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毒ヘビ、毒フグ、毒ガエル。猛毒危険生物のひみつ

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他人を見た目で判断してはいけません。
外見は、必ずしも内面をあらわすものではないからです。

ただし、例外があります。有害な「いきもの」です。毒の持ち主は、ほとんどがグロテスクな外見をしています。有毒生物は「見た目が9割」なのです。

さわるな! 猛毒危険生物のひみつ100』(今泉忠明 他・監修/学研プラス・刊)という本があります。世界中に生息する「有毒生物」を紹介しているオールカラー図鑑です。

世界でいちばん危険な毒ヘビは?

わたしたちにとって、いちばん身近な「猛毒生物」は、蛇(へび)です。

たとえば、「ニホンマムシ」の被害者は、年間3千人もいるそうです。沖縄方面に生息している「ハブ」も有名です。この2種類は、牙(キバ)に毒があります。

「ヤマカガシ」という種類の毒ヘビは、牙ではなく首筋から毒を出します。噛まれない距離にいるからといって油断してはいけません。

毒ヘビといえば、多くの人が「キングコブラ」を連想するでしょう。キングコブラも危険な毒ヘビですが、世界にはもっと危ないヘビが存在します。

「カスピコブラ」は、カスピ海東岸からインド北部に生息している世界最強クラスの毒ヘビです。他にも、南アフリカ周辺に生息する「ケープコブラ」も強い毒があり、噛まれた人の半数を死に至らしめます。

陸だけでなく、海にも毒ヘビが生息しています。

ヘビのなかま(は虫類)のウミヘビはコブラ科で、強い神経毒をもちますが、魚のなかま(魚類)のウミヘビは、毒をもっていません。しかし、魚のなかまのウミヘビにはするどい歯があり、かみついてくることもあるので、どちらもさわるのは危険です。

(『さわるな! 猛毒危険生物のひみつ100』から引用)

沖縄方面の海は、毒ヘビの宝庫です。「アオマダラウミヘビ」「エラブウミヘビ」をはじめ、ハブの150倍の猛毒がある「ヒロオウミヘビ」などが生息しています。3種類とも「青白い肌に黒いシマ模様」という外見です。スキューバダイビングのときには注意しましょう。

なぜトラフグには毒があるのか?

トラフグは、日本料理の最高級食材です。珍重される理由は、とても「おいしい」からです。しかし、トラフグは猛毒生物です。卵巣と肝臓に「テトロドトキシン」という神経毒を蓄えています。

たとえば、フグ毒のテトロドトキシンは、海中にいるバクテリアの中にふくまれています。まず、それを食べた小さな貝などがその毒を体内にため、次にその貝を食べたカニや小魚などがその毒をため、さらにそれらを食べたフグが自分の体内にその毒をためる、というしくみです。

(『さわるな! 猛毒危険生物のひみつ100』から引用)

トラフグの肝(キモ)が有毒なのは、食物連鎖が引き起こす「生物濃縮」によるもの。有毒生物として生まれるのではなく、有毒生物に育つというわけです。

さまざまな猛毒

心肺停止に至らしめる神経毒「テトロドトキシン」を含むのは、トラフグだけではありません。

日本では、紀伊半島に生息している「スベスベマンジュウガニ」、沖縄方面に生息している「シリケンイモリ」、全国的に生息している「アカハライモリ」などが、皮膚にテトロドトキシンを含んでいます。

両生類にも猛毒生物が多く、たとえば「キイロヤドクガエル」は、南米コロンビアの熱帯雨林に生息している猛毒生物です。皮膚に「バトラコトキシン」という毒があり、フグ毒の4倍の強さだそうです。

刺されると世界一痛いアリ「パラポネラ」は、中央・南アメリカに生息にしています。「ポネラトキシン」という猛毒の持ち主で、刺されると失神するほど痛いそうです。

クモ、ハチ、サソリ、イソギンチャク…etc

『さわるな! 猛毒危険生物のひみつ100』は、100種類の有毒生物を掲載しています。ズームアップした接写撮影なので、クモや昆虫の細かい繊毛の一本まで観察できます。強烈な印象が残るので、夢に出てくるかもしれません。

なかには美しい写真もあります。両生類や水棲生物のなかには、オレンジやブルーやイエローの蛍光色を発するものが存在しているからです。青い模様で有名な「ヒョウモンダコ」の神秘的なカラーデザインには愛好者が多いです。

『さわるな! 猛毒危険生物のひみつ100』は、わたしたちの「怖いもの見たさ」の欲求を満たしてくれる貴重な図鑑です。

(文:忌川タツヤ)

さわるな! 猛毒危険生物のひみつ100

著者:今泉忠明 他(監修)
出版社:学研プラス
小学生の興味が強いテーマを、よりわかりやすく・より楽しく見られるように情報を精選して紹介する「プレミア100」シリーズ。第1弾は、人気の危険生物の中から、ヘビやサソリなどの猛毒をもつ生物を紹介。大迫力の写真がいっぱいのビジュアル百科。

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