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「バルス!」 ←こう書けばアクセス数が増える気が…する。

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若者のテレビ離れが叫ばれるなか、視聴率が安定して取れる番組がある。「金曜ロードショー」の宮崎駿大先生のアニメ作品だ。「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」「もののけ姫」などなど、放送すると軒並み15%前後の視聴率を稼ぎ出す超優良コンテンツである。DVDを持っているのになぜか視てしまう人も多いのではないだろうか。もちろん私もそんな1人だ。宮崎アニメは一種の中毒性がある作品といっていいだろう。

バルス祭り

先日、金曜ロードショーで「天空の城ラピュタ」が放送された。いったいこれで何回目の放送だと思いつつも、ついつい観てしまう名作だ。クライマックスシーンで、主人公のパズーとシータが「バルス!」と呪文を唱えるシーンがあるが、このタイミングに合わせて、twitterで一斉に「バルス!」とつぶやく人が続出している。これは“バルス祭り”と呼ばれ、ラピュタ放送時の風物詩となっている。

私の記憶によると、バルス祭りは、もとを辿れば2ちゃんねるの実況板で行われていたことだったはず。それを一般の人々がやるようになったとは驚きである。時代は変わるものだ。

実はヒットしなかったラピュタ

宮崎氏は今や国民的なアニメ作家といわれる。『宮崎駿が世界に残した遺産(ニューズウィーク日本版eー新書No16)』(ニューズウィーク・著/CCCメディアハウス・刊)を読むと、その影響が世界にも及んでいることがわかる。

ところが、宮崎氏は最初からヒットを連発した作家というわけではなかった。初めて監督を手がけたアニメ映画「ルパン三世カリオストロの城」はヒットせず、その後は映画に関われない不遇の時代を過ごしている。再起作といえる「風の谷のナウシカ」はヒットしたものの、続く「天空の城ラピュタ」、「となりのトトロ」も興行成績は振るわなかった。

みんな大好きな「ラピュタ」にいたっては、公開初年の興行収入は5.8億円でしかなかった。これは宮崎氏が所属するアニメスタジオ、スタジオジブリ作品ではもっとも低い数字なのである。まだまだ一般の人々からの認知度は低く、アニメファンが見にくる程度だったらしい。今や公開初日に大行列ができるジブリ作品だが、当時はゆったりと鑑賞できたに違いない。当時、映画館で「バルス!」のシーンを大スクリーンで見た人が羨ましすぎる。

「もののけ姫」で国民的作家に

「トトロ」に続く「魔女の宅急便」は興行収入21.5億円を突破し、この頃から宮崎アニメの人気が一般レベルにも広がっていく。また、「となりのトトロ」は興行成績こそ振るわなかったが、「金曜ロードショー」の放映で人気を獲得、そしてトトロのぬいぐるみは現在に至るまでバカ売れしている。

宮崎氏が真の国民的作家となった作品は「もののけ姫」だろう。はじめて引退説が報道されたこともあって、記録的大ヒットとなった。その後、たびたび引退報道があったが、その後新作を発表するというサイクルを何度も繰り返したため、“宮崎駿大先生は引退は口にするけれど絶対に引退はしない”思っていた。

宮崎駿のDNAは継承されるか?

ところが、宮崎氏は「風立ちぬ」で長編アニメ監督引退を発表した。と同時に、“ポスト宮崎”が誰になるのかという議論が、マスコミでたびたびなされている。筆頭に挙げられるのは「バケモノの子」が大ヒットした細田守氏だ。

一方で、スタジオジブリでは有力な後継者が育っていないと言われている。はたして、宮崎氏のDNAを受け継ぐ作家が内部から出てくるのだろうか? 世界中から注目が集まっている。

(文:元城健)

宮崎駿が世界に残した遺産(ニューズウィーク日本版eー新書No16)

著者:ニューズウィーク
出版社:CCCメディアハウス
界の批評家、クリエーターたちを虜にし、日本発のアニメ文化「ジャパニメーション」を牽引し続けた宮崎駿が、引退を宣言した。 巨匠ミヤザキが世界に残した「遺産」とは何か? アメリカ、中国、フランスのジャーナリスト、クリエーターがその真の意味を語る。

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