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ウイニングイレブン愛を通じて想う2018年ロシア大会

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『ウイニングイレブン』というサッカーゲームをご存知だろうか? 1995年7月にシリーズ第1弾が発売され、2014年11月発売の最新バージョンまで、20年にわたってロングセラーになっている”神ゲー”だ。神ゲーたるゆえんは、戦術システムやフォーメーション設定の緻密さ、操作のスピード感、ユーザーの意図の反映度の高さ、そして各選手のゴール後のパフォーマンスまで再現されたリアリティにある。”ウイイレ者(もの)”と呼ばれるハードユーザーがネット上で熱い戦術論を戦わせ、日本語サイトにも外国からの書き込みがあるほど欧米での認知度も高い。
ウイイレ者歴18年の筆者がシリーズの中で一番気に入っているPS2対応の『2010』は、やり込み始めてすでに6年が経った。ウイイレ者なら誰でもすることだが、自分だけのサムライブルーを作り、ゲーム初期設定で登録されていない選手はエディット機能で作り、もれなく代表に選出してきた。こうして作ったチームで過去の大会を何回もシミュレートし、来るべき大会での戦術やフォーメーションを徹底的に検討する。ちなみに、2014年ブラジル大会編シミュレーションでは準々決勝でオランダに負け、ベスト8で終わった。

 キーワードで振り返る代表監督の系譜

気がつけば、2018年ロシア大会に向けてのアジア2次予選開始まで1カ月あまりしかないではないか。いかん。本腰を入れてシミュレーションモードに突入しなくては。
日本が本気でワールドカップの本大会出場を目指し始めてから20年以上が経過した。その間、記憶に残る代表監督が何人かいた。キーワードで振り返ってみたい。
1992年、初の外国人監督として就任したハンス・オフトを象徴するひと言は、おそらく日本サッカー史で最も悲しい出来事だった“ドーハの悲劇”だ。1994年のアメリカ大会に向けアジア最終予選まで駒を進めたが、最終戦の対イラク戦で90分を過ぎても2-1でリードしていたのに、最後のワンプレーで同点とされ、予選敗退が決まった。
1998年フランス大会に向け、1994年から約3年間指揮を執った加茂周監督は、“ゾーンプレス”という画期的な戦術を持ち込んだ。それと同じくらい有名になったのが、2000年代に入っても言われ続けることになる“決定力不足”というフレーズだ。結局、途中解任されてしまった加茂監督の後を引き継いだ岡田武史監督が“ジョホールバルの歓喜”で初のワールドカップ本大会行きを決めた。
アジア圏開催となった2002年ワールドカップ日韓大会で指揮を執ったフランス人監督フィリップ・トルシエは、3人のディフェンダーを一列に並べてラインを保つ”フラット3”という戦術名を瞬く間に浸透させた。ベスト16という成績は、もっと評価されてもいいのではないか。
そして、ばたばた感が否めない空気の中で就任したヴァヒド・ハリルホジッチ監督は、これから2018年の本大会までの間、どんなキーワードでチームを率い、サポーターを引っ張って行ってくれるのだろうか。

ハリル・ジャパンの連勝発進

新体制初戦の相手は、チュニジア代表だった。もちろん両チームのメンバーはすっかり変わっているが、2002年日韓大会の予選グループリーグでは2-0で勝った相手だ。そして13年後に行われた再戦も、岡崎選手と本田選手のゴールで2-0の快勝。チームはいい感じのまま大分から東京へ移動し、次のウズベキスタン戦では5-1というウイイレでもあまりない展開で大勝した。ミッドフィールダー青山選手の強烈かつコントロールの利いたミドルシュート、そしてまちがいなくプラチナ世代のリーダーになるだろう宇佐美選手の代表初ゴールは、サポーターへの鮮烈なメッセージとなったはずだ。 勝ち試合の後は、監督も選手も饒舌だった。まあ、5点も取ったんだから当然だ。

さて、この試合でも大活躍した選手たちが発した、印象に残る言葉を一冊にまとめた本がある。

それぞれの選手がそれぞれの言葉で語る”伸びしろ”

『サッカー日本代表 未来を作る言葉』では、ロシア大会でプレイヤーとしての円熟期を迎える本田圭佑選手、サイドバックをかっこいいポジションにした内田篤人選手と長友佑都選手、ファンタジスタ特有の空気をまとう清武弘嗣選手、そして一列目でも二列目でも輝きを放つ香川真司選手など、ロシア大会でチームの核となる選手たちが、ピッチの内外で発した言葉が集められている。
筆者としては、サッカー日本代表選手の言葉で勇気づけられようとか、日々の生活や仕事で役立てようという気持ちより、この本でひたすら盛り上がり、ひたすら心躍らせたい気持ちのほうがはるかに強いのだ。
ロシア大会に向け、われわれサポーターには何ができるのか。何を期待し、何を覚悟すべきか。おそらく最初にすべきなのは、プレイヤーが投げかける言葉を受け止め、反芻し、吸収することだ。
そして筆者が今夜もできるのは、ウイイレでさらなるシミュレーションを重ねることにほかならない。さあ、この原稿を書き終えたから、15分後にキックオフ!

(文:宇佐和通)

 

 

 

サッカー日本代表 未来をつくる言葉

著者:児玉光雄
出版社:サンクチュアリ出版
日本代表戦士の心に響く名言をスポーツ心理学で徹底分析。 現サッカー日本代表は過去最強のチームとの呼び声が高い。 彼等はなぜ勝利してきたのか、秘密はその思考法にあった。自身の力でポジションを築き上げた現代表の戦士たちは、だからこそ自分の言葉を持っている。そんなプレーヤーたちの至言の言葉を選び抜き、スポーツ心理学によって徹底分析したのが本書である。

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