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超高齢化時代の日本では痩せないほうがいい?

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4月の初め、あの彦摩呂さんがわずか3か月で20キロの減量に成功したというニュースが報じられた。“ザ・食レポーター”と呼ぶべき彦摩呂さんが実践したのは低糖質ダイエット。ごく簡単に言えば、糖質摂取量を半分に、繊維質食品の量を倍にする方法だ。
時を同じくして、筆者のもとに保健所から“生活習慣改善講習会のお知らせ”が送られてきた。そういえば、去年の定期健診でメタボ予備軍の烙印を押されていた。でも、一方的に「改善」なんて書かれてもまるで実感がない。ジムには週4のペースで通ってるし、ここ半年くらいは週末にそこそこの距離を走ってる。体幹を鍛えるため、椅子の代わりにバランスボールに座って仕事をしていたこともある。それなのに……。

ひょっとしたら方法論に間違いがあるんじゃないか。ちょうどいい機会だ。もろもろ顧みてみよう。

 フランスの激痩せモデル禁止法案

4月3日、フランスの下院がとても変わった法案を可決した。痩せすぎのモデルの活動を禁止し、こういうモデルを雇った業者に最大7万5千ユーロ(980万円程度)の罰金または最長6か月の禁固刑(!)を科すという内容だ。「BMI(体格指数)が一定基準以下の人は、ランウェイモデルとして働くことができない」という具体的な文言も含まれた法案は、異例中の異例だ。
マリソル・トゥーレ保健相は次のようなコメントを出している。「若いモデルたちはよく食べ、健康に気を使うべきだ。これは、モデルたちを美しさの手本とする若い女性たちへ向けた重要なメッセージだ」
しかし、当然のことながらファッション業界も黙っていない。たとえばフランスモデル事務所組合(SYNAM)は「モデルの体の細さと拒食症的な症状を同じレベルで考えるべきではない」と、新法案を真っ向から否定した。

『ザ・ビッゲスト・ルーザー』

アメリカのNBCが2004年から放送している『ザ・ビッゲスト・ルーザー』というリアリティーTVシリーズがある。男女20人の出場者が18週にわたる減量に取り組み、最も多く体重を落とした人が賞金25万ドルを手に入れる。毎週自分を追い込む出場者たちの姿に自分を投影する人が多いためか、番組の勢いはいまだに全く衰えていない。確かに、見るからにぽっちゃり以上の体型をしていた人たちが涙を流しながらぐんぐん痩せていくプロセスには、知らず知らずのうちに共感してしまう。
アメリカは肥満体国で、ジャンクフードがポップカルチャーの一部にもなっている感が否めない。ただ、言うまでもないが、こうした状況をよしとする人ばかりではない。アメリカ人の理想の肉体はと言えば、女の子ならバービー人形、男ならバービーのボーイフレンド、ケンであると答えるはずだ。しかし自分もバービーやケンのようになれるかといえば、それは別問題。
こうした思いを体現したのが、大西洋を挟んだイギリスで生まれた化粧品メーカー、ザ・ボディーショップのルビーというぽっちゃりキャラだ。1999年、“ありのままの自分の姿を受け容れよう”というコンセプトの下に生み出された。バービーとは程遠いふくよかなボディのルビーは、女性の自己尊重の向上を訴えるキャンペーンのトレードマークとなり、体型に関する概念に議論を巻き起こすきっかけとなった。それにごく最近、太っているのも悪いばかりではないという具体的なデータが明らかにされた。

ぽっちゃり体型が認知症を防ぐ?

現在の世界基準では、BMIの正常数値は18~24とされている。ところが4月の初めに、ロンドン大学公衆衛生学・熱帯医学大学院が驚くべき内容の研究を発表した。10年間にわたって200万件の症例を調べた結果、正常BMI値(24以下)の人々よりも、太りぎみ(25~29)グループの認知症発症リスクが18パーセント、さらに、かなりふくよか(30以上)グループの発症リスクが24パーセントも低いという事実が明らかになったというのだ。まちがいなく超高齢化が進むであろう日本では、痩せないほうがいいのかもしれない。

でも、やっぱりしゅっとしていたい

筆者は決して太っていない……はずだ。でも夏も近いし、もう少しだけ絞りたい。体脂肪率も、あと2パーセントだけ落としたい。
“生活習慣改善講習会のお知らせ”を受け取ったその夜にダウンロードしたのが『「趣味、ダイエット」卒業しました』だ。“20キロ痩せた私から繰り返したくないあなたへ”というサブタイトルがぐっとくる。それなりにエクササイズしている人にはより実践的な方法論、運動なんて大っ嫌いという人には理論的なアプローチを提示する作りだ。今の自分を顧みて、理想の自分とのギャップを推し量る上でも意味がある。

ケンにはなれないだろうが、今年の健康診断では、全検査項目で自己ベスト数値を叩き出してやる。今から楽しみだぜ……。

(文:宇佐和通)

 

 

 

「趣味、ダイエット」卒業しました。

著者:小川夏菜
出版社:インプレス
10年近いダイエット生活の結果、私の体重は増えに増え、75kgという惨事となりました。とうとう「このままでは死ぬに違いない!」と思い立ち、最後のダイエットを始めることにしました。これが、2年前の夏の出来事です。ここから「人生最後のダイエット」が始まります。私の体重は20kg減り、55kgまで減量することに成功しました。

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