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オタクがモテない時代は終わった!

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オタクのイメージがかわりつつある。そう感じたのは、芸能人やアイドルで、オタクをカミングアウトする人が増えているためだ。たとえば元SKE48の松井玲奈は、鉄道オタクとして有名だ。鉄道好きなアイドルとしてテレビ番組にも多数出演しているし、JTB時刻表の表紙を飾ったこともある。

オタクがリア充化している?

ほんの10年ほど前まで、オタクといえばモテナイ、ダサイ、キタナイ、クライといったネガティブなイメージを持たれることが多かった。普段は静かで陰気なのに、趣味の話になるとマシンガンのように話しはじめ、しかも理屈っぽい、だから付き合いにくい……

しかし、そんなオタクのイメージは過去のものになっているようだ。『新・オタク経済 3兆円市場の地殻大変動』(原田曜平・著/朝日新聞出版・刊)を読んでみると、そのことがよくわかる。著者によれば、現代のオタクを理解するためのキーワードは、ライト化リア充化だという。

2005年、秋葉原の風景が一変した

オタクの聖地と言えば今も昔も秋葉原だ。90年代はパソコンオタクの街、そして2000年に入るとアニメオタクの……といったふうに変遷してきたが、いずれの場合も、濃いマニアックなオタク趣味を持つ人々の街として不動の地位を築いていた。この時代の秋葉原は、ゆっくりと落ち着いて買い物ができる場所は限られていたと著者は解説する。

そんな秋葉原に地殻変動が起きたのは、2005年のことだ。駅前に「ヨドバシカメラ」が開店、そして「つくばエクスプレス」の開業によって、一般客も買い物がしやすい街になった。これは、それまで秋葉原に興味があったけれど、どう巡ればいいかわからなかったという人が足を運ぶきっかけになったという。

現代のオタクのライト化

アニメ好きな男性が主人公の純愛物語「電車男」のブームも、オタクのライト化に拍車をかけたといっていい。今と昔のオタクはどう違うのか。本著でも引用されている、“オタク第一世代”の高橋信之氏のコメントを紹介しよう。

「僕たちの世代は、作品を鑑賞するときに原点というか信仰の元みたいなものに遡って読み解こうとするんですよ。(中略)だけど、若い連中はそういうことにあまり興味がありません」

かつて、オタクは深い知識を持ち、研究者のような探究心があった。しかし、現代のオタクはオタクと自称している人でも、浅い知識しか持っていない人が多いのだという。

オタクは生き様ではなく、ファッション

かつてのオタクは、アニメや漫画に命をかけていると言っていいほど作品にほれ込んでいる人が多かった。ところが、現代のオタクは、友達との手軽なコミュニケーションツールとして、オタク属性を利用している。いわば“オタクのファッション化”だ。

なにより、オタクであることを隠さない人が増えているという。本著のデータによれば、「オタクであることをアピールしたいですか」という質問に、なんと30%の人が「アピールしたい」と回答している。「アピールはしないが隠してもいない」という人も21%を超えており、両者を足せば、「隠したい」の49%を上回ってしまう。オタク趣味は隠れてこそこそやるもの、というイメージが薄れているのだ。

そして、かつてのオタクには考えられなかった高いコミュニケーション能力をもち、彼女、彼氏がいる“リア充”なオタクも珍しくない。

昔のオタクの嗜好品が街にあふれている

よくよく考えると、アニメショップでしか買えなかったような、美少女キャラクターのグッズがいまやコンビニで普通にみかけるようになった。カラオケではアニメソングが大量に歌うことができる。地方に行けば萌えキャラをプリントした商品も置いてある。

こういった風潮を、昔のオタクはどのように思っているのだろうか。モテない経験を味わったオタクは苦々しく感じている人もいるかもしれない。同じ趣味であれば世代が違っても分かり合えるのではないかと思っていたが、実際はどうも、埋められない世代間のギャップが生まれているようだ。

 (文・元城健)

新・オタク経済 3兆円市場の地殻大変動

著者:原田曜平
出版社:朝日新聞出版
最近のオタクの特徴は、モノを「買わない」、コミケに「行かない」、特定ジャンルに「ハマらない」マイルド志向。しかしアニメ、ゲーム、ラノベほかオタク市場は右肩上がり。なぜか? “隠れオタク”“リア充オタク”──細分化し薄く拡散するオタクの全貌を明らかに。

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