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リアルな妹よりも二次元の妹を偏愛する人々

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このコラムの筆者は2人兄弟の兄である。小~中学生時代は弟と喧嘩ばかりしていた。弟はとにかく言うことをきかない。それなのに親は、「お兄ちゃんなんだから我慢しなさい!」と言ってくる。そう言われるとますます弟が憎たらしくなる。

そんなとき筆者は思った。「妹だったら、不満があったからといって、兄に攻撃を加えたりはしないだろう。ああ、妹がいたら幸せだろうなあ」

妹萌えは不滅のジャンル

これまで漫画やアニメ、映画、小説などに数々の妹が登場し、世の男たちをメロメロにしてきた。とりわけ、美少女ゲームやライトノベルでは“妹萌え”は一つのジャンルとして確立されていると言っていい。

秋葉原のゲーム店を覗いてみると、あるわあるわ、妹がメインヒロインの作品のオンパレードだ。美少女ゲームの世界では古くから妹キャラクターが登場していたが、妹萌えを確立したのが、2001年発売のゲーム『Sister Princess(シスタープリンセス)』だ。主人公にいきなり12人の妹ができるというぶっ飛んだ設定で話題になり、メディアミックスが盛んに行われた。

ライトノベルにいたっては刺激的な作品が多い。amazonで“妹”で検索をかけてみると、『反抗期の妹を魔王の力で支配してみた。』『ある朝、ヒーローの妹ができまして』などなど、インパクトがありすぎるタイトルの作品が出版されている。妹は二次元の世界では大人気なのだ。

リアル妹がいる友人に話を聞いてみると

今回手にとった『妹はいいものだ』(内村かなめ・著/一迅社・刊)も、そういった“妹萌え”の4コママンガだ、かわいくて時にはツンデレな妹が登場する。妹の魅力をギュッと詰め込んだ作品だ。

オタクな友人にすすめられて読んでみたのだが、何を隠そう、彼にはしっかりとリアル妹がいる。さぞかし筆者がうらやむような生活を送っているに違いない。感想を聞いてみた。

うちの妹なんてちっともかわいくないよ。ぶっちゃけ、いらない

彼は二次元の妹は好きなくせに、リアル妹は好きではないのだという。確かに、美少女ゲーム雑誌を見てみると、「現実の妹は好きじゃないけれど、●●ちゃん(キャラの名前)は好きだあー!!」といった、男たちの心の叫びが掲載されている。なぜかリアル妹がいる兄貴は、リアル妹のことをけなしたり、かわいくないといったりする人が多いのだ。

シスコンな人々

しかしながら、世の中にはリアル妹のことを偏愛する人も存在する。シスターコンプレックス、略して“シスコン”と言う。歴史上の人物ではシスコンとして知られる人が何人かいる。たとえば戦国大名の最上義光は、妹の義姫の要望によって戦いの停戦を決断したという。この事実から“シスコン大名”の異名をとっているのだ。最近は芸能界で、様々な性格をカミングアウトする人が増えているが、不思議とシスコンをカミングアウトする人はいない。

リアルなシスコンが表に出ない一方で、妹をテーマにした創作物が世に溢れているのはなぜだろう。仮に妹と深い関係になっても、それが恋愛に発展することは難しい。ましてや結婚は難しいのだ。そこに“禁断の恋愛”があるから、男たちは妄想を働かせてしまうのではないだろうか。

もしくは、リアル妹からきつく当たられている男が多いからこそ、「こうあったらいいなあ」という幻想を抱きやすいのかもしれない。そうであれば、前出の友人のコメントや二次元妹への偏愛ぶりも納得がいく。現実世界のお兄ちゃんたちもなかなか大変なのだ。

(文:元城健)

妹はいいものだ

著者:内村かなめ
出版社:一迅社
全国のお兄ちゃん、お待たせいたしました! 絶対に恋愛には発展しない萌えのバイブル第1巻がついに発売! まだまだ続く、めくるめく妹尽くしの世界を堪能すれば、きっと出てくる言葉は一つだけ! それではみなさんご一緒に……「妹は、いいものだ!」

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