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親をまもる準備、できてますか?

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毎年、休暇を使って田舎に帰るたびに、オヤジもカアちゃんも白髪がますます増えたなーと思う。気づけば自分も30歳半ば。だから当然といえば当然なのだが。厳格なオヤジも、いつも心配してくれたカアちゃんも、いつか、二人とも本格的におじいちゃんおばあちゃんになっていく日がやってくる。
そして、本格的に介護が必要になったら、いったいどうすればいいのだろう?

生きていればいずれ訪れる介護

日本の平均寿命は年々伸びてきており、厚生労働省の発表によると、2014年は男性が80.50歳、女性が86.83歳となった。一方で、国民の4人に1人が65歳以上となり、世界でも類をみないほどの超高齢社会に突入している。それに伴い、介護を必要とする高齢者の数も増えている。介護を必要とする高齢者の割合は65歳以上から徐々に増え始め、75歳以上になると、急速に増加し3割を占める。
そして、介護する側は、ほとんどの場合は家族が行う。当然だが、自分たちが歳を重ねれば重ねるほど親も歳をとっていく。いずれ誰でも「介護」という問題に直面することを覚悟しておかなければならない。

介護は、ある日突然やってくる。

どのようなケースに陥ると介護が必要になるのだろう? 介護や支援が必要となった主な原因としては、「脳血管疾患」が最も多く約2割を占めている。脳血管疾患にはいろいろな種類があるが、最もよく知られているのが脳卒中だ。死亡率が高い病気として知られているが、たとえ一命をとりとめても、何らかの後遺症を残す人が多い。手足の麻痺をはじめ、言語障害や視覚障害、感覚障害などさまざまなものがあり、後遺症の程度によっては寝たきりになったり、介護が必要になる。
次いで「認知症」、「高齢による衰弱」、「骨折・転倒」、「関節疾患(リウマチ等)」とつづく。特に「認知症」は、脳の細胞が死ぬことで記憶への障害が起こり、いま話したことや食事をした事、そして家族の顔すら忘れてしまう悲しい病気だ。そのため、介護者への精神的な負荷も大きい。

親を、どうする?

いずれくる親の老いにどのように向かうべきなのだろうか。そこで、『親を、どうする?』(小林裕美子、滝乃みわこ・著/実業之日本社・刊)を紹介したい。40歳を迎えた3人の女性が、親の老いに対してとてもリアルに向き合うコミックエッセイだ。
この中には3つの物語が書かれており、1つはおひとりさまのカスミが、祖父の死をきっかけに両親の老後を思うようになる。2つめは共働き主婦ハルカが、認知症になった義母の介護を通して心の揺れる様子を描く。3つ目はシングルマザーのサヨが実父から突然末期ガンを知らされ死に至るまで寄り添う。
介護の現場はキレイごとだけではない。ところどころ、物語のセリフのなかに「家族が調子に乗って転んだら困るのは私だ。会社を休まなきゃいけないんだから。」「実の母でもないのに毎日こういう駆け引きや脅し文句ばかり考えている自分が時々嫌になる。」といった介護者の本音や葛藤が垣間見えるのも、みんな思うことなのだと、将来介護する側からすると少し安心を覚える。
これまでは、親が子をまもってくれた。だから、今度は子が親をまもる順番がくる。

(文・学研BookBeyond店長 酒井)

親を、どうする?

著者:小林裕美子(著) 滝乃みわこ(著)
出版社:実業之日本社
親の老いに深くしずかに向きあう感動作。恩師の葬儀でひさしぶりに顔を合わせた40代の同級生3人は、親の老後と死を意識するようになる。おひとりさまのカスミは祖父の死をきっかけに両親の老後を思う。夫と共働きのハルカは認知症の義母にふりまわされる。シングルマザーのサヨは父に突然「末期ガン」だと知らされ、熟年離婚した母との仲を再度とりもとうとするが…。誰もが経験するけれど、誰にもいえない家族の不安に、そっと寄りそう大人のためのコミックです。

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