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いくつになっても、女子の世は戦国時代

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息子が通う幼稚園や近所の公園で、いろいろな子どもに出会って思う。たかだか3~4年しか生きていないのに、こうも男女で違いが生じてくるものかと。特に女子は顕著だ。仲良しグループを作り、常に行動を共にする。互いの持ち物をチェックし、褒め合う。もう!男子ってばコドモよね!的な視線を投げかける。お気に入りの男子への接し方、その親への媚び方。たまに背筋が寒くなるほどの女子力を持った女児に出会うことがあり、いい年した私なぞ完全に敗北……幼子とはいえ、女子はすでに女子なのだ。

女子の世界は、ややこしい

そんな女子の世界、いくつになってもなにかと「ややこしい」。
どうしても群れたがる性質の女子たち。一見平和そうに見えても、水面下では互いを批評・比較しあう。ちょっと他人よりも目立つだけで妬み嫉みの対象となり、時としてイジメにまで発展してしまったり。とりわけ、インターネットやスマホが普及した現代の女子中高生の世界では、ブログやらSNSやらLINEやら、学校以外でも常に友達との関係に気を遣わなくてはいけないようで、かつて以上に生きにくい世の中だろうなぁ。スクールカーストなんて言葉も使われるようになったくらいなのだから。なんだか可哀想になってくる。

ややこしい世界を上手く行き抜くには

女子の世界をするするっとうまく生き抜く処世術みたいなものって、ないだろうか? ……なんて思っていたら、出会った。辛酸なめ子著「女子の国はいつも内戦」に。どうやらこの本、文庫版になる前は「14歳の世渡り術」というサブタイトルがついていたようで、実際に女子の格差社会の渦中にいる悩める女子学生たちに向けた、女子社会での生き残り方・処世術の指南書である。
「派手系」、「ふつう系」、「真面目系」、「カルチャー系」、「オタク系」に中学生女子をグループ分けし、それぞれのグループの特徴と関係性を徹底解剖。公立か私立かでも微妙に女子たちの性質は違うようで、そのあたりも実際に女子学生たちにインタビューした上で、それぞれの世界での世渡り術を紹介。ヒエラルキーの上位に立つための処世術レベルをチェックする設問もあったりする。さらには、教師や男子たちにも取材をし、はたまたアメリカやドイツなど海外での女子たちの人間関係においても考察していて、大人が読んでも興味深い。

私自身、学生時代には人並みに友人関係で悩んだり、どちらかというと特定のグループに属さない方だったが故の、たまに感じる孤独感や疎外感と戦っていたので、あの頃に本書と出会っていたら、もう少し上手に女子社会を渡っていけたかもなぁ、なんて遠い昔を思い出したり……。

大人の世界にもあります、女子同士のモヤモヤ感

とはいえ、女子の「ややこしい」世界は、大人になっても存在する。職場にて、近所にて、ママ友間にて。少し前、女性同士の「マウンティング」をテーマにしたドラマが流行っていたっけ。もしかすると、外見と性格、勉強の出来不出来だけが判断基準だった学生時代とくらべて、大人になると、出身校、仕事、彼氏、結婚していれば旦那の職業、出産などなど、さらなる判断基準が加わるため、格付けは複雑化する。よけいにややこしくなるのである。
この点については、辛酸なめ子氏もこう述べている。

女子の取材でもうひとつわかったのは、何歳になっても優越感に浸りたいのは、女の性。よっぽど達観した修道女的精神の持ち主でもない限り、女性は常に心の中では他者と自分を比較し、相対的に自分のボジションを確認しているのです。(中略)
そして、女性は、自分が優越感を抱いている相手には優しいのです。ただ、相手の存在(ルックスや才能や社会的地位など)が自分を脅かしかねないと感じると、集団で結託して笑いのネタにしたり貶めようとする習性が……。
(「女子の国はいつも内戦」より引用)

いやー、女って大変だなぁ……と他人事の男性陣。会社の女性社員の悩み相談のため、彼女や妻の気持ちを理解するため、思春期の娘の気持ちを惹きつけるためにもピッタリの一冊なので、ぜひ興味本位でもいいから女の世界を垣間見てほしい。そしてその上で、声を大にして言いたい。女子って、大変だけど、楽しいよ!

(文・水谷 花楓)

女子の国はいつも内戦

著者:辛酸なめ子
出版社:河出書房新社
女子の世界は、今も昔も、格差社会です…。幼稚園の年長で、早くも女同士の人間関係の大変さに気付き、その後、進学した女子校で多感な時期を過ごしてきた著者が、この戦場で生き残っていくための処世術を大公開!対人関係に悩む学生も大人も、必読の一冊!

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