ハウツーが満載のコラム
文字サイズを変更する

とりあえず “模擬起業” で楽しく倒産してみれば?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

もしも少しでも起業に興味があるなら、まずは『模擬起業』を読んでみてはいかがだろうか。この本はその名の通り、起業がシミュレーションできる。と言ってもそんなに詳細は内容ではないが、分岐点の決断によって未来が変わっていくという流れが楽しく体感できるはずだ。なぜなら、この本の構成が“ゲームブック”に似ているから。

ゲームブック (Gamebook) は、読者の選択によってストーリーの展開と結末が変わるように作られ、ゲームとして遊ばれることを目的としている本である。媒体により「アドベンチャーゲームブック」、「アドベンチャーブック」とも呼ばれる。

(「Wikipedia」より引用)

つまり『模擬起業』も、自分の決断に応じてストーリーが変化。エンディングが38パターンも用意されている。アドベンチャーゲームやロールプレイングゲームのような感覚で読めて、非常におもしろい。

そのおもしろさは言葉で書いても伝わりづらいと思ったので、ちょっとしたプロローグ版を作ってみた。早速…

〈甲〉:起業に興味がある ▶【A】
〈乙〉:起業に興味はない ▶【H】

【A】

友人から、一緒に起業しないかという話が舞い込んだ。内容的には賛同でき、自分の経験や能力も活かせそうだ。そこで…

〈甲〉とりあえず行動に移して起業する!! ▶【B】
〈乙〉まずはチームを固める ▶【C】
〈丙〉会社を辞めるのは時期尚早だし、リスクもありそうなので見送る ▶【D】

【B】

プロジェクトの価値を高めるためには、ビジネスプランを練る必要がありそうだ。とはいえ、時間をかけ過ぎても他社に先を越されるかもしれない…

〈甲〉ビジネスプランを徹底的に掘り下げる ▶【E】
〈乙〉ベンチャーキャピタルに相談するのが近道 ▶【F】
〈丙〉起業に関して詳しそうな友人に相談してみよう ▶【G】

【C】

ビジネススクールの求人募集やSNS、ポータルサイトなど活用しつつ、友人や知人にも声を掛け、メンバーの募集を行った。応募者数は予想を上回ったが、選考プロセスが上手くいかず、想像以上に時間を要してしまった。簡潔に言えば、本当にマッチする候補者がなかなか現れなかったのだ。最終的には数名にまで絞り込んだが、経験や実績、性格や志望動機もさまざま。そこから1人を選ばなくてはならない。そして、誰を採用するかでチームは大きく変わっていく。詳細は『模擬起業』を読んでほしい……。▶【I】

【D】

準備万端の起業というのは稀有。しかも、これは現実ではない。空想の中でさえチャレンジできいない保守的な性格のあなたは、起業には向いていないようだ。▶【I】

【E】

2ヶ月を費やしてビジネスプランの中身を詰めていった。シンプルかつわかりやすい構成で、ポイントを抑えた計画が必要だったからだ。目標が明確なら、今後の戦力決定や営業ツールとしても活用できるはずだ。ただし、まだまだ充実できる余白もある。そこで、類似のスタートアップと比較するか、顧客との対話を通して販売予測の精度を上げるか、この段階で実行に移すか……といった選択肢が浮上。詳細は『模擬起業』を読んでほしい……。▶【I】

【F】

ベンチャーキャピタル協会に問い合わせ、投資基準や投資家のプロフィールといった情報を入手。投資家たちにコンタクトを取ってみると、プロジェクトの弱点をすべて洗い出された。あまりに指摘が多く、2人は意気消沈し、戦意喪失。そんなに複雑なプランが最初から本当に必要なのだろうか……。詳細は『模擬起業』を読んでほしい……。▶【I】

【G】

友人にビジネスプランを説明すると、考えてもいなかった支出や経費を次々と挙げてくれた。ほかにも、収益に関する指摘があり、それはより深刻な内容だった。2人で作ったビジネスプランは、何も描いていなかったに等しい。作り直しを余儀なくされ、気分は落ち込むばかり。単なるアイデアなのか、ビジネスチャンスなのか。それを見極めるためにも、現実と照らしあわせたビジネルプランが必要だ。詳細は『模擬起業』を読んでほしい……。▶【I】

【H】

このコラムおよび『模擬起業』を読む必要性はあまりなさそうだ……。 ▶【I】

【I】

一説によると、創業した企業の廃業率は1年間で30~40%、3年間で70%程度。10年後には80%〜90%以上の会社が姿を消しているという。破綻する可能性が高いのであればなおさら、『模擬起業』でバーチャルに何度か倒産しておいて、その失敗から自分の短所や足りない部分を把握すれば、成功率は上がるはずだ。

たとえ起業にあまり興味がない人でも、ゲーム感覚でRPGのように起業が楽しめ、会社経営という未知の冒険へ連れ出してくれる本書。肝心な内容の方も、コンサルティング会社の創業者にしてビジネススクールでも講師を務めるヨアン・リエラ氏に加え、2つのコンサルティング会社の共同創業者であり多くの組織で顧問も務めるトマス・ソレル氏の共著ということで、非常に現実味がある。

さらに、ベストセラー『お金持ちの教科書』などで名高い加谷珪一氏が監修し、個人投資家でもある円田 藍氏が翻訳。巻末には用語解説も収録し、会社経営に必要な知識と教訓がわかりやすくまとめられた教科書ともなっている。

ちなみに個人的には、電子書籍で読むのがお勧めだ。岐路で選択した後、次の項目へと瞬時に移ることができるから。

(文:平 格彦)

模擬起業 あなたの経営センスを試す起業シミュレーションブック

著者:ヨアン・リエラ、トマス・ソレル、加谷珪一 (監修)、円田 藍 (訳)
出版社:CCCメディアハウス
本書は、読者であるあなたの決断によってストーリーが展開し、38パターンの異なる結末へと導かれます。 主人公は、ある日、古い友人から起業の誘いを受ける。かねて自分の手でビジネスを始めたいと願っていた主人公は、友人とともに、新たなチャレンジをする決意を固める。 その後、主人公は、会社経営におけるさまざまな場面で《決断》を迫られる。 資金調達、経営戦略、マーケティング、財務、業務運営、人材管理……会社の運命を左右する重要事項もあれば、日々のささいなトラブルにすぎないように思えるものもある。 岐路に立たされた主人公の前には、いくつかの選択肢が提示される。 主人公が進む道を選ぶのは、読者。自分ならどうするか、どれが最も適切な選択肢なのか、《決断》を下さなくてはならない。 その決断に従って、主人公は新たな行動をとり、ストーリーは進む。 ひとつの《決断》によって、思いもよらぬ展開が待ち受ける。選択をあやまれば、会社だけでなく、人生さえも危機にさらされる。 はたして、主人公の会社は成功を収められるのか、それとも……? 会社経営に必要な知識と教訓が、ゲーム感覚で身につく画期的なスタートアップの教科書。 あなたの起業物語は、どんな結末を迎えるのか……ぜひ、ご体験ください。これは、あなたの物語です。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事