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授かり婚の次は、いきなり婚

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もうかなり昔の話。通っていたジムで知りあった女性がいた。当時27歳だった彼女は結婚願望がとても強い人で、ジムも婚活の一環といった感覚で通っている気配がないでもなかった。彼女も筆者夫婦も毎日のように顔を合わせていたので、よく飲みに行ったり遊びに行ったりしていた。
知り合って少し経った頃。同じジムのメンバーで気になる人がいると言うので飲み会をセットし、その後ふたりだけで会う席まで整えた。そして彼女の方から告ったが、結局、付き合うことにはならなかった。「最後まで責任取れないから」と言われ、一気に引いたらしい。

浅く長いお付き合いは大歓迎です

彼女は「最後まで責任取れない」という言葉を「付き合うのはいいけど、結婚はできないと思う」というニュアンスで受け取った。一方彼は、告られた次の瞬間に結婚までのロードマップをささっと思い浮かべ、さまざまな要素を考え合わせて正直に答えたのだろう。 その場の空気に流されることなく、相手を変に立てることもなく、態度をあやふやにしないで、即座にはっきり否定。そのほうが親切だと思ったのかもしれない。
不思議なのは、状況から考えてかなり気まずくなったはずのこの二人が、その後もふつうの友達付き合いを続けていたことだ。
そして今。二人はそれぞれ独身で、当時のままの距離感で友達付き合いをしている。変わったのは、彼女の方が5歳年上と同い年の未婚女性2人とシェアハウスでの新生活に突入したこと、そして彼が自分のマンションを買ってひとり暮らしを始めたことだ。

〝非婚もの〟という新ジャンルのドラマ

『結婚できない男』(2006年・関西テレビ)や『おひとりさま』(2009・年TBS)そして『結婚しない』(2012年・フジテレビ)、今年に入ってからは『家族ノカタチ』(TBS)。今週の金曜日から始まるのは、『私結婚できないんじゃなくて、しないんです』(TBS)。
10年間の区切りでタイトルがこれだけ出てくるのだから、非婚をテーマにしたドラマは、恋愛という大きなくくりとは別立てで、〝刑事もの〟とか〝医療もの〟と並べるべきジャンルとして確立している感がある。そして、適齢期という言葉でカテゴライズされる男女の結婚に対する意識を多かれ少なかれ反映していることも間違いないだろう。

結婚意識に関するオフィシャルな調査

2014年、内閣府が20~39歳の既婚・未婚男女を対象に『結婚・家族形成に関する意識調査』という調査を行った。筆者が注目したのは、〝婚姻・出産等の状況〟という項目にコラム形式で記されている、若い世代で未婚・晩婚が増えている理由だ。
1位:独身の自由さや気楽さを失いたくないから 51.9%
2位:経済的に余裕がないから 47.4%
3位:結婚の必要性を感じていないから 41.9%
男性では「経済的に余裕がないから」の52.0%が最も多いのに対し、女性では「独身の自由さや気楽さを失いたくないから」の55.3%が1位となっており、男女間の意識の違いが見られる。こうした温度差をうっすら感じ取る程度の人も、ごく当たり前の事実として確信していた人もいるはずだ。

やっぱり恋人は欲しい

同じ調査で、未婚の男女に対する〝恋人が欲しいですか〟という設問があった。男女合わせた結果は「欲しい」が60.8%、「欲しくない」が37.6%だった。男女別の数字は、
男性=「欲しい」61.5% 「欲しくない」36.2%
女性=「欲しい」60.1% 「欲しくない」31.6%
となっている。
また、全体の68.1%が「いずれは結婚した方がいいと思う」と答えている。この調査から考える限りでは、やっぱり恋人も欲しいし、いずれは結婚したいと思っている人たちがマジョリティーなのだ。
非婚意識が強調される支持率の高いドラマと、ごく普通に暮らしている無数の男女のメンタリティとのギャップを埋めるものはあるのか。その部分を語って余りある一冊を見つけた。

結婚は、いきなりがいいのかも

『電撃結婚への道』(藤本チカコ・著/PHP研究所・刊)は〝ダメダメ人生〟を送ってきた女性による恋愛実践書であると共に、自己発見と再生のドキュメンタリーでもある。レデンプション(財産を取り戻す、約束を果たす、贖罪などの意味)という言葉も当たっていると思う。
不幸な恋愛を重ねる過程で絶望の深淵に追い込まれた末に見えた一筋の光。それは、結婚という大きなイベントを共に迎えたいと思える相手との電撃的な出会いだった。運命を受け容れ、あらがうことなく生きた人の記録が、力の抜けた感じの画調のマンガで綴られていく。
赤い糸めいたものは、本当にあるのかもしれない。そして〝偶然は必然〟という言い方は、表層的にスピリチュアリティを語るためではなく、ほとんどの人が思っているよりもはるかに真実に近いところを表現するためにあるのだ。

(文:宇佐和通)

電撃結婚への道

著者:藤本チカコ
出版社:PHP研究所
ダメダメ人生を一発逆転させた、電撃結婚とは?! 失恋、不倫、借金問題を乗り越えて、バツイチ男性と幸せな結婚を遂げたイラストレーターのドタバタ顛末コミック。なぜ不幸な道ばかりを選んでいたのか? それまでの自分を振り返って見えてきたものとは。課せられた運命をクリアして幸福を掴むきっかけとなったのは……ハスキー犬タイプの旦那様との出会いだった!

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