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フリーターは、気楽な稼業ときたもんだ!?

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定職につかず、アルバイトをして生活をしている人たちは「フリーター」と呼ばれています。「フリーアルバイター」の略称でしょうが、もともと「フリーアルバイター」なんて言葉があるわけではないので、完全なる造語です。

僕は、現在フリーライターとしていろいろなところで原稿を書かせてもらったりしていますが、大学卒業後はフリーターをやっていました。

大学卒業後コンビニのアルバイトに

僕が大学を卒業する1994年(平成4年)は、就職氷河期と呼ばれていた時期でした。僕は出版社を始め、ホームセンター、食品会社、生協などなど、いくつか就職活動をしましたが、あえなく全滅。卒業年の10月頃には早々に就職活動に見切りをつけて、大学卒業後も続けられるアルバイトを探すことに。

そのときちょうど、友人がアルバイトをしていたコンビニで深夜バイトを探していたため、無事(?)採用となりました。

僕の場合、両親があまり口うるさいほうではなかったこと、実家暮らしだったこともあり、無理やり就職をしようという気があまりなかったので、フリーターをそれなりにエンジョイしていました。

基本的に週4日、夜10時から朝9時までというシフトで入り、バイト明けにバイト仲間と遊びに行ったりと、割りと充実したフリーター生活でしたね。また、年末年始に7連勤するなどエース級の活躍をしておりました。

念願の出版業界でアルバイト

大学卒業後もそのコンビニでガシガシ働いていたのですが、夏頃に別の友人が「俺のバイト先で編集のバイトを探している」というので、紹介してもらい面接に。そこは編集プロダクション(いわゆる出版社の下請け)だったのですが、僕は出版社希望だった割には業界に疎く(だから受かんないわけだ……)、編集プロダクションという業態があることをそれまで知りませんでした。

編集プロダクションでのアルバイトは、基本的に雑用。荷物をいろんなところに届けたり、原稿一式の受け取りをしたり(当時は手書き原稿にポジフィルムで入稿していた)、原稿や写真の保管、メーカーから借りている商品の管理、カメラマンに同行して撮影のお手伝いなどなど。雑用はほぼやっておりました。

校了前は会社に泊まり込みすぎて、経理のおばさんに「寝てる間はタイムカードから引いといてね」と嫌味を言われたりしていました。「編集ってハードな仕事だな」と思いつつも、やりたかった仕事をしているということもあり、充実したフリーター生活を1年ほど送っておりました。

その後一旦その会社をやめるものの、出入りしていた別の小さな編集プロダクションに拾ってもらい、フリーター生活は終わり。本格的に雑誌や書籍の編集の仕事を始めることとなります。そして数年後、その会社が解散になったためフリーになり、原稿を書いたり写真を撮ったりの仕事をしております。

フリーターも楽しいもんだよ

僕の場合、「就職しなければいけない」という気持ちがもともと希薄だったということ、出版業界で働きたいが狭き門であることを理解していたということもあり、それほど悲壮感はなかったように思います。

逆に、今の大学生の就職活動を見ていると不安になることも。大学で学んだこととはまったく違う業種へ就職したり、とんでもなく労働条件の悪い会社に入って後悔していたり。そんな方々に言いたい。

「フリーターも楽しいもんだよ」と。

保険もないし、社会的にも軽く見られがちですが、そんなものは自分の気持ち次第。目の前の仕事を一所懸命やっていれば、誰かに認められて次の道が開けるかもしれません。

「アルバイトだから」とダラダラ仕事をしていたら、おそらく何も変わらないでしょう。

フリーターには大別すると2種類いると思います。やりたいことがあって自由な時間が欲しいためにフリーターになる人。定職につけなくていたしかたなくアルバイトをしている人。

理由はさまざまだと思いますが、「お金を稼ぐ」ということだけに着目すると、正社員だろうがアルバイトだろうが、変わらないと思います。

就職できなかったからといって悲観的にならず、数多あるアルバイトから自分がやりたいものを選べると考えれば、フリーターだって捨てたものではありません。

フリーターとあまり変わらないのがフリーライター

かといって、フリーターをオススメするわけではありません。やはり生活は不安定ですし、世間の目も気になったりするでしょう。

でも、それはフリーライターも一緒。平日昼間に家にいるし、起きるのはお昼ごろ。夜中にファミレスでパソコン開いて原稿書いてたり、スーツなんて冠婚葬祭以外ほとんど着ない。その上収入は不安定。ご近所さんは「あいつは何をしているんだろうか」と思っていることでしょう。

名前も「フリーター」と「フリーライター」で似てますし、知らない人に話すと「あ、フリーターなんですか?」と言われることもしばしば……。

そう考えると、僕は大学卒業してから何も変わっていないんじゃないでしょうか。それはそれでどうなの? と思いますが、今の仕事好きなので、ずっと続けていきたいと思います。

(文:三浦一紀)

フリーター・クロニック

著者:杉元伶一
出版社:アドレナライズ
アルバイトの魅力はお金じゃない。楽してカッコ良く、見栄も張れてナンパに最適、オイシイ思いができなきゃウソ。欲望と下心のおもむくまま、スキー場からラブ・ホテル、不動産屋、コンビニ、ガソリンスタンド、レンタルビデオ、ケータリング、ホスト、訪問販売、ガードマン、公営ギャンブル場などなど、39の仕事を体験。おすすめチャートもついたフリーター必読マニュアル。楽しくなければ仕事じゃない! 80年代後半に雑誌「ホットドッグプレス」で連載され、大反響を巻き起こした伝説のバイト体験ルポが電子書籍にて復刊。●杉元伶一(すぎもと・れいいち)1963年、埼玉県生まれ。早稲田大学社会科学部中退。大学在学中に『東京不動産キッズ』で小説現代新人賞を受賞。現代を鋭く切りとる才筆で文壇の注目を浴びる。著書に、映画化された『就職戦線異状なし』『スリープ・ウォーカー』(講談社)などの他、漫画原作として『国民クイズ』(太田出版)がある。

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