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求人広告の「誰にでも簡単にできる仕事」には注意!

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なるべく簡単な作業でお金がほしい。そんな求職者の心理を見透かしているのか、求人広告には「軽作業」というキャッチコピーが目立つ。その中のひとつが「倉庫内仕分け作業」であり、近ごろは「ピッキング作業」と表記されていることが多い。「誰にでも簡単にできる仕事」だという。本当なのだろうか?

軽作業アルバイトの実態

よくあるのは、運送会社が運営している配送センターの建物内にてディスカウントストアやドラッグストア向けの商品を仕分けする仕事だ。店舗からの発注書にしたがって倉庫内の在庫商品から「ピックアップ」して箱に詰めるのでピッキングという。

食品や雑貨を右から左へ移動させるだけであるから、たしかに「軽作業」だ。しかし、ひとつひとつの動作は簡単だが、息もつかせずに何時間も続けるのだから、これがけっこう大変なのだ。

あやしい求人広告、応募したらこうなった。』(多田文明・著/イースト・プレス・刊)では、軽作業アルバイトに応募して、倉庫内での荷物仕分けだと思って行ったら、いきなり冷蔵室で働くことになった事例が紹介されている。軽作業アルバイトによくあるパターンだ。

ほかにも「作業に必要なヘルメットや安全靴を買わされる(給料から天引きされる)」という話も「軽作業バイトあるある」だ。理不尽に思うかもしれないが、軽作業の現場といえども、大量の荷物を積載したフォークリフトが走っていたりするので危険と隣り合わせなのだ。実際のところは気軽にできる仕事ではない。

警備員アルバイトの実態

軽作業アルバイトが性に合わなければ、常に人手不足といわれている警備員アルバイトに応募するという選択肢がある。警備の仕事ならば、ピッキング作業のように息もつかせず働かされることはない。

人手不足な業界なので、応募すれば採用してもらえる可能性は高い。過去5年間に禁固刑などの犯罪歴がなく、それなりに健康体であれば、年齢制限はあってないようなものだ。

ただし、採用されてすぐに働けるわけではない。警備業法に定められた「法定研修」を受講する必要があるからだ。(目安は30時間。3~5日間でおこなう)

法定研修のあいだも時給が発生する。ただし『あやしい求人広告、応募したらこうなった。』の著者が応募した警備会社では「受け取るためには30日間の勤務実績が必要」という規則があったので、2ヶ月先の給料までは受け取れず、もどかしい思いをしている。

採用されやすい代わりに、警備員は「自費負担」が多いアルバイトだ。交通費は支給されないことが多く、貸与される制服の補償金には1~2万円を課される。雨天対策の長靴やレインコートなども自腹で購入させられる。

もっとくわしく知りたい人には、当コラムのバックナンバーをオススメする。警備業界を取材したノンフィクション小説を紹介している。

■できる! 40代からはじめる警備員アルバイト生活(http://fum2.jp/819/)

コンビニ弁当製造アルバイトの実態

本書『あやしい求人広告、応募したらこうなった。』では紹介されていないが、食品製造業も求人広告でよく見かける。特に大手コンビニチェーンの弁当工場は、いつもアルバイト人員を募集している。

わたしは経験者であり、いまでも登録している派遣会社からお呼びが掛かれば、週末の1~2日だけ働きに行くことがある。実際のところ、コンビニ弁当工場の現場では人手が足りていない。

工場内で働いている顔ぶれを見れば一目瞭然なのだが、それなりに健康体であれば年齢はまったく問題とされない。わたしがよく配属される部署では男女ともに60代の同僚が珍しくないからだ。「見よう見まね」でこなせる単純作業なので、日本語を理解できなくても働けるため「国籍」も多種多様だ。

ちなみに、わたしが配属されているのは、業界上位のコンビニチェーン関連会社が運営している弁当工場だ。高温の蒸気がたちこめるなかでの作業は息苦しいときもあるけれど、未経験者が大げさに想像するような「過酷」な職場ではない。ノロウィルス対策のため、嘔吐や下痢をともなう体調不良のなか無理に働かされることはないし、熱中症を防ぐためにスポーツドリンクを常備するという配慮もされている職場だ。

コンビニ店舗のほうでは人件費を抑えるために現場で働くオーナー夫妻や雇われ店長の過重労働が社会問題になっているが、おなじコンビニであっても、工場のほうが「労働法規や精神衛生に気を配っている」という印象を受けた。(あくまでも主観的意見です)

わたしはコンビニ「店舗」で働いた経験もあるが、おなじコンビニ関連業務であっても「工場」のほうが働きやすいと感じた。もしも、軽作業や警備員として働いてみたものの「肌に合わなかった」ならば、試しにコンビニ弁当工場で働いてみてはいかがだろうか。

(文:忌川タツヤ)

あやしい求人広告、応募したらこうなった。

著者:多田文明
出版社:イースト・プレス
テレビ・ラジオで話題のキャッチセールス評論家が、今度は「おいしい仕事」の罠、あえてハマってみました! 軽作業、警備員、清掃員、行政書士補助作業、チラシ配り、着ぐるみバイト、芸能オーディション、コールセンター…その「ビジネスのカラクリ」を完全解明!

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