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メイクってやっぱりとても大事

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電車の中では驚くべき体験をすることが多い。
携帯電話を使って、大声で救急処置を命じている方を見たこともあるし、完全に床に寝てしまっている男の子に出会ったこともある。
最近、一番、驚いたのは、向かい側の席で、一人の女の子が華麗なる変身を遂げる一部始終を目撃したことだ。

朝の電車の中で

早朝の電車でのことだ。
半分、居眠りしながら座っていると、向かい側の席で、若い女の子が強引に席を取るのが見えた。「あの子も眠いのね。寝ていきたいのだな」と、私は思ったが、それはおばさんの感想だった。
彼女は大きなバックから、鏡とメイク道具を取り出し、メイクをし始めたのだ。
寝坊して、スッピンで出てきてしまったのだろうか。いや、それとも、毎朝の習慣か。
膝に乗せたカバンの上に鏡を乗せるしぐさは、一朝一夕にできるものではないほど手慣れていた。

疾走する電車の中でスピーディに変身

彼女はさすがにクレンジングはしなかったが、コットンで化粧水を入念にはたきこみ、乳液をつけた。「メイクは基礎化粧が大事というものなぁ」と、思いながら観察していると、クリームを塗ったあと、彼女は手を顔にあててしばらくじっとしていた。
きっと「しみこめ、しみこめ」と呪文を唱えているに違いないなどと、勝手な想像をふくらませていたら、彼女は急に顔をあげ、ピンで前髪をとめるや、ファンデーションを塗り始めた。その丁寧なことといったら、感心するほどだ。
私など、ただ1色のファンデーションをペタペタするだけだが、彼女は違う。鼻の脇、おでこ、頬に、あごとそれぞれ違う色を塗っていく。すると、平面的な顔が、3D映像のように彫りのある顔立ちに変身する。
そして、時間をかけたアイメイクのあと、彼女は二重になった。最後に口紅で仕上げると、電車に乗りこんできたときとは別人のような華やかさだ。

ライブのメイク教室

それまで、私は電車の中でメイクする女の子に好感を持っていなかった。
はた迷惑だし、お行儀が悪いと思っていた。
けれども、この日は、メイク教室をライブで見せてもらったようで、なんだか得した気分になった。
メイクはやはり誰かに教えてもらうと、それもライブで見せてもらうと、参考になる。自分の顔は自分が一番よくわかっているようだが、実は、思い込みが先になっていることが多いからだ。

きょうだいもメイクアップの先生だ

『rebirth 〜キレイの魔法〜』(垣野内成美・著/ブックビヨンド・刊)は、電車の中でメイクすることなど不可能だろうと思うような女の子・真夏が主人公だ。綺麗な顔立ちをしているのに、どことなく地味で、自分にも自信が持てない。
そのせいか、恋人ともうまくいかず、つき合いだしても、すぐに別れてしまう。
しかし、彼女には強い味方がいた。
しっかり者の姉・美春と一緒に暮らす家に、調子のいい妹の千秋、そして、弟の冬矢までが次々ところがりこんで、てんやわんやの共同生活をしているからだ。
生真面目な真夏は、掃除や料理を押しつけられて損をしているようでありながらも、きょうだいからメイクの作法を教えてもらう。
そして、変身していくのだ。

秋だもの、メイクを変えて街へ出よう!

『rebirth〜キレイの魔法〜』は、化粧品会社シュウ ウエムラの監修によってできたものだという。
私は結婚してすぐの頃、ほんの短期間だが、シュウ ウエムラのメイクアップモデルのアルバイトをしていた。オイルクレンジングで有名な会社だ。
あるイベントで、今は亡きシュウ先生にお会いして、メイクをなおしていただいたことがある。先生に眼光鋭く、顔を見つめられたときは、それだけで顔が引き締まって、小顔になるような気がした。
メイクとは人を変身させるマジックであり、メイクアップアーティストは魔術師のようなカリスマを持つのだとこのとき知った。
最近、前にも増してメイクが適当な自分を振り返り、反省しているところだ。
秋色のメイクで装い、秋の街にくりだしたいものである。

(文:三浦暁子)

rebirth ~キレイの魔法〜

著者:垣野内成美(著) シュウ ウエムラ(監修)
出版社:ブックビヨンド
人気漫画家・垣野内成美が描きおろす最新ハートウォーミングストーリー。電子書籍オリジナルコミック。全4話。
人気ブランド・シュウ ウエムラの監修のもと、メイクアップの技法を織り交ぜながら、ヒロイン・真夏のせつない心模様を丹念に描きだす。
《ストーリー》
東京でOLをしている芹名真夏(せりなまなつ)は、今の自分に自信が持てずに悩んでいた。そんなある日、高校時代に片思いしていた「彼」と再会する。・・・が、あっさりと失恋してしまう。
真夏には、しっかり者の姉・美春(みはる)と、おしゃれ&甘え上手の女子大生・千秋(ちあき)がいる。落ち込んでいる真夏を、二人の姉妹が盛り立てるようとするが・・・。
真夏の目にとまった一冊の本。それは、日本のメイクアップアーティストの草分け的存在である、植村秀氏の本だった。高校時代、絵を描いていた真夏は、そのメイクの美しさに引き込まれていく・・・。
妹の影響を受けて、これまであまり興味の無かったメイクを試してみる真夏。
メイクの楽しさ、メイクをすることで自分が美しくなる実感。
真夏は、かつての自身の輝きを取り戻すことができるだろうか。

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