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読書のきっかけ作りには図鑑や事典がオススメ

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僕が子どもの頃、家には本がたくさんあった。両親ともに中卒だったためか、長男の僕にはそれなりに勉強してほしかったのかもしれない。

初めての本として覚えているのが、「つるのおんがえし」だ。当時、よく本屋さんで売っていた絵本だと思う。ただし、あまり絵本を読んだ覚えがない。小学生の頃の部屋を思い返してみると、「世界の偉人シリーズ」が本棚に並んでいた。湯川秀樹、キュリー夫人、野口英世……。それらは何度も繰り返して読んだ記憶がある。

本棚に並んでいた「図鑑」シリーズ

もうひとつ、本棚に並んでいたのが図鑑シリーズだ。「宇宙の図鑑」「恐竜の図鑑」「植物の図鑑」「生物の図鑑」「魚の図鑑」……。黄色い表紙で、同色のハードケースに入っている。これは、今でも実家にある。

僕は、絵本はあまり読まなかったが、この図鑑たちはよく読んだ。今から40年くらい前の本なので、写真はあまり使われておらず、ほとんどイラストだった。それでも、毎日のように図鑑を眺めていた。

今となってはあまり記憶にないのだが、見たことのない生き物などが珍しかっただろう。ちなみに、当時強烈に印象に残っているのが「ナマケモノ」だ。見た目のインパクトと、「動かない」という特徴が、子どもながらにショックだったようだ。ちなみに、今でもナマケモノは大好きだ。そして、僕も若干ナマケモノになっている。

今の図鑑はというと……?

40年前の図鑑は、イラスト主体で、文章も割とそっけない感じ。読み込むというよりは、パラパラ眺めるといった感じのものだった。

では、現在の図鑑はどんなものだろう。『ビジュアル理科事典』(市村均・編著/学研プラス・刊)を手に取ってみた。厳密には図鑑とは違うのだが、まあ似たようなものだ(乱暴)。

対象年齢は、おそらく小学校高学年だろう。「生命」「地球」「物質」「エネルギー」という4項目で構成されている。

パラパラとめくってみると、写真のクオリティが高い。セミが孵化する瞬間、ワニが卵から誕生する瞬間、ライオンがシマウマに飛びかかる瞬間、ヘリコプターから見た虹の完全体(円形になっている)。僕が見ていた図鑑とは大違いだ。

中身

“ビジュアル”と銘打っているだけに、写真だけではなくイラストも豊富。カラフルで、ついつい見入ってしまう。

もちろん、詳細な解説が書いてあるので、それらをじっくり読めば知識が豊富になるだろう。

「本を眺める」という環境作りが重要

図鑑や事典というものは、小説など違い、じっくり読むものではない。気になる事柄を調べたり、たまたまめくったページに載っていた事柄に興味を持つためのものだと思っている。

だから、このような本が家に転がっていれば、子どもはなんとなく読むかもしれない。そして、なんとなく開いたページに載っていた写真やイラストに興味を持ち、そこから理科が好きになるかもしれない。

「本を読まなければいけない」という感覚は、逆に本を嫌いにしてしまう可能性がある。そうではなく、日常に本があり、気が向いたら手に取れる環境のほうがいいのではないだろうか。

そういった意味では、図鑑や事典というのは「本を眺める」というきっかけ作りには最適だ。

なんでもインターネットで調べれば答えがわかる時代。しかし、そこには「体験」が伴わない。ページをめくる、文字を指でなぞる、声に出して読む。

小さなお子さんがいるご家庭には、ぜひ図鑑や事典を。無理に読ませる必要はない。いつかきっと、ページをめくるときが来るはずだ。

(文:三浦一紀)

ビジュアル理科事典

著者:市村均
出版社:学研プラス
生物,宇宙,地球,化学,物理の全分野を網羅した,小学生から大人まで楽しめるビジュアルたっぷりの科学事典。小学の内容から最新科学まで見応えのあるダイナミックな写真やイラストでやさしく解説。ページをめくるたびに科学のホントのおもしろさに気づく!

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