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強迫性障害は思っているより身近なものなのかもしれない

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臨床的な意味で強迫性障害=OCDと診断されることはないと信じているのだが、小さなことが気になって仕方がない。大学の頃からOCD的な症状をうっすら自覚していて、それを自分なりに言い表すなら〝過確認症候群〟ということになるだろうか。筆者は、日常生活の中で確認を繰り返すシーンが多すぎると思う。

出かけるまでに時間がかかって仕方ありません

OCDの特徴として、電車に乗る時に手袋をはめたりガーゼを手に巻かないとつり革につかまれないとか、長い時間をかけて手を洗い続けるとか、きわめて限られた範囲を掃除し続けるといった行為が挙げられる。
筆者の場合、家電製品の電源を切ったか、ガスコンロの火が消えているか、そして玄関の鍵をかけたかがすごく気になる。だから、出かける前に最低3回は指さし確認しながら「エアコンよし。コンロよし。コーヒーメーカーよし」と言うことにしている。
それが終わって玄関の鍵をかけるわけだが、これもすんなりはいかない。ふたつある鍵をかけて、「閉めた」と言いながらそこそこの勢いでノブを引っ張る。ここまでやれば大多数の人が満足するはずだ。でも、マンションの外に出て最初の角を曲がったあたりで、「あれ? 電源は全部大丈夫だよな」なんていう思いがよぎってしまったら、もう、戻って確かめずにはいられない。
部屋に戻ると、スイッチはすべて切れている。もちろんコンロの火がつけっぱなしになっているなんていうこともない。再び同じ手順で確認して、もう一度戻って来なくてもいいように、1回目と同じ手順で玄関の鍵をかける。

駅まで行ったのに戻ることもあります

「いつも電源も大丈夫だし、コンロの火も消えてるし、鍵もきちんとかかってるだろ」
自信を持ってそう思えればいいのだが、なかなかできない。だから、結局戻ってしまうことが多い。
こんなこともあった。朝一番の便に乗るために羽田に行く時、タクシーに乗り込んでから玄関の鍵が気になってしまった。ああ、スイッチが入っちゃった。運転手さんには申し訳ないが、やっぱり確かめに戻らなきゃ。
マンションを囲む道路を一周してもらい、階段を駆け上がって鍵がかかっていることを確かめ、ダッシュでタクシーに戻った。
ごく単純な作業を確実にこなしたという自信が持てない状況は、とても疲れる。自分が確認疲れしてしまうし、周囲の人たちに迷惑をかけることが絶対にないとは言い切れないので、できるなら完全に治したい。

俺はOCDなのか?

ネットであれこれ調べていたら、anxietycoach.comというサイトを見つけた。このサイトでは、OCDが次のような言葉で定義されている。
〝繰り返し訪れる心配と、繰り返さずにはいられない儀式的行動。いつまでも拭いきれない疑念に支配される状態〟
あれ? 当てはまるな。こんな文章もある。
〝脳裏に浮かぶ疑念を身に迫った危険として察知し、それに反応する手段として、いつも同じ行動を取ってしまう〟
ふと浮かんだ思いが重大な脅威に感じられ、その場で対処せずにはいられなくなる。考えまいとすればするほど、その思いに支配されてしまう。反応の手段として、いつも同じ行動に出ることになる。

どうしたら確認を一度で済ませられるか

OCD的な症状を克服する過程で対処すべきものは、恐れていることがもたらすかもしれない実際の脅威―たとえばコンロの火を点けっぱなしにしておいて起きる火事―ではなく、恐れそのものと、それを緩和する働きがある儀式としての行動だ。
anxietycoach.comによれば、克服過程の出発点は、恐れを儀式的行為―筆者の場合は確認―によって抑え込んだり、打ち消そうとしたりするのではなく、むしろ恐れを積極的に認め、受け容れることだという。

とりあえずここから始めよう

知人に尋ねたり、ネットであれこれ調べたりする中で『あくびをすれば望みは叶う』という本を探し当てた。脳の〝りきみ〟をいかにして取るかというテーマについて書かれた一冊だ。筆者の場合、なぜか知らないが生まれてしまうりきみが恐れになって、確認行動を重ねることにつながっているのだろう。この本を読み終えた時、生まれる原因も含め、恐れを認めて受け容れる具体的なテクニックを知ることができた。解決へのきっかけになったことは間違いない。
まずは脳の脱力を心がけよう。りきんでいるだけじゃ、悪い方へ向かうだけだ。それがわかっただけでもかなりすっきりした。これからは、確認の回数が少しずつ減っていきますように。

(文:宇佐和通)

あくびをすれば望みは叶う

著者:鈴木絢士
出版社:青月社
脳を脱力すれば、何をやってもうまくいく! 脳の緊張状態をゆるめて、最高のパフォーマンスを発揮するために、脳科学の最新知見やバランスセラピー学が開拓してきた脱力方法のなかから、26の脱力メソッドを紹介する。

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