ハウツーが満載のコラム
文字サイズを変更する

正しい雑誌の楽しみ方

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

最近、雑誌を買いましたか? 買ったという人、その雑誌をどうして選びましたか?

毎月愛読しているから? 興味がある企画があったから? 好きなタレントやモデルが出ているから? ジャケ買いならぬ表紙買い? 最近では、付録が欲しかったから、という人もいるだろう。ここ数年、雑誌の付録は、すでに付録の粋を超えている。

理由は何であれ、縁あってあなたの手元に渡った雑誌。さて、どこから読む?

前から? 後ろから? 真ん中から?

あるサイトの調査結果によると、「雑誌を読む時、どこから読み始める?」という質問に対して、「順番に1ページ目から」が75%、「面白そうなページを探してから」が20%、「後ろのページから」という人も5%いた(マイナビニュースより)。好きな雑誌なら、最初から順番にページをめくっていくだろうし、もともと読みたい企画があるときは、そのページを探してまず読むのが妥当だろう。

さて、ここで注目したいのが「後ろのページから」と答えた人だ。雑誌の後ろのページって何がある? 次号予告? でも、新しい号を買ってすぐに、中身を読まず次号予告をチェックする人は稀だろう。出版業界の人や雑誌マニアの人は、出版社の連絡先や発行人、編集長などスタッフの名前が載っている「奥付」をチェックするかもしれない。後ろの方のページに連載コラムが載っていることが多いので、そのコラムを楽しみにしているという人もいるようだ。

けれど、私自身がおすすめする雑誌の楽しみ方。それは、多くの場合後ろのページに載っている「編集後記」を読み込むということだ。

雑誌の性格が顕著にあらわれる「編集後記」

編集後記とは、雑誌や書籍などで編集者が記すあとがきのようなもので、実はこれ、なかなか面白い。どんな雑誌か知りたければ、編集後記を読むといい。雑誌の特色を最もあらわしているページ、といっても過言ではないだろう。基本的には、その雑誌を作ったスタッフのひとりごとのような内容が多いのだが、毎号読んでいると、各スタッフの性格や日常がだんだんとわかってきて、編集スタッフ自身のファンになることも。

また、撮影に関するエピソードが載っていたり、モデルの意外な一面や撮影裏話などが書かれていることも少なくない。アイドル誌を購入した場合は、この編集後記こそ、一番の楽しみだったりする。普段はなかなか垣間見ることができない好きなアイドルの素の部分を発見できる貴重なページなのだ。
ダイエット誌であれば、スタッフたちが最近試したダイエット法が書かれていて参考になるし、ファッション誌の場合は、編集者が注目する旬のコーディネートや小物などを知ることができる。「p52の◯◯企画、実はこの撮影の日は雪が降って……」なんて撮影エピソードが書かれていると、その撮影風景を想像し、一度読んだページでも二度三度楽しめる。

世界一くだらない編集後記

さて、そんな編集後記が、なんと一冊の本になったという。その雑誌は、『GetNavi(ゲットナビ)』。家電やデジタル製品を中心に、最新のモノ情報を発信している雑誌だ。ケータイを機種変したいときや、欲しい家電があるときは特に参考になる記事が多い。この『GetNavi』の統括編集長である松井謙介氏の編集後記「物欲一本締め!」をまとめたのが、『物欲一本締め! GetNavi統括編集長松井謙介の世界一くだらない編集後記』(学研プラス・刊)である。

「その号に掲載された商品の中から、松井統括編集長的に物欲がわいた商品について書く」というのが当初のコンセプトだったのだが、途中からこう方向転換したらしい。「世界一くだらない編集後記を書きたい」と……。確かに、すべての号において、最終的にはおすすめの商品のオチで終わっているが、割りと強引な展開で商品紹介にもっていったり、無理があることも少なくない。だって、この本の紹介文が「その実態は、義母の放屁が止まらなくなった話や嫁さんがチ〇コ丸出しの痴漢に遭遇した話など、カオスすぎる文章集だ。」なのだから!

松井氏いわく、「物欲だとか、編集後記だとか、ゲットナビだとか、すべてのフィルターを忘れ去って、世にもくだらない短文集として読んでいただきたい。それがこの編集後記集の正しい取り扱い方です。(まえがきより)」とのこと。この編集後記集、ならぬ短文集、かなり面白い。個人的には、メーカーとの打ち合わせの場でお茶を吐き出した話や、お子さんとのほっこり話が気に入っている。思わず声に出して笑ってしまったエピソードもあって、隣で遊んでいた息子から冷ややかな視線を浴びてしまったが。

 編集後記を堪能しよう

ちなみに、松井氏には前職でお世話になっていて、もちろんご本人にもお目にかかったことがあるが、見た目はシュッとした男前、メガネ男子である。いうなれば、サブカルバンドでベースを弾いていそうなイメージ(注:完全なるイメージです。確かご本人はバンドをやっていて、ボーカルだったはず……)。レゴの才能もずば抜けている。そんな松井氏の日常を覗くことができるのが、この『物欲一本締め!』である。間違っても、タイトルに騙されてはいけない。もしも、この編集後記を読んで、おすすめされている商品を買ったという人がいたら、GetNavi編集部に連絡したほうがいい。松井氏から御礼の一筆が届くかも。

編集者の人となりや雑誌のカラーがわかる編集後記。今まで読み飛ばしていた人がいたら、ぜひ今後は雑誌の編集後記に注目してほしい。きっと、さらに雑誌を楽しめて、もっとその雑誌が好きになること間違いなしである。

【関連URL】
「雑誌を読むとき、どこから読み始める?」(http://news.mynavi.jp/news/2015/10/20/779/)

(文・水谷 花楓)

物欲一本締め! GetNavi統括編集長松井謙介の世界一くだらない編集後記

著者:松井謙介
出版社:学研プラス
アイテム情報誌「ゲットナビ」の統括編集長・松井謙介の編集後記をまとめたもの。脱力系コラムとともに最近のトレンドも学べる一冊。その実態は、義母の放屁が止まらなくなった話や嫁さんがチ〇コ丸出しの痴漢に遭遇した話など、カオスすぎる文章集だ。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事