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人身事故!!都市伝説!?アングラな鉄道業界のひみつ

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列車にまつわるこんな噂をご存知だろうか。

それは2005年4月25日、午前9時過ぎに発生したJR福知山線の事故でのこと。
快速列車がオーバースピードのままカーブに進入し、曲がり切れず、先頭車両が左側に転倒するように脱線。線路脇のマンションに激突し、死者数107名、負傷者562名を出す歴史的大惨事となった。

この事故の直前に、列車に乗ろうとした乗客が「乗ってはいけない」と見知らぬ老婆に引き止められたというのだ。その後、ホームで事故のアナウンスを聞いて振り返ると、すでに老婆の姿は消えていたという。

思わず背筋がゾッとするような話だが、このような列車にまつわる不思議な話は多い。
今回は鉄道業界にまつわるミステリアスな話をお伝えしたいと思う。

人身事故の歴史=鉄道の歴史

列車には人身事故がつきものだ。というのも、世界で初めて鉄道が開業した日に人身事故が起きている。つまり、人身事故の歴史は鉄道の歴史とともにあるといってもよいだろう。

人身事故は大きく分けて2種類ある。ひとつは「鉄道人身傷害事故」。誤ってホームから転落したりドアに挟まれて引きずられたりして起こる事故で、人身事故といえばほぼこれにあたる。一方、踏切を無理に横断したり、渡り切れずに列車に衝突するのは「踏切傷害事故」と呼ばれる。

国土交通省の統計によれば、平成24年度の鉄道人身傷害事故は429件、踏切傷害事故は294件発生している。死亡事故件数は前者が172件、後者が121件となってる。さらに、これ以外に鉄道自殺がある。年間600件程度の発生件数で推移しており、平成24年度は631件(未遂も含む)となっている。つまり、日本のどこかで1日3〜4件の鉄道に関する事故が発生しているのだ。

人身事故は誰が処理する?

人身事故では、事故の当事者が生存していれば約30分、死亡事故なら1時間〜1時間半というのが運転再開までにかかる時間の目安となる。

死亡事故の場合、バラバラに散らばった遺体を集めるのはほとんど駅員の仕事だ。警察はあまり手伝ってくれない。一部の駅員たちはこの作業をレミーの絵画にちなんで落穂拾いと呼んでいる。みんなでいっせいに拾い集める光景は凄まじいものがあり、とてもほのぼのとした雰囲気ではないのだが。
その後、遺体は警察が検視用に必要なため回収するが、頭部や両手・両足など大体揃っていればそれでよく、すべて拾い集める必要はない。
大きい肉塊は持っていかれるものの、細かい肉片はそのまま残されているのだ。そもそも、細切れになった肉片をすべて集めろと言われたらいつまでたっても復旧できない。ご想像にお任せするが、稀に駅にはとんでもない落し物が届くことがあるという。

また、事故車両は細部の点検と飛び散った肉片の掃除、割れた窓ガラスや変形したパーツの修復、高圧洗浄機で水洗いなどを経て、早ければ事故の数時間後には何事もなかったように通常運行に戻ってくる。もしかすると、今日あなたが乗る帰宅時の電車は朝に起こった人身事故の車両かもしれない。

列車にまつわる都市伝説

人身事故でバラバラに散らばった遺体を集めるアルバイトの噂を聞いたことがあるだろうか? 通称マグロ拾いと呼ばれるこのバイトは、公然と募集されているわけではなく、知り合いの警察官から声を掛けられて仕事が回ってくるというのだ。報酬も高額で、1件数万円を受け取ることができるらしい……。しかし、前述のとおり、遺体を集めるのは駅員たちの仕事であり、実際にはこのようなアルバイトは存在しない。確かに、いつどこで発生するかもわからない事故のために、各鉄道会社が常にアルバイトを待機させておくということは考えにくいことだ。このような、列車にまつわる都市伝説をいくつか検証してみよう。

 

鉄道自殺などで電車を止めてしまったら1億円請求される。
よく聞く噂であるが、一般的に駅や線路で起こる死亡事故は、遺族が損害賠償を請求される可能性は必ずある。鉄道事故で請求されるのは振替乗車票の清算代金や駅係員の人件費、電車が破損した場合の修理費などだ。大台では確かに都市伝説で言われているとおり、1億円を超える可能性はあるが、和解に至るケースが多く、実際には概ね100万〜200万前後となる。

 

某地下鉄に存在する秘密の部屋
世界有数の密度と複雑さを誇る東京の地下鉄は、駅員でも構内を把握することが困難だ。そのため、開かずの扉があちこちに存在するといわれており、地下鉄N駅にも長いエスカレーターの上に謎の部屋がある。しかも、駅の所管ではないため立ち入ることができず、その向こうに何があるか駅員でも想像がつかない。さらに、駅の構内図を見るとその部屋は空白になっているという。N駅に来ることがあればエスカレーターの上を見上げてみて欲しい。

 

死者が呼ぶ"自殺のホットスポット"

自殺者が絶えないスポットは各地に存在する。山梨県の青木ヶ原樹海や栃木県の華厳の滝などが特に有名だろうか。
鉄道自殺ではかつて”あの世とこの世の架け橋”と揶揄されたJR中央線がその代名詞だった。しかし、近年ではJR総武線・新小岩駅が"自殺のホットスポット"となりつつある。

そのきっかけは2011年7月12日に発生した飛び込み自殺だった。
成田空港発大船行きの成田エクスプレスに女性が飛び込み、ホーム上に跳ね飛ばされ、5メートル離れたガラス張りの売店「キオスク」に突っ込み死亡した。なぜかこの事故を皮切りに連鎖が始まり翌日には50代の男性が飛び込み轢死。その後、ほぼ1ヶ月に1件ペースで発生し11年の死者は8名に上った。以降、毎年自殺者が絶えず、2015年3月にJR東日本はついにホームドアの設置を発表した。ほかにも、鉄道自殺ではほとんど知名度がない地元の人しか知らないような場所で自殺が相次ぎ発生することがあり、しかし連鎖する理由がわからず、死者が呼ぶと考えるしかない。

このように、私たちが普段知ることがない鉄道業界にまつわるミステリアスな話を紹介してきたが、じつは当サイト読者のために少々抑え気味に綴っている。もっと不可思議で怖い話を知りたい方は、ぜひ現役鉄道員“幽霊”報告書 幽霊が出る駅、路線……教えます!を一読してみるとよいだろう。あなたが普段利用している駅にも、じつは鉄道員だけが知っている意外なひみつがあるかもしれない。

 (文・学研BookBeyond店長 酒井)

現役鉄道員“幽霊”報告書 幽霊が出る駅、路線……教えます!

著者:氷川 正(著)
出版社:学研パブリッシング
現役の鉄道員にして「霊能力」を持つ著者が語る、恐ろしくて、ちょっぴり悲しい鉄道の舞台裏。幽霊、都市伝説、事故や事件など、オカルトにまつわるさまざまな事象を追ったドキュメントである。ここでしか語られない、鉄道幽霊譚を満載した怖い一冊。

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