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いいと思っていたのに……。健康食の落とし穴

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今年も「〇〇抜き、ダイエット」「〇〇さえ、食べていれば健康になる!」という言葉が、たくさん巷を駆け巡りました。しかし、“健康にいい”という食べ物でも摂取しすぎたり、“肥満の敵”だからと極端に減らしてしまうと、逆に体に悪影響を及ぼすこともあるのだとか。実は勘違いしている人も多い、栄養学の真実をピックアップします。

「粗食」がかえって、寿命を縮めてしまうことも!?

長寿大国日本。「粗食こそが長生きの秘訣」という言葉もよく耳にします。ところが、『知らないと危ない 栄養学 最新の話』(則岡孝子・著/河出書房新社・刊)によると、この粗食を心掛けることが、かえって寿命を縮めることにもなりかねないとのこと。たとえばコレストロールの多い肉類を避けることは動脈硬化や肥満など予防には効果的ですが、高齢者の場合、たんぱく質不足に陥るリスクが高くなります。筋肉や骨の材料となるたんぱく質が不足すると、筋肉量や骨密度が落ち、ちょっとしたことで転倒したり、骨折が原因で寝たきりになってしまうケースも少なくありません。また、脂質も適度に摂らなければ免疫力が低下し、風邪をひきやすくなったり、体力が落ちることでさまざまな病気を招く原因にもなります。“粗食がいい”とはいえ、高齢者が極端に脂質を避けることは危険なのです。

生卵を食べ過ぎると、脱毛の原因に!

肌の健康成分として知られる「ビオチン」は、皮下組織の毛細血管を太くして頭皮を活発にする働きがあり、抜け毛や白髪予防にも効果的。逆にいえば、ビオチン不足は、皮膚炎や脱毛、白髪などの原因になります。
ビオチンは牛レバーをはじめ、さまざまな食品に含まれているため、普通の食生活をしていれば摂取不足になる心配はさほどないそうですが、実は、私たちの食生活の定番「生卵」には注意が必要です。生卵の白身に含まれる成分は腸の中でビオチンと結合する性質があり、それによりビオチンの欠乏を招くこともあるとか。実験でも生卵をたくさん食べたマウスが、脱毛などの症状が現れたことが報告されています。ただ、1日1〜2個程度なら、まったく問題ありません。

カルシウムの撮り過ぎ、大豆イソフラボンの摂り過ぎも注意!

「大豆イソフラボン」は、女性ホルモンの「エストロゲン」と似た働きをすることから、骨粗しょう症や更年期障害、乳がん、子宮がん予防に効果があるといわれ、近年、脚光を浴びている栄養素のひとつです。「積極的に摂取すべき」というイメージが定着していますが、実は摂り過ぎには気をつけたい栄養素。摂取しすぎるとホルモンバランスの乱れや子宮内膜症などのリスクを高めるという報告も出ているのです。もちろん、いい効果もたくさんある栄養素なので、日常の食生活では取り入れつつも、サプリメントなどで多量に摂取するのは避けたほうがいいようです。
また、骨を強くしたり、悪玉コレステロール値を下げる、血管障害を予防する働きなどもあり、体に欠かせないカルシウム。サプリメントなどで摂取している人も少なくありませんが、こちらも摂りすぎには注意が必要です。多量に摂取した場合、血管に入り込んで血液をドロドロにしてしまうことも。その状態が続くと、血管に付着した老廃物が動脈効果を起こし、心筋梗塞などを引き起こす原因になることが、海外の研究で分かってきました。
このように、どんな栄養素も摂り過ぎ、避け過ぎは禁物。ひとつの情報だけに惑わされず、確かな情報をしっかり見極めることが健康な体をキープするためには大切なのです。

(文・カキヌマヨウコ)

 

知らないと危ない 栄養学 最新の話

著者:則岡孝子
出版社:河出書房新社
痩せ型の人が過剰に「糖質制限」すると、運動能力がどんどん失われる!60歳を過ぎて「粗食」を心がけると、感染症にかかりやすい?!…など、栄養と健康にまつわる知っておくべき話題をやさしく紹介!

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