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時間は生み出すんじゃなく、取り戻すものなんだ

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ウサイン・ボルトが100Mと200M、そして4×100Mリレーで3冠に輝き、日本陸上界新世代のライジングスター、16歳のサニブラウン・アブデル・ハキーム君が鮮烈なデビューを飾った世界陸上2015北京大会が終わった。
その開幕から6日前の8月16日。同じ陸上競技というステージで、4人の日本人がある偉業を成し遂げていたことをかなりの勢いで強調しておきたい。

〝百獣の王〟は有言実行の人

ハキーム君より26歳年上の〝百獣の王〟武井壮さんが、フランスのリヨンで開催された世界マスターズ陸上の「M40クラス」(40歳~44歳の男性が出場可能)4×100Mリレーで金メダルを獲得した。しかも、42秒70というタイムでアジア記録を1秒37も更新することに成功した。
筆者がインスパイアされたのは、レース後の武井さんのコメントだ。
「この2年間、一所懸命仕事をしながら、毎日1時間700日以上、自分の全力を尽くしてきた。人間の毎日1時間っていうものを少しでも証明できたような気がする」
仕事が終わってから1時間のトレーニングを欠かしたことがない人間の言葉は、リアリティも重みも違う。1時間という時間は、意識して作ろうとすると難しい単位に感じられる。その理由は、犠牲にしなければならないものが必ず出るはずだ、というそこはかとない恐れではないだろうか。トレーニングのためだけに毎日1時間を確保し、それを700日以上続けるというのは、想像するよりはるかに難しいし、行(ぎょう)に近いストイシズムが必要に違いない。

あと1時間あったら、何をしますか?

では、自由に使える時間が毎日必ず1時間あったら、人は何をするのだろう? 日本のお得生活応援サイト『チャンスイット』と、アメリカのインターネット新聞『ハフィントンポスト』がまったく同じ趣旨のアンケート調査を行っている。以下はその結果だ。

『チャンスイット』
1位:寝る。休む時間に充てる(62%)
2位:遊ぶ。仕事をする(17%)
3位:勉強、習い事の時間にする(8%)
4位:その他(12%)

『ハフィントンポスト』
1位:リラックスする(36%)
2位:寝る(27%)
3位:家族や友人と過ごす(27%)
4位:エクササイズ(24%)

日米ふたつの媒体のアンケート調査の結果は、ごく一般的な意見を反映したものに違いない。だからこそ、武井さんが700日以上にわたって毎日積み重ねたそれぞれの1時間の価値がさらに際立つ。

ケント大学の時間管理スキル

イギリス、ケント大学の就職課のサイトに、効率的な時間管理の具体的な実践法が示されている。40項目の質問に答える形式で、以下の8つの時間管理スキルのうち苦手な分野を明らかにし、それに対するアドバイスがもらえるという作りだ。それぞれの項目は15点満点で、カッコ内に示した数字は筆者のスコアだ。
・目標設定(10)
・タスクの段階化(7)
・優先順位の設定(14)
・リストの活用(12)
・忍耐力(7)
・納期を守る能力(9)
・過去の資料の見直し(11)
・ものごとを引き延ばさない姿勢(9)

で、俺はどうなんだ?

筆者は、昔から計画を立てるのが好きだった。仕事に関しては、1日これだけやって1週間でこれだけ、というふうにスケジュールを立てていく。でも、思いどおりに進んだことなんてない。予想以上に進む日もあれば、まったくダメな日もある。
よく考えたら、スケジュールを立てるという行為そのものが好きなのだ。見栄えのいいスケジュールが出来上がったら、それを守るか守らないかは問題ではなくなる。その時点で満足して、すべてが帰結してしまうのかもしれない。そうなると、まったく無駄なことに多くの時間を費やしていたことになる。
そう言えば、システム手帳もずいぶんたくさん買った。さまざまなタイプを次から次へと試し、自分でリフィルまで作っていた。スマホにしたのを機にまったく触れなくなったが、今思えば、時間を管理する作業そのものではなく、時間を管理するための環境づくりを考えることを楽しんでいたに過ぎない。

主犯は自分の中にいる

毎日1時間、意味のあることをするための時間を手に入れたい。ぼーっと動画サイトを見たり、ゲームをしたりして費やすのではなく、何かはっきりとした形をしたものにつながることに充てたい。
筆者はそもそも間違っていた。意味ある1時間は生み出すものではない。取り戻すものなのだ。その相手は、自分の中にいるぐずぐずしてる奴とか決めきれない奴、そしてものごとを引き延ばそうとする奴にほかならない。
『時間泥棒を探せ!』(夏川賀央・著/扶桑社・刊)には、日常のさまざまな場面でのムダ時間を徹底的に刈り取り、自分の中にいる非生産的な奴らとか、外の世界の押しつけがましい人たちから取り戻す方法が具体的に紹介されている。また、テーマに則って読者を思いやる本の作りも好印象だ。
どうやったって、今の筆者にアジア記録更新は無理だろう。でも、これから取りかかっても成し遂げられることがあるという事実は、確実に感じることができる。

(文:宇佐和通)

 

 

 

時間泥棒を探せ!

著者:夏川賀央
出版社:扶桑社
まったく新しい時間管理術の本!本書では、大切な時間を奪うものを「時間泥棒」と命名。これを解決して有意義に過ごす20のテクニックを伝授する。各プロジェクトの内容は「時間泥棒はあなたの隣に座っている」、「仕事の時間を使いこなす」、「他人の時間を自分の時間に」、「ぐずぐずする時間を抹消する」。

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