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渋谷の“ギャル”や“チーマー”はどこに消えたのか?

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先日、20代前半の後輩と渋谷で話をしたことがあった。私とは10歳ほどの年齢差なのだが、あまりのジェネレーションギャップに驚いた。彼は渋谷によく通っているのだが、ギャルの「ヤマンバ」「ガングロ」を知らないのだ。「チーマー」も知らなかったのだ。

時代の流れは早すぎる

私が小~中学生のころは、朝の情報番組「ズームイン!朝」やお昼のワイドショーで、個性的なファッションのギャルがインタビューされる映像がよく映し出されていた。「進め!電波少年」というテレビ番組の企画で、タレントの松村邦弘が渋谷のチーマーを更正させようという企画があった。それほどメジャーな存在であったというのに、時代の流れは早いものである。

彼はおそらく、「チョベリバ!」という言葉も知らないだろう。あ、そのくらいならなんとなく推察できるか。「チョベリベリ~」というフレーズがSMAPの歌にあるからだ。SMAPがいなかったら死語になっていたかもしれない。SMAPの偉大さを痛感した。

姿を消した渋谷のギャル

ちょうど私が子どものころが、ギャルの文化が盛り上がっていた絶頂期だったといえる。まさにアゲアゲだったのだ。私は東北の田舎の出身なのだが、初めて旅行で訪れた東京では、リアルなギャルの姿を見て驚いたものだ。「超GALS!寿蘭」のような、ギャルが主人公のアニメもあった。かつて、若者文化を席巻した彼女たちはいったい、どこに消えてしまったのだろう。

現在、私は仕事で渋谷にしょっちゅう行くが、センター街を歩いていてもかつてのような強烈なインパクトを放つファッションは見受けられない。コンビニでたむろしている若者の姿はなく、渋谷の街もゴミが少なく、10数年前と比べたら驚くほどきれいになっている。

戦後に生まれた若者の集団の数々

族の系譜学_ユース・サブカルチャーズの戦後史』(難波功士・著/青弓社・刊)を読むと、戦後、こういった個性的なファッションを身にまとう若者の集団が続々と誕生していることがわかる。

石原慎太郎の小説「太陽の季節」に影響された太陽族にはじまり、みゆき族、暴走族、アンノン族、クリスタル族、オタク、コギャル… その世代を過ごしていなければ、知らない言葉ばかりだ。

ゆるいつながりが大切

ところが、最近はそんな状況に変化が起きている。個性的なファッションを楽しむ人は現在もいるが、●●族と呼ばれるほど、大集団で行われる例が少なくなったのだ。ハロウィンで仮装やコスプレを楽しむ人たちは増えたが、あくまでもその日だけの文化だ。SNSでの繋がりやオフ会は盛んだが、現代の若者は濃密ではなく、ゆる~いつながりを志向しつつあるように思う。

現代の若者は上下関係を好まなくなったと言われる。本著でも紹介されている暴走族が激減したのも、厳格な上下関係に縛られたくない若者が多くなったためという。ギャルやチーマーが姿を消したのも、群れることを好まない若者が増えたためなのかもしれない。

(文:元城健)

族の系譜学_ユース・サブカルチャーズの戦後史

著者:難波功士
出版社:青弓社
太陽族からみゆき族、暴走族、アンノン族、クリスタル族などの「族」の系譜をたどり、オタク、渋谷系、コギャル、裏原系へという「族から系への転換」を見定めて、若者文化の変容を照らし出す戦後史。

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