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一人分の節約レシピ。トースターと電子レンジを活用する

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節約レシピについて語りたくなった。『正しい貧乏青年の食卓』(ライノ曽木・著/ポット出版・刊)という本のせいだ。雑誌「BRUTUS(ブルータス)」で連載していた貧乏レシピを1冊にまとめたもので、内容は「ネタ7割」「実用3割」だった。

ネタ7割の部分は、チーズ味の某スナック菓子をパスタにまぶして「カール ボナーラ」というメニューを提案するなど、おふざけメニューが目立つ。

実用3割の中身は、食べておいしい節約レシピ向けのノウハウを紹介している。巻末に掲載されている「貧乏レシピの七ヶ条」は、貧乏食愛好家のわたしが読んでも納得ゆくものだった。

貧乏レシピの7ヶ条

1.ライス
2.オカズ
3.パン
4.具
5.調味料
6.玉子
7.肉

(『正しい貧乏青年の食卓』から引用)

以上の7項目に分けられる。

当コラムでは『正しい貧乏青年の食卓』を参考にしつつ、わたしが十数年のあいだに積み上げてきた「貧乏レシピの基礎知識」を発表したい。

調理器具は何が必要か?

貧乏レシピに冷蔵庫は不要だ。とりあえずオーブントースターがあればいい。2千円で買える。これさえあれば食パンをトーストできる。目玉焼きも作れる。

カセットコンロあるいは電磁調理器(クッキングヒーター)を用意してもいい。4千円以内で手に入るからだ。ただし、コンロを活用するにはフライパンや鍋が必要だ。出費は4千円では済まない。食事のたびにたくさんの洗い物が発生する。台所まわりが油の飛びはねでベタベタになる。

わたしがオススメするのは電子レンジだ。ガスコンロやクッキングヒーターの代わりになる。食器やタッパーを鍋代わりにして調理できるからだ。コンビニで買える100円の冷凍食品をチンできる。本体は、国内メーカーのものが7千円台で買える。汚れるのはレンジの中だけ。洗い物も少なくて済む。

我が家の台所には、オーブントースターと電子レンジしかない。パスタをゆでる。そば・うどんなどの乾麺をゆでる。もやしを蒸す。ゆで卵を作る。すべて電子レンジで可能だ。500Wで10分間使っても、電気代は10円以下で済む。

調理家電のほかには、特に「スライサー」の購入をすすめたい。キャベツ・大根・キュウリを食べやすく加工するためだ。

主食は米か小麦粉か?

トースターと電子レンジに加えて、炊飯器があれば向かうところ敵なしだ。米は栄養があって安くて満腹になれる。しかしながら、わたしは毎日ごはんを食べなくても平気なので、当コラムでは小麦食中心の貧乏レシピをお送りする。

食パンパスタは調理に手間がかからない。いまどき100円もあれば一斤(一袋)の食パンが買える。安いのはPB(プライベートブランド)の食パンだが、大手メーカーとの品質の差はわずかなものだ。パスタは輸入品が1袋(500グラム)を150円で売っている。1食(100グラム)あたり30円だ。

わたしの場合、食パンにオリーブオイルを塗ってからトーストする。シンプルゆえに飽きない。

パスタ(スパゲッティ)は、1食分の100グラムを電子レンジでゆでる。100円ショップのタッパー売場に「レンジでパスタ」が売っている。ミートソースはいらない。ゆであがった麺にオリーブオイルをかけたあと、味付けには「お茶漬けの素」「塩こんぶ」「ふりかけ」「ゆかり」「バター味のフライドにんにく」などをまぶして味付けをする。シンプルゆえに飽きない。

小麦レシピを主食としているわたしだが、1週間のうち2食か3食は米飯を食べたくなる。そんなときの対処法については後述する。

玉子の活用法は?

玉子(卵)は、10個入りパックが200円以下で売っている。1日3個食べても60円にすぎない。栄養面ではタンパク質が摂取できる食材だ。貧乏生活に不足しがちなミネラル(鉄分・カルシウム)も含まれている。

目玉焼きは万能だ。トーストのオカズになる。レトルトのカレーライスやカップ焼きそばにのせてもうまい。黄身を半熟にしたものを米飯にのせて醤油をぶっかけた目玉焼き丼はサイコーにおいしい。ちなみに、オーブントースターで目玉焼きを作るにはシリコンホイルかテフロン加工プレートを使う。

ゆで卵はそのまま塩をかけて食べる。フォークで崩したものにマヨネーズを混ぜればサンドイッチの具になる。

野菜をどうするか?

安くて飽きない野菜を知っておきたい。もやし、キャベツ、大根、キュウリの4つだ。

もやしは欠かせない。1袋200グラムを50円以下で買えるからだ。わたしの行きつけの店では1袋30円だ。ラップをかぶせて電子レンジで500Wで3分半。チーン。塩こしょうをかけて食べる。(貧乏でない人は、豚しゃぶ用のうす切り肉をのせてチンしたものにポン酢をかけて食べる)

キャベツは1玉を半分にカットしたものが100円で買える。3回に分けてスライスする。すし酢と醤油をテキトーな割合で混ぜ合わせたものをドレッシング代わりにして食べる。うまい。1人前あたり33円。飽きない。不足しがちな食物繊維を摂取できる。

大根は半分にカットしたものが100円で買える。葉のある上半分は甘く、下半分は辛みが強い。スライサーで薄切りにしてから包丁でざっくりと細切りにする。大根サラダのできあがり。醤油とかつお節をかけて食べる。1人前あたり30円。パスタ食の副菜だ。舌がさっぱりする。大根は古来より「医者いらず」の異名で知られている。ふくまれる消化酵素が胃腸に良い作用をもたらすようだ。

キュウリはスライサーで輪切りにしたものを「塩もみ」にして食べる。乾燥わかめと合わせて酢の物にしてもうまい。簡単なので思い立ったら5分で完成する。キュウリは栄養がないと言われているが、単調になりがちな貧乏レシピ生活にアクセントを与えるので活用すべきだ。

我が家には冷蔵庫がないので、もやしときゅうりは買ってきた日に使い切る。大根とキャベツは、切断面をサランラップで保護してから全体を新聞紙で包んだものを冷暗所に置く。こうすれば夏場でも3日は食べられる。

用意すべき調味料は?

こしょう。食塩ではなくアジシオのほうがうまみがある。ミネラルをふくんだ天然塩でも良い。

オリーブオイルは小ビンを買う。油は酸化するものであり、風味が新鮮なうちに使い切りたいので小ビンを選ぶようにしている。

すし酢醤油は、ドレッシングや酢の物に使える。すし酢のほうがふつうの酢よりも使い勝手が良い。昆布だしなどの味がついているからだ。

使いきりのふりかけパックお茶漬けの素は、パスタと蒸しもやしを食べるときの風味づけに使える。

我が家には冷蔵庫がないので、マヨネーズケチャップウスターソースは弁当用の使いきりパックを常備している。

空腹の対処法は?

貧乏レシピを続けていると、やっぱり物足りない気分になる。ときには抑えられない暴飲暴食の欲求がわきおこる。どのように対処すればいいのか?

ガマンは不要だ。心と体が求めるものを食べればいい。足りないエネルギーや栄養素を求めるのは生存本能であるからだ。節約のために健康を損なっては本末転倒だ。

毎日を貧乏レシピで過ごすべきではない。週に1~2日は好きに食べなければ、貧乏レシピ生活は長続きしない。ただし、何かの目的があって食費を節約しているのだから、好きなものを食べるとしても通常予算の2倍を上限にするべきだ。

ところで、いつもは食パンや麺類を主食としているわたしだが、米の飯を食べたくなることがある。電子レンジで炊飯する方法もあるが、米を買い置きしたくない。チンする「パックごはん」は品質面で物足りない。

お米のごはんを食べたくなったら、コンビニの冷凍チャーハンを買う。200グラムで100円だ。最近の商品は驚くほどうまい。ほかの白米供給源としては、牛丼屋に行けば300円台でうまい肉と米飯が食べられる。朝定食ならそれよりも安い。

このように安上がりな食欲の持ち主であることも、貧乏レシピで生き抜くための素質だ。

(文:忌川タツヤ)

正しい貧乏青年の食卓

著者:ライノ曽木
出版社:ポット出版
お菓子のカールを粉チーズの代わりに使ったスパゲティ「カールボナーラ」、ただでもらえる天カスをピザ風トーストに仕上げる「ドリームジャンボ宝カス」、お金がないときでも堂々と仲間と一緒にランチタイムを楽しめる「ほっかほっか亭 デラックス・ライス」(弁当の空き容器を使用、中身は全部ライス)、もやしで一週間食いつなぐレシピなどなど、馬鹿馬鹿しくも笑えるビンボー料理を全点写真付きで紹介。
雑誌「BURST」で連載されていた同タイトルに加筆・修正をほどこし単行本化。

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