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はしご酒を楽しむ4つの極意

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ラズウェル細木といえば『酒のほそ道』でおなじみのグルメ漫画家だ。ゆる~い絵柄だが、あなどるなかれ。いつのまにか「第16回手塚治虫文化賞短編賞」を受賞していた。読み捨てのマンガではないことが認められたわけだ。

はしご酒の極意

ラズウェル先生は博識であり、よだれを垂らしながらマンガ読んでいるうちに雑学に詳しくなるというオマケがついてくる。

「江戸のおいしい食文化がわかる」マンガを紹介します(http://fum2.jp/5114/)

上記コラムで紹介したマンガを読んで感銘を受けてからというもの、わたしはラズウェル本を居ずまいをただして読むようになった。『突撃!はしご呑み(1)』(ラズウェル細木・著/実業之日本社・刊)では「はしご酒の4原則」を挙げている。

(1)長居をしない
(2)一軒ごとに酒の種類を変える
(3)その店の看板メニューをたのむ
(4)歩行圏内で終始する

(『突撃!はしご呑み(1)』から引用)

簡潔であり、理にかなっており、大いに共感できる。

長居をしない

「はしご呑み」とは、繁華街をレジャーランドに見立て、いくつもの飲食店や居酒屋をアトラクションのごとく渡り歩いて楽しむことをいう。ジェットコースターに2時間乗り続けても楽しくないように、いろんな味や雰囲気を楽しみたいならば長居は禁物だ。

『突撃!はしご呑み(1)』では、新橋の立ち呑み店をはしごしているほか、東京都北区赤羽のホルモン激戦区ではマッコリ片手にホルモン焼き肉からモツ鍋までフルコースを満喫している。コプチャンにアブシンにシロコロなどのホルモン尽くしの合間にラズウェル先生が語っている雑学も勉強になった。

グルメ漫画を描いているだけあって毎日うまいものを食べているが、毎週の火曜を「絶食日」にするのがラズウェル先生の流儀だという。休肝日もかねているのだろう。

一軒ごとに酒の種類を変える

ホルモン屋では、マッコリを飲んでいた。ラズウェル先生が韓国に言ったときに教えてもらったという「マッコリのサイダー割り」や、マンガ『じゃりん子チエ』でチエのお父さんが飲んでいる「マッコリのビール割り」など、のんべえたちの創意工夫にはおそれいる。

ほかにも、黒瀬(焼き芋焼酎)、白ホッピー、意外に飲めるところが少ないサッポロラガービール、ベトナム料理店では333ビールとルモアイ(米焼酎)、タイ料理店ではシンハービールとメコンウィスキーなどをラズウェル先生のうんちくと共に。あーっ、いますぐ飲みに行きたい!

その店の看板メニューをたのむ

外食でありがちなのは、メニュー表に載っているものすべてが「おいしい」とは限らないことだ。

ラーメン屋の餃子、うどん屋の丼物、居酒屋の揚げ物。いままで何度もハズレを引いてきた。味に自信がないのなら載せなければいいのに、やたらと種類を充実させることが顧客満足であると勘違いしている飲食店は少なくない。

せっかくの食事でガッカリしたくなければ、おとなしく看板メニューを注文すべきであり、はしご呑みにおいても通用する鉄則だ。事前情報がなければ、店の人に「オススメは何?」とアドバイスを求めるのが手っ取り早い。その問いかけに不機嫌になったり言葉を濁すようなら、すぐに席を立って店を変えたほうがいいかもしれない。

歩行圏内で終始する

『突撃!はしご呑み(1)』では、新橋・赤羽・築地・銀座・恵比寿など、おもに東京都内の繁華街を飲み歩いている。関東圏にお住まいの読者にとっては有用なガイドブックになるはずだ。山の手線があって繁華街が多いので、東京は「はしご呑み」がしやすくてうらやましい。

ラズウェル先生にぬかりはない。わたしのような地方在住の読者のためには、自宅でも満喫できる「お取り寄せ飲み」を扱っている。

収録作「東北おつまみ」では、福島県と宮城県の「かわきもの」や「海鮮珍味」を肴にした「はしご呑み」を読むことができる。ほやの燻製、むしほや、莫久来(ホヤの塩辛)の存在を知ったので、さっそくお取り寄せしたくてウズウズしている。

(文:忌川タツヤ)

突撃!はしご呑み(1)

著者:ラズウェル細木
出版社:実業之日本社
酒の達人・ラズウェル細木の新たな挑戦! 立ち飲み、ホルモン、築地の食堂、おでんなどを一度に三軒はしごして、つまみや酒に関して深?く考察する! ハードでディープな取材を通じて、酒と肴にとことん向き合ってみた突撃ルポ&コミック!!

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