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【男の子】という不可解で新しい生き物との付き合い方

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どうして石をポケットに入れて持って帰ってくるの?
どうしていつも見えない何かと戦ってるの?
どうしてパンツ一丁で走り回るの?
どうして叱られてるのにニヤニヤしてるの?

「男の子って、わからない…」
男の子を持つ母親ならば、誰しも一度は、いや常に頭を悩ませる疑問ではないだろうか。

かく言う筆者にも息子がいるが、まさに今朝、起き抜けにトイレへ行った彼は、下半身を丸出しにして股の間から私の顔を覗き込み、「お尻でママを見てまーす!」とお尻ふりふりしながら意味不明な発言をしていた。
まだ用を足す前なのに!そんなことしてたら漏れちゃうよ!風邪ひくよ!などという私の心配を余所に、朝っぱらからふざけ続ける息子。

嗚呼わからない。自分には到底理解できない。

愛おしくてたまらない存在なのに気持ちが全然わからず、常に叱ってばかり…そんな悩める母親たちに救世主が現れた。大阪教育大学教育学部の准教授でメディアでも活躍する、元保育士の小崎泰弘氏だ。

息子と自分は、別の生き物として存在している。

保育士として12年間子どもたちと向き合い、さらには自身も3人の男の子の父親として公私ともに多くの男子たちに接してきた小崎氏は、自書『男の子の 本当に響く 叱り方ほめ方』にて母親たちにこう提言する。「男の子とは不可解な生き物」であり「あなたの横にいるのは、【男の子】という新しい生き物」なのだと。

我が子のすべてを知りたい、理解したい、気持ちがわからない自分はダメな母親だ。そんなふうに悩む必要はまったくないのだ。
だって、あなたの息子とあなたは、まったく別の生き物なのだから。
親子であっても、どうしても超えられない男女の差は確かに存在するのだ。救世主が言うのだから間違いない。

活動的で衝動的で思慮が浅くてパターンが読めない、それが男子

永遠に相いれない母と息子。うまくやっていくにはまず、「男の子」というものの生態を知る必要がある。

小崎氏によると、男の子の特徴として次のような点が挙げられる。
■いきなり予想外の行動を起こす。ケガや生傷が絶えない。「衝動性が強い」
■同じ図鑑を何度も何度も読まされる。極端にこだわりが強い。「オタク気質」
■頭で考えるよりも先に体が反応する。言葉ではなく手が出てしまう。「行動的で暴力的」
■常に何かと戦っている。バレバレの嘘をつく。「現実と空想の混同」
■すぐにふざける。叱られていてもヘラヘラしている。脳内の99%が遊びで占められている。「場面の転換に弱い」

これらは裏を返せば、瞬発力があって、集中力があって、不器用で、空想家で、お調子者。もちろん、子どもそれぞれに個性があるので、全員がこのタイプ!とはいえないが、それにしても「そうそうそう…うちの子も一緒!」と頷かざるを得ない特徴なのではないだろうか。

ほめておだてて、調子に乗せるが勝ち!

そんなお調子者の男子たち、ふだんはひねくれていても、反抗していても、やはりほめられると一気に機嫌が良くなり、お願いごとをすんなり引き受けてくれたりする。ほめられる=自分が認められた、ということ。ほめられるのは、大人でも嬉しい。子どもなら、とりわけ男の子ならなおさらである。

そして、ほめるという行為は、良好な親子関係にも繋がると小崎氏。子どもの良いところ、素晴らしいところ、得意なところを見つけて、それを言葉や表情で子どもに伝える → 子どもは喜ぶ。素直になる → ほめてくれた親を大好き!になる → 親も苛々せず、より子どもが愛おしくなる。まさに、正の連鎖。好循環のサイクル活動である。

ここで気をつけたいポイントは、「今、ここでほめる」、「シンプルにほめる」、「プロセスをほめる」の3つだと小崎氏は続ける。

可愛いくらい単純な生き物である男子は、「今」を全力で生きている。昨日はどうだったとか、今度はこうしてほしいとか、過去や未来のことを伝えても、ほとんど効果がない。大切なのは、「今」この瞬間だけ。なので、ほめるときも、その場でほめることが大切。

そして周りくどい表現や言い回しは不要。シンプルにほめることで、自己肯定につながり本人のやる気も120%アップする。

さらに一番重要なのは、結果ではなくそこまでの過程を評価してあげること。「結果や目に見えるものばかりに言葉が集中しすぎてしまうと、せっかくほめていても、子どもの気持ちにそぐわないことになります」(本書より)たとえ100点をとってきても、「100点とってすごいね!」ではなく「勉強をよく頑張っていたからだね!」という一言がとても大切なのである。

結論、男子はいくつになっても男子

ここまで読んできてくれた母親の皆様、おや?と気づくことはないだろうか。あれれ、なんだか、息子のことのはずが、うちの旦那のことを言われてるみたい…と。普段、夫に感じている「なぜ?」の根源は、息子に感じている「なぜ?」なのではないか、と。

そうなのだ。小崎氏も述べている通り、「息子さんが成長すれば、お父さんのようになっていきます。男の子のもっとも身近でわかりやすいモデルとして、父親が存在しているのです」ということなのだ。だって、息子と旦那は、同じ生態をもつ「男子」なのだから。ただし、ひとつだけ異なる点がある。それは、「息子はいくつになってもママ大好き」であるのに対し、パートナーは自分から心が離れていく可能性があるということ。

パートナーの言動が理解できず悩んでいる女性は、息子がいれば息子を、もしくは親戚や周りの男の子たちをよく観察し、その生態を理解していくことが、解決への近道である。本書には、一番知りたい「男の子に響く叱り方」についても詳しくアドバイスされているので、夫婦喧嘩を円満に終わらせるのにも一役買うかもしれない。
一見、子育ての指南書であり、その実は旦那にいつまでも愛されたい妻にもピッタリの書である。

(文・水谷 花楓)

 

 

男の子の 本当に響く 叱り方ほめ方

著者:小崎恭弘
出版社:すばる舎
なぜ、息子は私の言うことをちっとも聞かないのだろう。何度ダメと言ってもやめない・ちゃんとしろと言ってもしないのだろう…。それは男の子の心に「本当に響く」言葉をかけていないから。「またお母さんの小言が始まった」と聞き流されるだけ。どんな言葉をかければ、男の子が言うことを聞くのか。どんなふうに関われば、男の子が変わるのか……。3人の息子を持ち、自身も3兄弟の長男で、高校生の頃から「キャンプのお兄さん」で男子とがっつり関わってきた元保育士の著者が、その方法をみっちり伝授します!

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