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世界的カメラメーカーであるニコンが持つ数々の伝説

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かつて、日本のお家芸と言われてきたモノづくり・製造業の分野だが、海外勢との競争が熾烈になっており、日本が誇るソニー、パナソニック、シャープなどの世界ブランドの勢いが失われつつあると言われる。
そんな時代であるにもかかわらず、未だに日本企業が世界市場を席捲している製品がある。デジタル一眼レフカメラだ。

日本企業が圧倒的に強いデジタル一眼レフカメラ

カメラ映像機器工業会の発表によると、現在、スマートフォンに押される形でカメラの販売数は減少傾向にあるという。ところが、高級品であるデジタル一眼レフカメラは減少傾向にあるものの、依然として根強い人気がある。観光地に行くと、老若男女問わず首からカメラをぶら下げている光景はよく目につく。
このデジタル一眼レフカメラの分野、ニコンとキヤノンという2大企業だけで、世界市場のシェア8割前後を占めているのだ。ニコンにの調査によると2014年3月時点でシェアの約34%、1678万台を出荷しているという。
ちなみに、このコラムの筆者はキヤノンユーザーである。そんな筆者から見ても、ニコンの製品はかっこいい、うらやましいなあと感じることは多い。それは、ニコンというブランドが持つ数多くの伝説が影響しているのかもしれない。

戦後、一躍名声を高めたニコン

ニコンは日本光学工業という社名で大正6年に創業した。戦前は戦艦大和の15m測距儀などの軍需製品を多く手がけていたが、戦後になって、平和産業であるカメラづくりを本格化させた。とはいえ、当時は国際的な知名度はほとんどなかったし、高級カメラといえばドイツのライカなどがその地位を占めていた。
名声を高めることになったのは、朝鮮戦争を取材した報道カメラマンのデイヴィッド・ダグラス・ダンカンだ。撮影した写真の解像度の高さを絶賛したダンカンによって、ニコンのレンズ性能の優秀性が広く知られることになった。
その後、昭和34年に発表されたニコンFは、プロ仕様の一眼レフカメラとして歴史的な存在だ。昭和39年に開催された東京オリンピックでは数々の名場面をフィルムに収めた。こうして“報道のニコン”のイメージが定着し、ニコンは不動の地位を築いたのである。

“伝説”こそがトップブランドの証

世の中にはブランドが星の数ほどあるが、“一流”と呼ばれるブランドには“伝説”がつきものだ
ニコンのカメラは堅牢でタフだといわれる。タフさを物語るエピソードには事欠かない。たとえば、海外の取材の現場で、あまりの寒さで他社のカメラが故障して動かなくなっている中でもニコンだけは問題なく動いていた。ジャングルの取材で川にニコンのカメラを落としてしまったが、乾燥させたら問題なく動いたなどなど。
言うまでもなく、これらのエピソードは偶然に起こったことかもしれないし、誇張されて伝わっている面もあるに違いない。しかし、伝説が語られることに、ニコンユーザーのブランドへの信頼感を感じ取られる。ニコンのカメラを触らせてもらうと、がっしりとした造りでいかにも男好みで所有欲をくすぐるデザインだが、そのブランドの背景にあるストーリーに惹かれて手にする人も少なくないのだろう。

社員もユーザーもニコンが大好き

絶対ニコン主義!なぜ僕たちはNikonに魅了されるのか』という、この本のタイトルからしてニコンというカメラには熱心なファンが多いことがわかるだろう。
ニコンは社員の愛社精神も非常に強いと言われ、新入社員の退社率も極めて低いことで知られている。こういった愛社精神を支えているのも、ニコンが持つ数々の伝説なのかもしれない。

(文:元城健)

絶対ニコン主義! なぜ僕たちはNikonに魅了されるのか

著者 :マニュアルカメラ編集部
出版社:エイ出版社
頑丈で格好よく、そしてメカっぽい魅力にあふれている。金属製品の精密感を極めたような感触。頑固一徹!多くの人々を魅了し続ける往年のニコンカメラのメカニカル&マニュアルな真髄を全方位から徹底詳解。

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