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ベジタリアンになれば、食費は減らせる。

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20年ほど前、2年間ほど、かなり厳格にベジタリアン生活をしていたことがある。玄米菜食生活を始めて一番驚いたのは、体重がどんどん減っていくこと。おなかいっぱい食べているのに、毎月1キロずつ面白いくらい規則的に体重が落ちていき、10キロ落ちて、これ以上は痩せすぎなのではと感じた時に、ぴたりと止まった(あくまで個人の経験です)。そして特筆すべきは、ゴミが減り、食費がひどく安くなったことである。

エコでオトクな野菜生活

ゴミがなぜ減ったかというと、卵も牛乳も肉も魚も使わなくなったので、パックやトレイのゴミが出なくなったためだ。キッチンでゴミとして出るのは野菜くずがほとんどという状態になり、とてもエコな暮らしとなったのは素晴らしかった。

それになにより節約になった。米と野菜と調味料に、豆腐や乾物や海藻や雑穀をその日の気分で足す。シンプルで体に優しい食事は、お財布にも優しかった。無農薬玄米という普段よりも倍くらい高いお米を使ってもなお、月の食費は2〜3割減った。肉や魚や卵や牛乳やチーズに今までかなりのお金をかけてきたのだということを思い知らされたのだ。

ミニマムな食生活

最近、ミニマニストという単語をよく見かける。必要最小限の持ち物しか持たない生き方をしている人のことを指す。彼らのキッチンはシンプルで、炊飯器や冷蔵庫すら持たない人もいるし、食事は簡素だ。『[異界見聞録1]なぜ「ベジタリアン?」世界史人の謎』(西田みどり・著/知玄舎・刊)を読むと、大量生産や大量消費をニガテとする彼らの考えかたと、ベジタリアンの考えかたは似ていることに気がつく。

たとえば肉を食べるためには、広い土地で家畜を飼育する手間やエサ代がかかる。しかし肉を食べなければ、その手間はなくなる。小さな畑で自分と家族が食べる分だけの野菜を育てれば生きていけるからだ。本には多くの菜食主義者が出てくるが、その何人もが肉食をすることによって多くの労力がかかることを指摘している。

食の断捨離

本の中にはガンジーやトルストイなど、菜食生活を実践した多くの人たちの生活ぶりが出てくるが、中でもアメリカの詩人・ソローの暮らしは、食材の断捨離をしているかのようで、とても興味深い。「単純にしたまえ、単純に。一日に三回のかわりに、必要ならば一度だけ食いたまえ。百皿の料理のかわりに、五皿にしたまえ。ほかのこともこれに比例して少なくしたまえ。」という言葉が出てくるが、これは、ミニマリストの考えにも通じるものなのではないだろうか。

ソローの素晴らしい言葉は、他にもいくつも載っていた。
「私はあまりはたらかないから、たくさん食わずにすみ、食費はごくわずかで足りる」
「そういうものの代のために激しくはたらかなければならず、激しくはたらいてしまうと、からだの消耗をおぎなうためにまたたくさん食わねばならないことになる。つまりは同じことだ-いや、かえって損だ。なぜなら始終不満足だし、おまけに命をすり減らすから」
肉を再び食べるようになってから10キロ戻ってしまった私には、耳の痛い言葉ばかりだ。

玄米と塩のみ

人は、玄米と海塩と水さえあれば、アミノ酸やミネラルなども含めた必要栄養素が足りるという。実際にこれのみで何年も生活していた人もいるという。もしこの説が本当であるのならば、究極に食材を減らしたいのなら、これもひとつの方法かもしれない。ご飯を炊き、それに塩をかけさえすればいいのだから、毎日の調理時間をなくすことができるから時間やお金の節約にもなるだろう。でも。好きなものを好きなように食べるという飽食の悦びを知ってしまっている私には、そこまでの究極食生活を始める勇気はない。

もし菜食生活を検討しているのなら、安易に白米に生野菜のみで生活をするのは心配だ。例えばマクロビオティックでは穀物(玄米や全粒粉)6割・野菜4割などと大体の理想配分が決まっているし、野菜も葉ものより根菜が多めという印象があるので、そうしたルールにも目を通してみるといいだろう。私も、これ以上太りたくないので、まずは週に2日くらいはベジタリアンに戻ってみようかなと考えている。

(文・内藤みか)

[異界見聞録1]なぜ「ベジタリアン?」世界史人の謎

著者:西田みどり
出版社:知玄舎
世界に大きな影響を及ぼした歴史上の偉人は、どんなものを食べていたのか? その食事内容を調査研究したレアな労作。菜食を実行している人たちのなかには偉大な仕事を成した人が多く、多分に精神的傾向を持つ。マイケル・ジャクソン、ジョン・レノンもベジタリアンだった。ピタゴラス、プラトン、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ヘシオドス、シェイクスピア、ニュートン、ダーウィン、ヴォルテール、ミルトン、ルソー。さらにソロー、エマーソン、オルコット、ブラバツキー夫人、アニー・ペザント、バーナード・ショー、ベンジャミン・フランクリン、トマス・モア、ガンジー、トルストイ、クリシュナムルティなどについて、菜食に焦点を当て、その真相を解明。意外にも菜食者であったヒトラーの食事メニュー、さらに魔界の入り口に入りかけていたヒトラーを正そうと説得した覚者(偉大なる聖者)がいたという知られざる事実も明らかに。その覚者とは何者か? 「食」のテーマで精神世界、神智学にまで迫ったユニークで奥が深い一冊。

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