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ネイティブは意見をいうとき I think~を使わない!

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高校生のとき、電車の中で外国人に道を聞かれたことがある。知っている場所だったので、頭の中で英作文して、こんなふうに答えた。
Get down at ○○ station, curve road right,  and go to pedestrian heaven ...
「○○駅で降りて、右へ曲がり、歩行者天国をまっすぐ行きなさい」といったつもりだった。習ったばかりのpedestrian(歩行者)という単語も使えて少々得意だった。外国人はニコニコして Thank you といった。通じたようだ。でも、あのニコニコはなんだったんだろう。

あとで、アメリカで暮らしていた友人にこの話をした。友人は、一応いいたいことは通じただろうけど、その英語変だよという。get downてのは高いところから下りることで電車を降りるのはget off、曲がるはcurveじゃなくてturn。curveだと曲げるになってしまう。あと歩行者天国はそのまま訳しても意味が通じない、vehicle-free street (車両禁止の通り)とでもいわないと、といわれる。うーん、英語はむずかしい。

英語と日本語では思考回路がちがう

中学校や高校で英語の授業を受けていたときは、日本語と英語は使っている言葉がちがうだけで、単語や文法を覚えれば、そのまま翻訳可能なものなのだろうと思っていた。でも、どうもそうではないらしい。英語の背景には英語ならではの思考回路があるようだ。日本語の文章を逐一英語の単語に置きかえても、英語にはならないということが、このときなんとなくわかった。

氾濫するジャパングリッシュ文書

Twitterの世界で炎上女王としても知られ、国連をはじめ長年海外で仕事をしてきたロンドン在住の@May_Roma(めいろま)こと谷本真由美さんの書いた『添削! 日本人英語』(谷本真由美&ポール・ロブソン・著/朝日出版社・刊)を読んで、高校生のときの思い出がよみがえった。あれから、何十年かたって英語の重要性がますます増す中、日本人の英語感覚も少しは変わっただろうか。

しかし、この本を見ると、たいして事情は変わっていないことがわかる。稟議書をRingi、部長をBucho、文書の最後につける「以上」をThat is all と訳して英語のビジネス文書としている会社が本当に存在しているらしい。日本語の思考パターンはそのままで単語だけを英語に置きかえているようなジャパングリッシュな文書がいまだに氾濫しているのだ。

結論を先に、根拠をあとに

では、どうすれば英語らしい文章が書けるのか。ひとつには英語には結論を示してから論拠を挙げるというロジックがある。時候の挨拶などで距離をとりながら、結論は曖昧にして、こちらの気持ちを察してもらうような文章はありえない。それは文化のちがいであって、いい悪いの問題ではないが、目的を明確化して、結論から入り、その根拠をシンプルに述べるという形式をとるだけでも、ずいぶん英語らしい文章になる。

I thinkは使わないほうがいい

あと、日本人がよく使う I think~ (私は~と思う)といういい方は、英語圏での会議や議論の場ではほとんど使われないという。使うのは日常の中で「怖ろしく遠回しに自分の意見をいう」ときくらいで、意見を表明する場合には I believe~ や In my opinion のような、自分の立場をはっきりさせる表現が向いている。I think といわれても、ネイティブは「あなたの心はそう感じているんですね。だから、何がいいたいのですか」で終わってしまうのだそうだ。

英語の重要性が増していると日々いわれるが、それは単語や語彙や文法を学ぶことにとどまらず、英語的な思考回路を身につけることが重要だということにほかならない。そちらのほうがグローバル・スタンダードだからというのではなく、その思考パターンを知ることによって、こちらの意図を、誤解なく、よりスムーズに伝えることができるからである。

(田中真知)

添削!日本人英語 ――世界で通用する英文スタイルへ

著者:谷本真由美&ポール・ロブソン
出版社:朝日出版社
元国連職員@May\Romaこと谷本真由美とロンドン大学のポール・ロブソン教授が英語らしい英語の書き方を徹底指導!

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