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太っているのは”呪い”のせい!?

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おとぎ話には、呪いによって変身させられるシーンがある。例えば『美女と野獣』に出てくる醜い野獣は、実は王子様が呪われた姿である。そして美女の献身のおかげで真実の愛を知ると、王子は元のイケメンなルックスを取り戻す。さて、もし現実世界で、自分のぽっちゃりした体型が"呪い"のせいだとしたら、どうだろう。呪いが解ければ、ほっそりした体型を手に入れられるのだろうか。『呪阻抜きダイエット』(田房永子・著/大和書房・刊)は、著者が自分にかけられた食欲という呪縛と闘うコミックエッセイである。

ぽっこりお腹の深い理由

太ったのは呪われてるからだって!? と、驚く人は多いかもしれない。でも、私は他人事とは思えなかった。なぜなら私自身も以前、占い師から「あなたの下腹部のぽっこりは、あなたの子どもがひとり増えたと深層心理が感じているせいだ」と指摘されたことがあったからだ。何年も前の話だけれど、シングルマザーとして2人の子どもを育てている私のところに、仕事の手伝いをしたいと、ある女性が現れた。彼女は程なく病気になったと言い出し、仕事をしなく(彼女の言葉では"できなく")なった。なのに私の部屋を頻繁に訪れ、私が食事に行くと当然のようについてきた。

昼時に部屋にいるものだから、私はしかたなく彼女を食事に連れ出し、彼女の分の食事代もなぜか私が出した。彼女の存在に疲れていたことを占い師は鋭く見抜いたのだ。「あなたの子宮に彼女の魂が入り込んでいます。彼女はあなたの子どものようなつもりでいるのです。だからあなたのお腹は膨らんだのです。彼女が去れば、あなたは痩せます」。信じられなかったが、彼女を思い切って追い出した後、私の下腹部のぽっこりは、しばらくしたら自然と凹んだ。あれにはかなり驚いた。まあ、彼女によるストレスを食べて発散する必要がなくなったからだとは思うのだけれど。

食べてしまう理由探し

『呪阻抜きダイエット』では、ダメだと頭ではわかっているのに、食べることを止められない著者が、なぜ食べてしまうのか、その理由を探してさすらう物語である。マンガの中で、著者はストレスがあると食べすぎる傾向が見られる。イヤなことを忘れようと食べまくる時の彼女の目は据わっている。食べることに依存しているのだろう。カウンセリングやセラピーに通い、深層心理に潜んでいるかもしれない原因をひたすら探し続ける彼女は、勇気がある人だと思う。

そしてある日、著者は、自分が食べ過ぎてしまうのは、根底に母親への怒りがあるからなのではないか、ということに思い至る。自分は母親にいじめられていたのではないか、と。みじめな自分にはみじめな身体がお似合いだと思うからこそ、高カロリーのものをドカ食いするクセがついたのではないかと。その翌日から、彼女の身体は排出を始め、脂っこいものを食べたいと思わなくなったのだという。

食べ過ぎるという呪い

ここ半年私は毎日必ず運動している。1日30分エアロバイクを漕ぐか、1時間歩く。カロリーにしたら300にもいかない程度のものだけれど続けているので代謝が良くなりつつあるようだ。これは石川善樹さんの『最後のダイエット』という本に書かれていたやりかたなのだけれど、確かに私の体重は増えなくなった。すごく痩せてもいないけれど、でも「もう増えないだろう」という確信は、大きな心の支えになっているし、大事な一歩だと感じている。

ダイエットは多くの女性がチャレンジし、そして挫折を繰り返している。喫煙者だった私には、禁煙に何度も挫折している人と、ダイエット失敗の人とは共通項があるように見える。喫煙すると、心が落ち着く。食べるという行為も、お腹だけでなく、心をも満たそうとしている気がするのだ。だとしたら、一体自分はどの部分が満たされていないと感じているのだろう、と、そこを探すのはものすごく大切なことだ。

原因がわからなければ、せっかく痩せても、またリバウンドするのではという不安が消えないかもしれない。根本的な原因を見つけ出し、それをどうしたらいいか自分と対話をする作業は、時間がかかるかもしれないけれど効果がある気がする。呪いが解けて王子様と結ばれ幸せになった眠り姫のように、食べすぎという呪縛が解けることで痩せてキレイになれるのだとしたら、なんて素敵なことだろう。

(文・内藤みか)

呪詛抜きダイエット

著者:田房永子
出版社:大和書房
何をしてもやせられないのは、「太っていてこそ私」という呪いがかかっていたから!? 鏡を見られない人、写真を撮られるのが嫌いな人、必読! 前代未聞のダイエット法コミックエッセイ。

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