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しみじみ飲む日本酒

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寒くなってきましたね。
日本酒がおいしい季節です。
私は寒いのは苦手ですが、日本酒があれば冬も嬉しい。
とても嬉しい。
夏の間は「とりあえずビールをグビグビ」でしたが、冬になると、突如、「しみじみと日本酒よね」となります。
日本人に生まれてよかった、と、思う瞬間です。

 

日本酒が変身した?

最近ではとりわけ日本酒が美味しく感じます。夏の真っ盛りでも、日本酒を飲みます。
それはきっと私が歳をとり、グビグビからしみじみへ、飲み方と嗜好が変化したためだ。そう思っていました。
けれども、どうもそれだけではないようです。
今、日本は「日本酒新時代」と呼ぶべき新しい世界を迎えているのだそうです。
「なぜ、こんなに日本酒を美味しいと思うのだろう。いくらなんでも美味しすぎる」と、一人、いぶかしく感じていましたが、『日本酒 ぴあ』(ぴあレジャーMOOKS編集部・著/ぴあ・刊)を眺めて、「ああ、そうだったのか。なるほどね〜〜」と、納得しているところです。

進化する日本酒

日本酒は今、サードウェーブと呼ぶべき時代に突入しているのだそうです。
最初の波は1960年から1980年。
地酒が話題となり、続いてフルーティな味わいで知られる吟醸酒が台頭した頃です。変化の20年と言っていいでしょう。
そういえば、私も、この頃にキーンと冷えた吟醸酒を飲むことを覚え、「日本酒って、こういうものだっけ」と、不思議に思いました。
それまでは、日本酒は熱くして飲むと思い込んでいたからです。
2番目の波は1990年代から2000年代にかけて。
蔵元自らが酒造りを行うところが増え、注目されるようになった時代です。
「十四代」というお酒が大ブレイクしたのを覚えている方も多いでしょう。
今も人気のあるお酒ですが、セカンドウエーブの代表として名を馳せました。

危機を迎えたこともある

日本酒はずっと順調だったわけではありません。危機を迎えたこともあります。
焼酎ブームが到来し、日本酒を好む人が激減したからです。
いっとき、私の周囲も焼酎ファンばかりになりました。慣れ親しんだ古女房を捨てるかのごとく、日本酒をやめてしまい、一に焼酎、二に焼酎、三、四がなくて、また焼酎という具合でした。
居酒屋でも、注文は「麦」「米」「芋」という声が飛び、焼酎の種類を選ぶだけの友達もいました。相変わらず日本酒を注文する私は少数派となり、「まだ日本酒なの?」と、冷やかされたりしていました。焼酎も美味しいけれど、私は日本酒に未練たらたらだったのです。
そこへ登場したのが「獺祭」です。
酔うための酒ではなく、日本そのものを味わうかのような酒とされ、大人気となりました。
このインパクトは大きなものでした。

天才が造る酒

そして、迎えた現在のサードウエーブ。
天才杜氏として名を馳せる佐藤祐輔が率いる「新政酒造」が注目を集めています。
これまで香りを重視した日本酒から方向転換し、体に優しくて、癒されるお酒を目指すというのです。
そのために彼が行ったのは、造りそのものを一新することでした。
彼は酒造りをなりわいとする家に生まれながら、最初は家業を継ぐつもりはなかったと言います。だからこそ、東京大学に進学、卒業した後も家には帰らず、ジャーナリストとして働いていたのでしょう。
そんな彼が突如、家に帰り、酒造りを始めたのは、美味しい日本酒と出会ったからです。日本酒の神様に呼ばれたのかもしれません。

日本酒は楽しい

私は元々、日本酒が好きでした。
飲むのも好きですが、造る過程が好きなのです。
物好きだなぁと言われつつ、通信教育を受け、酒蔵実習まで行い、「日本酒指導師範」の免状もいただきました。米と水が出会い、醸され、人を酔わす酒になる。それが面白くてたまらないのです。
それに、日本酒のウンチクを少しだけでも語ることができれば、ますますお酒を飲む機会に恵まれるとも思いました。
もっとも、いつもすぐに酔っぱらってしまい、ウンチクを語るまでもなく、「ま、いいか。美味しければ」となるのですが、日本酒について知ることは、本当に楽しいものです。
飲めば飲むほど知りたくなる、知れば知るほど飲みたくなる、それが日本酒というものなのかもしれません。
そんなわけで、今宵は一献、かたむけることにいたしましょう。

(文:三浦暁子)

日本酒 ぴあ

著者:ぴあレジャーMOOKS編集部
出版社:ぴあ
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