ハウツーが満載のコラム
文字サイズを変更する

巫女さんになって、日本の心を学んでみよう

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

神田明神といえば江戸の総鎮守であり、江戸三大祭のひとつである神田祭で知られる、東京を代表する神社のひとつだ。昭和9年に完成した社殿は昭和初期を代表する神社建築として、国の登録有形文化財にも登録されている。そんな由緒正しい神社が開いたある講座が話題を呼んでいることをご存じだろうか?

その名も「巫女さん入門講座」だ!

秋葉原のコスプレ巫女

この「巫女さん入門講座」のコンセプトは、若い女性に巫女さんの作法と神社や日本文化を知ってもらおうというもの。なぜ、この企画の発案に至ったのだろう。それは、神田明神から徒歩ですぐ、アニメや漫画の聖地“秋葉原”の存在が深く関係している。

秋葉原ではメイドさんと並んで、巫女さんのコスプレは非常に人気が高い。そんな秋葉原で神田明神の職員は、美しい黒髪をわざわざ金髪に染めて派手な化粧をした“コスプレ巫女”を目にし、大きなショックを受けたという(ということは、間違いなく今回のイメージカットに使った写真のような巫女さんはNGなんだろうなあ… 神田明神さん、ごめんなさい)。

そこで、本来の巫女さんの姿を広く知ってもらいたいと考え、「巫女さん入門講座」を企画したというわけだ。告知後、募集定員を超える希望者が集まった。本著『巫女さん入門 初級編』は講座の内容を活かし、巫女さんと神社のいろはがわかりやすくまとめられた一冊だ。

巫女さんの仕事とは

そもそも、巫女さんとはどのような存在なのだろうか。かつて“神子(みこ)”と表記されていたこともあるそうだが、これは神様の命をいただいた子供という意味だ。そして、日本人の心のふるさとである神社を守る、大切な文化継承者でもあると解説されている。

巫女さんの衣装といえば緋袴(ひばかま)と白衣のイメージが強い。ところが、儀式によっては千早(ちはや)という上衣や、はたまた十二単(じゅうにひとえ)のような衣装をまとうこともある。曰く、儀式ごとに様々な美しい身支度をして、神様に奉仕するのが巫女さんの務めなのだという。

神社の境内を掃除したり、お守りを授与したり…という光景は、巫女さんの数多くの仕事のごく一部に過ぎない。神様に奉仕することで、神様の心を多くの人に伝えていくことが、巫女さんの重要な仕事なのだ。

巫女さんになろうと思ったきっかけ

本著は「巫女さんQ&A」と題して、実際に巫女さんとして働いている女性にアンケートを試みている。抜粋して紹介しよう。

まず、巫女さんを目指したきっかけは何だろう。「日本の文化に触れたかった」「たくさんの人に幸せになってほしいと思ったため」「一般の人よりも身近に神様にお仕えできるから」などの理由が並ぶ。言うまでもなく神道は日本独自の宗教であり、日本文化と深く結び付いている。伝統行事や礼儀作法に触れる機会が多い巫女さんは、日本の心を学ぶには最適な仕事といえるだろう。

また、巫女さんの仕事については「人の幸せのお手伝い」「心の手助けができる仕事」という回答があった。やはり、献身的で人に優しく接することができる女性が多いようだ。

神社の縁の下の力持ちといえる巫女さんの仕事について、「意外に肉体労働です」「根性と体力がある人が向いています」という回答があった。目につく仕事以外にも、電話対応やパソコンのデータ入力、祭典のたびに神職の装束一式を準備することもある。空き時間を使って、琴や舞の稽古をしている人も多いようだ。

笑顔が重要な仕事

最後に、巫女さんを夢見ている女性に対して、「笑顔を絶やさないでください」というアドバイスが印象的だった。

神社を訪れる人は職業も年齢も様々だ。なかには、すがるような思いで訪れる人もいることだろう。そんなとき巫女さんの笑顔を見て、心が洗われた、救われたという人は多いのではないだろうか。

神社の魅力を一言で言うならばオープンな空間であるということだ。私もライターの仕事をしていると徹夜でひきこもることが多く、精神が荒むことがしょっちゅうある。そんなときは神社に参拝にいきたいと思う。・・・決して巫女さん目当てではありませんが。

(文:元城健)

巫女さん入門 初級編

著者:神田明神
出版社:朝日新聞出版
東京・秋葉原の氏神様である神田明神で毎年夏に開かれ、巫女に興味のある女の子から、娘に日本文化を知ってもらいたい親まで、広い人気を誇る「巫女さん入門講座」を完全書籍化。巫女の仕事、礼儀作法、神道の基礎知識、巫女へのインタビューなどを、かわいいイラストを見ながら楽しく学べます! 本書で、マンガやゲームでは分からない、正しい巫女の知識を身につけましょう!!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事