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”バケツを蹴る瞬間”の満足度を最高レベルにする

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2008年5月に公開された『最高の人生の見つけ方』というハリウッド映画をご存知だろうか。余命6ヶ月を宣告された二人の男性(ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマン)が、死ぬまでにやっておきたいことを手あたり次第にこなしていくというストーリーだ。
この映画の原題は、死ぬ前にしておきたいことのリストを意味する『The Bucket List』という。Kick the Bucket=バケツを蹴る=死ぬというスラングにちなんだタイトルのようだ。バケツを蹴ることと死ぬことがどう関係するのか。それは、自ら命を絶とうとする時に、首にロープをかけた後、踏み台代わりにしていたバケツを蹴る場面から派生したというかなり不吉なビジュアルの表現にある。

無人島問題

「無人島に三つだけ持っていくことが許されたら、何を持っていくか?」という無人島問題。4月8日に放送されたテレビ朝日系の『マツコ&有吉の怒り新党』でも、これがトークのお題のひとつになっていた。無人島でのサバイバルという共通の目的を達成するための有吉さんとマツコさんそれぞれの方法論の違いが面白かった。
無人島問題に加え、冒頭で紹介したバケット・リストそのままの選択を迫る”あと〇日しか生きられなかったら”シリーズもある。『NAVERまとめ』というサイトで2014年12月17日に公表されたアンケートでは、上位の回答が以下のようになった。
1.好きなものを食べる
2.気持ちを伝える
3.普通に過ごす
4.見られたくないものを処分する
5.自殺する
最後は好きなもので胃を満たして安らぎを得たい人が多い、ということなのだろうか。

死刑囚が最後に望んだ食べ物

『LAST SUPPERS: FAMOUS FINAL MEALS FROM DEATH ROW』という、アメリカの死刑囚が最後の晩餐として選んだメニューだけを集めた本がある。アメリカでは、現在も死刑を実施している32州のほとんどで人生最後のメニューをリクエストできる。
やはりと言うべきか、一番人気はハンバーガーで、中でもダブルミート・パティにダブルチーズという組み合わせが圧倒的に多い。フライドポテトも付けて、スライスしたトマトの厚さやピクルスの枚数まで指定する、トッピングにものすごくこだわる死刑囚もいた。
もうすぐ死ぬというのに、ダブルミート・ダブルチーズのハンバーガーなんていうこってりしたものが喉を通るのかと思うが、ほとんどの死刑囚が一気食いに近い勢いで平らげたという。その反面、コーヒーやダイエットコークを少しだけすすって終わるというケースもあった。

死ぬ前に後悔すること

しないままで終わってしまうことも、”その瞬間”の大きなウェイトを占めるにちがいない。こちらも『NAVERまとめ』で2014年12月16日に発表された「死ぬ前に後悔する(だろうと思われる)こと」リストでは、ベスト5が次のようになった。
1.愛する人に「ありがとう」と伝えなかったこと
2.おいしいものを食べておかなかったこと
3.自分が生きた証を残さなかったこと
4.やりたいことをやらなかったこと
5.行きたい場所に行かなかったこと
どれも特別困難なこととは思えない。だからこそ、命が尽きる瞬間を迎える直前まで気づかないということなのだろうか。

筆者のリアル体験:真夜中すぎのベスト3リスト

筆者は、20代半ばの頃に5か月ほどの入院生活を余儀なくされた。昼間は検査とか、同室の患者さんのお見舞いがあったりしてそれなりに時間が過ぎるのだが、たまらないのは夜の9時の消灯後、朝日が射し込んで来るまでの10時間あまりだ。
若い頃の入院生活は自分だけ世間から置いて行かれたような気になって、起きている間は言葉にならない焦りを感じ続けなければならない。夜になってもどうにも目が冴えてしまって、そういう状態では昼間は全然気にならない音に対しても敏感になる。そうした音の一つひとつに耳を傾け、時にびくっとさせられ、廊下の蛍光灯の光にぼうっと照らし出される天井の細かい凹凸を目で追いながら朝日が昇るのを待つ時間の長さ。これは、入院体験がない人にはわからないだろう。
退院したらどんな映画を見ようとか、何を食べようとか、どこに行こうとか、ありとあらゆるジャンルでベスト3のリストを作ってしまうのだ。『』

シンクロニシティとは言わないけれど…

今日が、人生最後の日だったら。』の著者である千田琢哉さんも、大学3年生の夏に心臓病で入院され、その体験が人生観を変える転換点となったそうだ。まえがきからのめり込み、そのまま最後まで一気に読んでしまった。この本には、シンクロニシティに似た特別の思いを感じる。今の自分が健康で仕事をさせていただいていることへのありがたさ、そして、入院していた時の焦りを忘れないための大切な一冊だ。
バケツを蹴る瞬間は、誰にでも必ず一度だけ訪れる。その時、自分らしくいられた時間が長かったと感じられるように、したいと思うことはすぐにしておいたほうがいいに決まっている。

(文:宇佐和通)

 

 

今日が、人生最後の日だったら。

著者:千田琢哉
出版社:学研パブリッシング
生きているから、やっておきたいことがある。生きているから、伝えたい言葉がある。あなたは今日を、精一杯生きているだろうか?どうせ生まれてきたのだから、人生最後の日に笑って死ねる自分でいよう!20代のカリスマが提案する、人生完全燃焼の法則。

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