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犬も食わない、嫁姑戦争?!

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親がニヤニヤしながらよく見ていた「生活笑百科」というテレビ番組で上沼恵美子のことを知った。自分はどこそこの国の王室の血を引いているとか、ヨーロッパの別荘のお城がなどと(両方とも正確ではない)大ボラ話をしている面白いオバハンで、こんな人が自分の母親だったら面白そうだなぁなどと思っていたものだ。

そんな上沼恵美子とご主人の上沼真平(TVディレクター)との犬も食わない夫婦ゲンカのエピソードをつづった本書『犬も食わない』(上沼恵美子・著/学研プラス・刊)であるが、生活笑百科同様に大いに笑わせてもらった。そして感情移入した。

嫁姑問題の原因は?

最初に披露されるのは嫁姑問題である。上沼恵美子ですらも避けては通れなかったのかと思ったが、嫁姑問題というのはいつの頃から大問題なのだろう。とにかく古くから映画やドラマや小説のテーマによくなっている。問題どころか嫁姑戦争とも物騒な言われ方をしてしまうくらいの問題なのだが、本書に書いてある「一人の男を二人の女が取り合う」という表現はなんともしっくりきた。

私も嫁姑問題には頭を悩ませている一人だ。同居でもないのに悩んでいるのだから同居の方々の抱えるこの問題に比べれば屁みたいなものだろうが、年に数度の帰省のたびに私の母親と女房との間で諍いが勃発する。そしてその原因はほぼ私だ。

まず帰省した私を見るや母親は

「顔色が悪いんじゃない?」
「あら、少し太った?」
「また禿げた?」

という軽めのジャブから始まって、そのうち

「生気がまるでない」
「仕事盛りの40代の男の顔をしていない」
「ケメ子さん(女房の仮名。)、この子、どんな生活してるの? させてるの?」

とパンチを繰り出す。ジャブの時点から攻撃されているのは自分だと理解している女房は、巧妙な防御でスルーしてくれればいいのだが、ノーガードでの打ち合いに出る。

「顔色? 悪いですよ。私がいくら注意しても野菜も食べないし、夜も起きてるし」
「太った? 太りますよ、ラーメンばっか一人でこっそり食べてるし」
「禿げた? ああ、そこだけは必死に7000円もする効きもしない禿げ薬買って頑張ってますね」
「仕事盛りの男の顔? してますけどね。保育園に送りに行くと他のお父さんたちは」
「どんな生活してるか? さぁ、知りません。とにかく私の言うことは聞きません。きっと子供の頃から好き勝手してたんじゃないですか」

と「この自堕落な男を作り上げたのは母親のあんたである。私には一切の責任はない、ここまでマシにしただけ感謝の言葉の一つもあっていいでしょ」と、母親が寝たあと私に言う。

帰省したのに帰れない

一人の失敗作の40男について、こうなったのはどちらの責任かで嫁と姑が争う。親元を離れるまでは最高の子供だったと言い張る母親と、出会ったころは最低な男だった私をここまでマシにしたという女房との争いは尽きることなく、どちらかが泣くまでやる。なので実家に帰省するたびに、私はほとんど実家に近寄らないという意味不明な状況に陥る。いまだ地元で一人暮らしの友人宅に入り浸っているのである。

女房を連れて実家に帰らなければいいのだが、そこが私のダメなところで、何とか二人にうまくやってほしいといまだに思っている。だったらきちんと二人の間に入ってそれなりの態度をとらなければならないのだろうが、それは面倒臭い、二人で解決して、何とか仲良くやってもらいたい。一つだけ解決法があるとすれば、私が二人から何の文句も言われない男になるしかない。しっかりとして収入を得て、家事育児に協力的で、老人の両親を年に2回は高級温泉宿に2泊3日くらいで送り出してやる。それができれば今よりはウチの嫁姑戦争は弱まりそうな気がする。

本当に食わないものは?

ところで「犬も食わない」というタイトルの本書であるが、本当に犬も食わないのは夫婦ののろけ話であって、上沼夫妻は本書が壮大なのろけ話であることを分かってこのタイトルをつけているのだろう。いくつになってもしょうもないことで言い合えている羨ましい夫婦である。

 

(足立紳)

犬も食わない

著者:上沼恵美子、上沼真平
出版社:学研プラス
大阪を代表する芸能人・上沼恵美子さんと、旦那・上沼真平さんが、愚痴?ゲンカの絶えないプライベートを互い自ら大暴露!嫁姑問題・旅先での小競り合い、夫に殴られた最初で最後の事件から、夫の浮気疑惑まで、全34エピソードで構成。

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