成長しなければならないのは親の方ではないかと思う。

“毒親”に育てられた私

何を隠そう、私の親もなかなかの“毒親”であった。女の子と遊ぶことを許さず、勉強することを強いるのでゲーム機も買ってくれない。また、成人してからも、仕事のことにまであれこれと口を出す状況が続いていた。

こんな状態を救ってくれたのが、仕事でご一緒していた元・学研パブリッシングのカリスマ編集者のI氏だった。I氏に飲み屋で悩みをぶちまけたら、親と距離を取るように提案してくれた。結果、現在の私は日々の生活も仕事も順調だ。

親孝行はできるのであれば確かに理想だし、親と円満な関係を築けたら素晴らしいことである。しかし、それは無理にするべきことではない。自分の辛い思いを抑えつけてでも、親のために生きるべきなのだろうか。社会的に良いと思われる、お手本のような生き方をすべきなのだろうか。そうではないはずだ。自分の人生は自分のためのものなのだから、自分の暮らしを大切にして生きるのが正解だと思う。

(文:元城健)

追いつめる親 「あなたのため」は呪いの言葉

著者:おおたとしまさ
出版社:毎日新聞出版
人間関係がうまくいかない、生きている実感がわかない、怒りがコントロールできない......。「教育」という名の「虐待」にとらわれてしまった親と子供の闇を照らす衝撃の書!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事