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クリスマスを“ぼっち”で過ごすのはつらい。神にすがりたい。

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今年も、クリスマスが目前に迫ってきた。独り身にとっては憂鬱な行事である。数年前、“ぼっち”で過ごす人たちが、クリスマス撲滅デモを行ったこともあった。

クリスマスなんてキリスト教の行事の一つにすぎないだろ?

そもそもなんでキリストの誕生日に異性と過ごす必要があるんだ?

ヴ●トンやエル●スのバッグをねだられるとかおかしいだろ?

・・・・・・というふうに、疑問を抱いている人は少なくないはずだ。 

キリスト教の行事のために神道の力にすがる

とはいえ、普段は「リア充爆発しろ」と言っている人であっても、なんだかんだで、クリスマスを2人で過ごすことに憧れる人は多いのではないだろうか。でも、神頼みでもしなければ異性が自分のところにやってくるなんてありえないと思っている人は、日本古来の神道の力にすがってみてはいかがだろう。

縁結びの神様”といえば出雲大社だ。最寄りの出雲空港は愛称が“出雲縁結び空港”となっているほどで、全国からリア充になりたいと思う人や、カップルが集結するメッカとなっている。最近は伊勢神宮と同じ年に“式年遷宮”が行われ、テレビや新聞、女性誌からファッション雑誌にまで特集が組まれたことで、全国から参拝客を集めたことで記憶に新しい。

 なんで出雲大社は“縁結びの神様”なの?

ところで、各地の神社はそれぞれ異なる御利益を売りにしているところが多い。無事故祈願のためならこの神社、合格祈願ならあの神社といった具合だ。なぜ、出雲大社は“縁結びの神様”なんだろう? 『出雲大社の謎』(瀧音能之・著/朝日新聞出版・刊)を読んで、その秘密に迫ってみることにした。

本著によると、日本最古の歴史書「古事記」や「日本書紀」に出雲が登場し、このころから神話の舞台となっていたらしい。その後、中世に出雲の風土や歴史をまとめた「出雲国風土記」が編纂されると、さらに出雲の聖地化がすすんでいく。そして、近代に入ると「耳なし芳一」の怪談で知られる小泉八雲の活躍によって、「出雲は神話の国」というイメージが民衆の間にも形作られていったのだ。

いつの時代も口コミは最強なのだ!

しかし、それ以上に、出雲のブランド化の立役者といえるのが、参拝客のお世話をした御師と呼ばれる人々だ。

彼らは、「神無月(10月)に神様がいなくなるのは、縁結びの相談をするために出雲大社に集まるからなんですよ」という話を、参拝客に広めたらしい。これがさらに口コミで広がり、縁結びを祈願するなら出雲大社というイメージが確立されたというわけだ。著者は、出雲がブランド化されたのは、出雲大社の営業戦略や、広報・誘致活動の成果だと説明している。

やっぱり羨ましいリア充ライフ

こうした経緯を見てみると、やっぱり今も昔も、日本人はいとも簡単に広報戦略に乗せられてしまうんだなあと思う。婚約指輪は給料3ヶ月分、しかもダイヤの大粒を贈らなければならないというのも、ジュエリー会社が広めた宣伝だ。バレンタインのチョコも、某チョコ会社が販促のために言い始めたことだ。クリスマスに異性と一緒に過ごすというのだって・・・・・・(以下略)

・・・・・なんだか書いていてつらくなってきた。

クリスマスまで残り2週間を切った。今度の週末は出雲に行って、リア充になれるように祈ろうかな。というか、旅先で出会った異性とのあいだにロマンスが生まれたら、ウハウハじゃなかろうか。神様、さっきは広報戦略とか言ってごめんなさい! どうか、どうか、よろしくお願いいたします!

 (文:元城健)

出雲大社の謎

著者:瀧音能之
出版社:朝日新聞出版
「縁結び信仰」のいわれは何か? 高さ24メートルもある本殿など、その建築様式が巨大なのはなぜか? いまだ解明されていない出雲大社の起源にかかわる謎に迫り、古事記、日本書紀と出雲国風土記の神話から古代日本のリアルな姿を浮き彫りにする。

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