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タイへの留学者が急増している理由

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私の息子は今まで多くの人に留学を薦められてきた。ほとんどがアメリカで最先端の数学やプログラミングを学んでくるといい、というものだった。しかし私の息子は数学しかできない。今度『数学しかできない息子が早慶国立大学に合格した話』という本が出るくらい英語がニガテなので、今日まで外国に行ったことはない。しかし調べてみるとアメリカの大学に留学するとなると学費生活費合わせて大抵年間300万円以上もかかるらしい。留学ってなんてお金がかかるんだろうと怖じ気づいていたが、最近タイの留学が安くて人気なのだという。料金はアメリカの3分の1程度で済むのだそうだ。

海外で専門的に学ぶということ

昔は留学といえば、語学の習得のみが目的であることが多かった。少なくとも昭和生まれの私の周りで留学を選んだ友達は、英語がうまくなることのみを目的としていて、何を学ぶかというとそれは現地のネイティブな英語そのものであり、何を学ぶかということについては特に何も言っていなかった。しかし、最近は専門的なことを学ぶ人が増えた気がする。たとえばイギリスに行ったとしたら、アロマテラピーやガーデニングや占星術のような、その国ならではの技術や知識を専門的に学んできた、という人がいる。

そういえば、先日、面白い留学案内を目にした。日本のカジノディーラーになるための専門学校が、フィリピンでの英語短期留学もセットにしたカリキュラムを作ったのだ。カジノディーラーのを資格を得て、しかも英語も覚えれば、日本だけでなく、世界中のカジノで働けるかもしれない。なんだか夢があって素敵な話だなと思った。アメリカにもこの資格を得られる学校があるけれど2年で数百万円もかかるらしい。しかし日本のスクールで学んだ跡、フィリピンでビジネスマナーなどを英語で学ぶという方法で学習すれば、費用は1年で学費の約100万円+現地での生活費程度で済む。今後日本にカジノが解禁されたらニーズも増えるだろうし、興味深い試みだと思う。

アジア留学は安い!

物価が安いこともあり、アジアへの留学が、最近人気だ。『価値ある大学2016年版 就職力ランキング』(日経HR編集部・著/日経HR・刊)によると、人気留学先ランキングのベスト10のうち、アジアは4カ国。2009年のデータと比べても、韓国(6位→4位)、中国(4位→6位)、タイ(10位→7位)、台湾(11位→9位)と勢いがある。その後もインドネシア(12位)、マレーシア(13位)、ベトナム(14位)、フィリピン(15位)、シンガポール(17位)とアジア各国が続いている(独立行政法人日本学生支援機構調べ)。中でもタイへの留学者がこんなに多いことは、知られていないのではないだろうか。

タイの大学には、どんな魅力があるのだろうか。本によると、すべての授業を英語で行うプログラムが、344もの学部であるという。つまり授業の言語は、英語圏留学と変わらないのだ。さらに街に出ればタイ語が溢れていて、タイ語も学ぶことができるため、トリリンガルになれる可能性もある。そして物価が安い。学費が年間20万円からの大学もあるし、食事も1食150円ほどである。首都圏の私立大に通う学生が親から受けている仕送りの平均額は8万6700円(東京私大教連調べ・2016年)だそうだから、もしかするとタイに留学したほうが安く済むのかもしれない。

大卒以外の資格も

今後、日本企業はアジア各国に事業拡大していく可能性は高い。英語もタイ語も習得している学生を採用したがる企業は少なくないはずだ。さらにタイには、古式マッサージやリフレクソロジーやアロマテラピーなどの資格を格安で得られる学校もある。ダブルスクールとしてそちらも取得したら、留学するメリットはかなりありそうだ。でもうちの息子は「日本が好きだ」と家でゴロゴロしている。今のところは留学する気はいまのところなさそうだ。どんどん海外に出て、世界を相手に活動しようとしている同い年の学生さんたちがいるのは頼もしくもあり、息子がちょっぴり情けなくもあるこのごろである。

(文・内藤みか)

価値ある大学2016年版 就職力ランキング

著者:日経HR編集部
出版社:日経HR
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