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日本三大奇書その2『黒死館殺人事件』はマンガで読んでもやっぱり奇書だった

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以前、こちらの記事(『日本探偵小説三大奇書のひとつ『ドグラ・マグラ』をマンガで読む』http://fum2.jp/5689/)で日本三大奇書である『ドグラ・マグラ』(夢野久作・著)を取り上げた。『ドグラ・マグラ』は、小説を一度読んでいたこともあり、マンガだと理解しやすかった。やはり、マンガで読むというのはいろいろ敷居が下がっていいものだ。

そんなことを考えているとき、日本最大奇書のもう1タイトルである『黒死館殺人事件』(小栗虫太郎・著)もマンガで刊行されていることに気が付いた。一度小説を読もうとして挫折した身としては、今一度チャレンジするしかない! マンガならわかりやすいはずだ! そう思い、『黒死館殺人事件 ─まんがで読破─』(小栗虫太郎、バラエティ・アートワークス・著/イースト・プレス・刊)を読んでみた。

『黒死館殺人事件』のあらすじを

え〜、まずはこの『黒死館殺人事件』のあらすじをご紹介したい。そう思ったのだが、登場人物が多い。人間関係が複雑。出てくる単語が難解。そして、次々と死んでいく人たち……。

これを小説で読んでいたとき、誰が誰なのかまったくわからなくなり、ただ文字を目で追っていくだけの状態になってしまったので、読むのをやめたという経緯があった。マンガなら少しはわかりやすいはずだ。その細い希望の光に導かれるように本書を読み始めたのだが、読みやすくはなっているものの、やっぱりまったく内容が頭に入ってこない。

ざっくりと話すと、黒死館という広大な屋敷内で起こる連続殺人。それを探偵と刑事が解明していくというもの。音楽、呪術、宗教、物理、医学、薬学、心理学、暗号学など、さまざまな分野の知識や言葉が飛び交い、話の本筋が見えなくなっていくのが特徴と言えるだろう。

おもしろいかつまらないかなら「おもしろい」かも

ただ、マンガを読んでみて思ったのが、「わからないけれどおもしろい」ということ。次々と起こる殺人。そして主人公である探偵、法水麟太郎(のりみずりんたろう)の膨大な知識による推理(半分くらい内容がわからないのだが)。これが主軸であることは間違いない。

探偵小説、推理小説という分類の作品ではあるが、もはや読者が犯人当てをするというレベルではない。その世界観や登場人物の個性を楽しむという感じで読めばいいのではないだろうか。

「考えるな、感じろ」である。

あと1作品で三大奇書コンプリート

マンガとはいえ、日本三大奇書の『ドグラ・マグラ』『黒死館殺人事件』を読破した。あとは、『虚無への供物』(中井英夫・著)のみ。これはまだマンガ化されていないようなので、小説を当たらなければならないだろう。

可能であれば、今年中には読んでおきたい。その間に、マンガ化されればいいなぁ……。

(文:三浦一紀)

黒死館殺人事件 ─まんがで読破─

著者:小栗虫太郎/バラエティ・アートワークス
出版社:イースト・プレス
館に秘められた謎と怨念!プロヴァンヌの城壁を模した降矢木家の館「黒死館」。この館に住まう人たちを陰険朦朧たる怪事件が次々と襲う。刑事弁護士である法水麟太郎は、神秘思想・占星術・心理学・暗号学など多岐にわたる西洋知識を駆使し黒死館の謎にせまる。日本三大奇書のひとつに数えられ、「アンチミステリー」といわれる小栗虫太郎の代表作を漫画化!

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