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ゾンビにも効く! 家庭用漂白剤はサバイバルの必需品

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おい、ノストラダムスのおっさん!
人類は滅びてないぞ!
予言はどうなってるんだ!
カネ返せ!
最高裁判所に訴えてやろうか!

子どものころ、人類滅亡を怖がりながらも一大イベントとして楽しみにしていた。結局、隕石や小惑星は接近すれども衝突せず。核戦争はいつまでたっても勃発しない。殺人ウィルスもいまいち蔓延しない。どーすればわたしたちは滅亡エレクトリカルパレードを体験することができるのか。

エンターテインメント的な観点からすると「ゾンビ化」がド派手で楽しい……と思ったけれど、やっぱりゾンビになるのはイヤだ。拙者、自分ひとりだけ生き残りたいでござる!

災厄にそなえて「家庭用漂白剤」を常備しよう

仮に、原因不明のゾンビ化現象が地球全土に広がったとする。世界が「大破局」をむかえたのだ。当然、公務員もゾンビ化する。あらゆる公共インフラが機能不全におちいるに違いない。

生き残るために、まずは飲み水を確保したい。もしも水道が使えなければ、溜めた雨水や、なるべく清潔そうにみえる河川や湖の水を飲むしかない。ただし、工場排水や有毒鉱山の下流には気をつけたほうがいい。

濁水のなかに混じっている不純物をとりのぞく必要がある。木炭と砂利があればペットボトルやドラム缶で「ろ過装置」を作れる。木炭はその名のとおり、伝統的な方法によって炭焼きすれば自作できる。大がかりな設備は必要ない。

ろ過したあとの水は、いちど沸騰させたほうがいい。冷ましてから「家庭用漂白剤」を数滴ほど加えれば、おおむね清潔な飲料水になる。市販されている家庭用漂白剤のうち、主成分に「次亜塩素酸ナトリウム」と「水酸化ナトリウム」が含まれているものを目安にして使う。ただし、香料や抗真菌成分のあるものは避けてほしい。育児中の家庭ならば、哺乳びん消毒用の商品が安全でおすすめだ。

ちなみに、家庭用漂白剤に含まれる「水酸化ナトリウム」はタンパク質を溶かす性質がある。ゾンビに浴びせれば撃退できるはずだ。

主要穀物でいちばん消費期限が長いのは?

発電所は緊急停止している可能性が高い。家庭の冷蔵庫にある食料が尽きるのは時間の問題だ。

全国のコンビニやスーパーマーケットなどには、常温でも長期間腐らない缶詰や乾麺やレトルト食品がそろっている。味噌や醤油、各種スパイスや粉ミルクもある。

食用油は腐ってしまう。たとえ未開封でも酸化するからだ。最近のマヨネーズは、企業努力により「未開封で1年」の賞味期限を保証しているが、そのあとは自己責任ということになる。

この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた』(ルイス・ダートネル・著/河出書房新社・刊)によれば、主食である小麦や米などの穀類は、保存の仕方によって消費期限が大きく異なるようだ。

玄米のままうまく保存すれば5年から10年はおいしく食べられる。トウモロコシも加工しない全粒の状態であれば10年保つ。全粒小麦は、未製粉ならば数十年も品質を保つことができるそうだ。

抗生物質は意外なところで入手可能

日本には、5万軒以上の調剤薬局がある。全国のコンビニ店舗数よりも多い。大破局後には真っ先に向かって、必要になりそうなものを確保したほうが良い。医薬品は、他の生存者たちと物々交換するときにも有利だ。

頭痛や腹痛、風邪であればガマンすれば乗りきれる。怖いのは、抗生物質が必要になった場合だ。わたしの場合、心労が重なると「口唇疱疹」や「扁桃炎」を発症するので、いざという時に抗生物質が手に入らないと困る。

穴場がある。観賞魚(熱帯魚)店だ。特例医薬品扱いで、抗生物質が含まれている商品を販売しているからだ。一部の薬品は、成分が人間用と同じだという。(※人体にとって危険な添加物が含まれている観賞魚用の医薬品も存在します)

医薬品のパッケージには「消費期限」が印刷されているが、かならずしも「成分の有効期限」であるとは限らない。

アメリカの国防総省は、印字された使用期限を超えそうな一〇億ドル分の薬品をかかえており、その在庫を二、三年おきに交換しなければならなくなることに気づいた。

同省は、食品医薬品局(FDA)による研究班に、一〇〇種類以上の薬を試し、それぞれどのくらい効力が残っているかを調べてもらった。

(『この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた』から引用)

調査の結果、抗生物質は10年経過、抗ウィルス剤は25年経過、ぜんそく薬は30年経過、使用期限を過ぎていても「有効」だったという。(※通常は医師や薬剤師の指示に従うべきです)

大破局後に石けんを手作りするには

水を消毒するための家庭用漂白剤も、貯蔵した穀類も、医薬品も、いつかは尽きてしまう。できれば、自作できるようになっておいたほうが良い。

『この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた』には、大破局後に「市販の既製品」が入手できなくなったあと、一から自作するための原理と方法が紹介されている。

たとえば、貝殻や石灰岩を粉末にした「石灰(炭酸カルシウム)」は万能物質だ。アルカリ性である石灰それ自体は、酸性農地の土壌改良材として使える。アルカリの語源は、アラビア語で「灰」を意味する「アル・カリー」に由来する。

石灰を高温で熱すれば「生石灰(酸化カルシウム)」になる。セメント工業、石油化学工業、製紙工業などに欠かせない。乾燥剤としても利用されている。

生石灰に水を加えると、激しい反応を起こしたあと「消石灰(水酸化カルシウム)」になる。消石灰と炭酸ナトリウム(これは石灰から作れる)を混ぜれば、苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)になる。苛性ソーダは、廃油と混ぜて「石けん」を作るときに欠かせないものだ。

石灰があれば石けんが作れる。たとえゾンビ世界になったとしても、石灰の活用方法を知っていれば、ひとまず清潔で健康な生活ができるというわけだ。覚えておいて損はない。

(文:忌川タツヤ)

この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた

著者:ルイス・ダートネル、東郷えりか
出版社:河出書房新社
文明が滅びたあと、どう生き残るのか?穀物の栽培や鉄の精錬、医薬品の作り方など、文明再建の方法から、身の回りのさまざまな科学技術について知り、「科学とは何か?」を考える!

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