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たまごの黄身をしょうゆ漬けにするとメチャうまい

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飯の友。めしのとも。白米ごはんを食べるときに欠かせない「おかず」のことだ。人によって好みはあるが、誰にでも一品くらいは、それさえあれば何杯でも白飯を食べたくなるような、お気に入りの「飯の友」があるはずだ。

手間いらず系 飯の友

梅干し、佃煮、味のり、塩昆布、なめたけ、生卵、ふりかけ、等々。日本中どこでも買うことができて、思い立ったらゼロ秒で白ごはんにライドオンできる簡単おかずが「手間いらず系」だ。

懐具合によっては、1回の食事をそれだけで済ませることが可能なので、あえて「ビンボー系」と呼ぶこともできる。明太子(タラコ)、塩辛なども含まれるが、近ごろは安くないので、ここでは「酒肴系」に分類させていただく。

ひと手間かける系 飯の友

白いごはんには漬け物がほしくなる。近所のコンビニでも入手できるので、漬け物は「手間いらず系」に含めることもできるが、あえて「ひと手間かける系」に分類したい。

たとえば、大根やキュウリや白菜の浅漬け。塩もみだけでも十分にライスフレンドリーな一品に仕上がる。けれども、塩昆布などをチョイ足しすることによって、まったく異なる味わいになる。唐辛子や粉山椒をふりかけてもイケる。漬け物は、ひと手間をかけたほうが断然おいしくなるのだ。

味噌(みそ)も、日本人にとっては欠かせない飯の友だ。料理に慣れていない人は、味噌汁に使うだけで持てあましているのではないだろうか?

常備系 飯の友

とりあえず、青シソの葉をご用意いただきたい。生の味噌に、細かくきざんだ青シソを混ぜるだけで、おいしい飯の友ができあがる。できれば「こしみそ」よりも「豆粒がのこっている手づくり味噌」で作ったほうが、おいしい。粗くきざんだミョウガを混ぜてもイケる。

人間の友だちがひとりもいなくても、「キング・オブ・ライスフレンド」すなわち「常備菜」さえあれば、人生をどうにか乗りきれるのではないだろうか。ひじきと油揚げの炒め煮、きんぴらごぼう、肉そぼろ。

ほかにも「たまごの黄身のしょうゆ漬け」という飯の友があるらしい。ごはんのおとも』(たな/著)という漫画で知った。ひと手間かける系のライスフレンドだ。とても簡単なのでレシピを紹介したい。

黄身のしょうゆ漬けレシピ

用意するのは、卵の黄身、しょうゆ、小さめの器、以上。作り方は「小さめの器に卵黄を入れ、ひたひたにしょうゆを注ぐ。ラップでふたをし、冷蔵庫で一日漬けてできあがり」たったこれだけでOK。

漫画『美味しんぼ』に、黄身の味噌漬けという料理があった。美食を追求するお話なので、大量の高級味噌やらガーゼやらを用意しなければならず、読んでいた当時は「うまそうだけど作るのがめんどくさい」と思って試さなかった。

でも、今回ご紹介した「たまごの黄身のしょうゆ漬け」なら、簡単に作れそうだ。それ以外にも本書では、おもに「ひと手間かける系」飯の友をレシピ付きで紹介している。

ごはんのおとも』という題名のとおり、米飯と相性が良いおかずにまつわる人間ドラマを描いている。私は食いしん坊なのでこの手のジャンルを好んでよく読むが、本書は、どうやら一般的なグルメ漫画とは趣を異にするようだ。読み終えたあと、ふしぎな感慨にひたってしまった。

たかがグルメ漫画、されどグルメ漫画

長編漫画を読んでいると、まるでランナーズハイのような多幸感をおぼえることがある。本書は、1巻で完結している短編連作だが、ユートピアの箱庭を一望しているような充足感を得られる。そういう作品だ。

特筆すべきは、エピソードとエピソードの幕間に置かれた「ある仕掛け」だ。

名前も事情もわからない男の子と女の子の情景が、時と場所を変えながら、すこしずつ読者に提示されていく。本書を読み進めていけば、やがて二人の秘められた関係性が明らかになる。小粋な演出だ。

いちど読み終えたときには「さっぱりわからない」と思った。しかし気になったので何度も読み返してみたところ、ある瞬間からわかるようになった。

グルメ漫画というジャンルの「浸透と拡散」

往年の大ヒットグルメ漫画といえば「対決もの」が主流だった(包丁人味平、ミスター味っ子、将太の寿司、美味しんぼ)。しかし、近年のグルメ漫画は、バトル一辺倒から脱して、あらゆるシチュエーションを物語に取り入れている。

その傾向は、かつて「グルメ」と呼ばれていた嗜好や消費行動が、わたしたちの日常生活にすっかり溶けこんでしまった事と無関係ではない。コンビニや外食チェーン店では、毎週のように新製品や新メニューがあらわれては消えていく。現代人は、常に「うまそうなもの」を探している。

近年のグルメ漫画ジャンルの盛り上がりは、70年代の日本SFにおける「浸透と拡散」を彷彿とさせるような勢いがある……というのは言い過ぎだろうか。とにかくグルメ漫画はよく売れている。

ちなみに、1979年に放映された機動戦士ガンダムでたとえるならば、『孤独のグルメ』原作者の久住昌之は、ガンダムでいうところの富野由悠季に相当する。

(文:忌川タツヤ)

ごはんのおとも

著者:たな(著)
出版社:実業之日本社
これさえあれば、何杯だって食べられる。わが友、ごはんの友。たまごの黄身のしょうゆづけ×独身男子。しそみその焼きおむすび×女子大生。なすの浅漬け×おばあちゃん。セロリのじゃこ炒め×おじいちゃん。とりそぼろ×料理人……路地裏の料理店「ひとくちや」にあつまる人たちを、心まであたためる8つのしあわせレシピ。しあわせの笑みがこぼれるフルカラーコミック。

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