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真田幸村と半沢直樹は似ている?

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私は大学を受験するとき、迷わず歴史学科を選んだ。両親は「英文科にしたら?」と、アドバイスしてくれたのだが、「英語はツールとして意味があるからマスターしたいけれど、4年もかけて勉強するのはいや。歴史、とりわけ日本の歴史ほど学ぶに値することはない」とかなんとか偉そうなことを言って、史学科に入った。
念願叶ったはずなのに、あまり熱心に勉強しなかった。歴史学にはイデオロギーの要素が強すぎるような気がして、ついていけなかったのだ。
結局、私の歴史好きは、NHKの大河ドラマに夢中だったことが発端となっていただけだったのかもしれない。

歴女のはしり

最近では、歴女といって、歴史好きな女の子を良しとする風潮がある。けれども、私が子供の頃は、歴史が好きというと、「なんだかおばさんくさい」と、言う人が多かった。
歴史上の人物について熱く語っても、「もうその話はいいよ」と、苦笑されたものだ。
けれども、私は気にしなかった。
1週間に1度、NHKの大河ドラマを見るのが何より楽しみだった。
その意味では、私は流行の先端を行っていた。小学生の頃には、筋金入りの歴女となっていたのだから・・・。

時代劇が好きだから剣道部に入部

とりわけ、主人公が鎧をつけている甲冑ものに夢中で、チャンバラ好きが高じて、高校に入ると剣道部に入部した。
竹刀を振り回し、胴をつけていると、時代劇の主人公になったようで、うっとりした。
もっとも、動機が不純だから、剣道はちっとも上達せず、試合の途中で竹刀を落としてしまうほどの弱小部員だった。しかし、それでも私は気にしなかった。
馬に乗りたいと思ったのも、髪を長くしたいと思ったのも、着物が好きになったのも、すべて大河ドラマの影響である。
単純な、影響を受けやすい子供だったのだ。

「真田丸」が待ち遠しい

ところで、来年2016年の大河ドラマ「真田丸」の主人公は真田幸村、演じるのは堺雅人だそうだ。
堺雅人は大ヒット作「半沢直樹」の印象が強いだけに、どういう真田幸村となるのか楽しみだ。
既にPR合戦も展開していて、大阪の南海電鉄では幸村にちなんだ特別列車が作られ、報道陣に公開された。車体には、幸村ゆかりの「六文銭」が描かれている。
他にも、ゆるキャラの「ゆきむらさま」が誕生したり、来年には「九度山・真田ミュージアム」も開館される予定だったりと、盛り上がりを見せている。
私も待ち遠しいが、「やられたらやり返す」「倍返しだ」の台詞が記憶が残っているだけに、真田幸村となった堺雅人が「やり返すでござる」などと言ったらどうしよう、そもそも、真田幸村ってどういう人物だっけ?と、気になって気になって仕方がない。
そこで、ドラマが始まる前に知識を仕入れようと『真田幸村』(長澤克泰・著/リイド社・刊)を読んだ。漫画家・長澤克泰の作品だが、迫力ある幸村の顔に引き込まれながら、幸村の生きた時代を楽しむことができる。

幸村が人質生活を送ったと知っていましたか?

これまで、真田幸村について深く考えたことがなかった。天才的な武将で、真田十勇士という言葉があるくらいだから、部下に恵まれた勇猛果敢な人物なのだろうとうっすら思っていただけだった。
けれども、『真田幸村』を読むと、有名な幸村が、実は信州の小さな領主・真田家に生まれ、苦労を重ねた人であるとよくわかる。まだ少年の頃に上杉家の人質となって生活し、ご飯のお代わりをするのも遠慮するような毎日を送ったという。
戦国の世のならいとはいえ、半沢直樹以上の苦労人だったのだ。
けれども、幸村はくじけなかった。持ち前の忍耐強さと家族への愛をエネルギーとして、乱世を必死に生き抜いた。

真田幸村と半沢直樹

大阪夏の陣と冬の陣で豊臣方につき、家康の命を脅かした英雄・真田幸村。
しかし、その実体は、家のため、家臣のために、がむしゃらに働いた猛烈サラリーマンのような一面もあったのだ。
真田幸村は、もしかしたら、豊臣時代の半沢直樹なのかもしれない。
今はそんな風に思えて仕方がない。

(文:三浦暁子)

真田幸村

著者:長沢克泰(著)
出版社:リイド社
時は慶長十九(1614)年、戦国時代の終わりを告げる最後の戦い「大坂の陣」。天下分け目の合戦「関ヶ原の戦い」で辛酸をなめながら、再度、徳川家康に楯突いた武将がいた。真田幸村―――。日本一の兵と言わしめた知略の武将・幸村の生涯を描く、本格戦国武将列伝。

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