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弱気な人のための『ビビらない技法』

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30年以上も生きていれば、人生が「一寸先は闇」であることを実感する。不幸や悪意が身近なものであることを何度も経験すると、ふとした時に怖くなる。足がすくむ。いざという時に「ビビらない」コツはないものか。

「気の弱さ」は「強気」を演じることで克服できる

わたしは気が弱い。いつも弱気だ。道を歩いても弱気。歩行者や自転車とすれ違うとき、かならず自分から道をゆずる。身をかわす。

コンビニで何かを買うとき、いつも店員にナメられる。プリンやアイス用のスプーンが入っていなかったことは数しれず。無いことにその場で気づいても「スプーンが無い」なんて言えないとです。ヒロシです……。

ビビらない技法』(内藤誼人・著/大和書房・刊)という本がある。目次を見ると「物怖じしない人がやっていること」や「図太くなる心理テクニック」という、弱気なわたしにうってつけのことばが並んでいた。なんだろう、元ヤクザ屋さんが書いた本なのかなと思って「あとがき」を読むと、著者は「心理学系アクティビスト」だという。

本書「あとがき」によれば、著者の内藤さんも「気が弱い」らしい。他人から「豪胆な人」「堂々としている人」と思われるよう演技をして生きることで、いつも内心では「ビビっている」けれど、仕事もプライベートもうまくいくようになったそうだ。

「物怖じしない人」がやっていること

ビビらない技法』には、50種類以上のテクニックが紹介されている。気弱なわたしにとって、いずれも参考になるものばかりだった。

【見つめる時間が長いほど相手に好かれる】

「話すとき、相手から目をそらすな」というのは、欧米のビジネスパーソンのあいだでも常識らしい。そわそわと視線を泳がせるのもNG。気弱な人は、つい相手の顔を見るのを避けてしまいがちだが、にらみつけるくらいの勢いが必要だ。

【大きな声を出せ】

声の小さな人は、気が弱いと思われがちだ。弱気を克服したければ、とにかく意味もなく大きな声で話すべきだ。他人からは「自信たっぷり」に見える。

【言葉の「しくじり」をしないようにする】

大きな声で自信たっぷりに話していても、言葉に詰まったり、舌をかんでしまえば、すべて台無しだ。だから、セリフは短ければ短いほどいいらしい。「そうだ」「ちがう」「わたしは~だと思う」というふうに。あわてずに、ゆっくりしゃべるのが「相手にナメられないコツ」だという。

図太くなる心理テクニック

【握りこぶしが意志力を高める】

単なる「おまじない」のように思いがちだが、じつは心理学の実験で効果が認められている。

ポルトガルにあるリスボン大学の実験では「手の形が人の心に与える影響について調べ、握りこぶしを作ることが、人間にパワーを与える」ことが実験によって確認できた。(男性のみに効果が見られた)

アメリカのケース・ウェスタン・リザーブ大学の実験では「握力の測定値と、我慢強さには、相関関係がある」ということが確認されている。握力と精神力は結びついている。

ある場面で「ビビる」「緊張する」ことがあったら、手をギュッとして握りこぶしをつくることで試練に立ち向かえるかもしれない。

【しばらく目を閉じる】

琴の演奏会では、よく糸が切れるらしい。稽古のときはめったに切れないものだが、大勢のまえで演奏するときには「余分な力が入ってしまう」からだという。

人に見られることで、わたしたちは緊張する。ビビりそうになったら、その場から逃げてしまう前に、いったん目を閉じてしまえばいい。深呼吸をして、気持ちを立て直す。ふたたび目を開ければ、さっきよりも緊張がマシになっているかもしれない。

タフで優しい人になりたい

ハードボイルド作家であるレイモンド・チャンドラーの小説に「タフじゃなくては生きていけない。やさしくなくては、生きている資格はない」という名セリフがある。原文は「If I wasn't hard, I wouldn't be alive. If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive.」だ。
(参考リンク:フィリップ・マーロウ - Wikipedia

気が弱い人は「やさしさ」や「謙虚さ」をわきまえている。だから、わたしは弱気なことを恥じているわけではない。弱気を克服したいのは、プリンやアイス用のスプーンをかならず欲しいだけであって、けっして他人を屈服させたいわけではないからだ。

つぎにコンビニでスプーンが無いとわかったときには、いったん目を閉じて、深呼吸をしたあと、握りこぶしを作り、殺気を帯びた視線で店員さんを見つめながら、大きな声で「スプーンください!」と伝えるつもりだ。

(文:忌川タツヤ)

ビビらない技法

著者:内藤誼人(著)
出版社:大和書房
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