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こだわる人との上手なつきあいかた

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こだわる人がいる。

「歯ブラシはこのメーカーのものしか使わない」や「1階にしか住めない」というようなマイルールを設けて暮らしている。時には日常生活に支障が出るようなほど強いこだわりがある人もいる。こうした人とはどんな風に接するのが最適なのだろうか。

あなたがラクならそれでいい

こだわりが強いというのは、発達障害の特徴でもあると言われている。『ボクの彼女は発達障害 障害者カップルのドタバタ日記』(くらげ・著/学研プラス・刊)は、発達障害の彼女が持つこだわりに寄り添った彼氏の体験をコミックエッセイにしたものである。

彼女は、同じような服ばかりを好んでいた。リボンやフリルなどは苦手で、シンプルで肌触りの良いものを選び、ジーンズにダッフルコートという少年風の格好をしている。恋人である著者のくらげさんは「あなたが楽に受けいれられる服装ならなんでもいいよ」という姿勢でいる。無理に希望を押しつけないようにしているのだ。

無理に希望を押しつけない

実は、くらげさんは交際当初は、彼女に可愛い格好をしてもらいたくて、洋服店に連れて行き、好みの服をプレゼントしたこともあった。しかし彼女はその場では「ありがとう」と服を受け取っても、それを着てデートに現れない。次は着てきてね、と念を押すうちに、彼女がもう無理、と訴えてきたそうだ。

恋人からプレゼントされたら、誰だって嬉しい。もちろんそれを使いたい気持ちがあるのに、いろいろな事情でそれができない時は、相手への申し訳なさと自分のこだわりとの間でとても苦しむことになってしまう。それ以来、くらげさんは無理に好みを押し付けるのをやめた。彼女は着ようとしても「いつもと違う格好や肌触りに」不安を感じてそれができなくてつらい思いをしていたからもしれない、ということに気づいたからだ。

苦手なことは避ける

私自身、似たような経験をしたことがある。親しい男の人に化粧品をいただいたのだけど、実は私は敏感肌で、多くの化粧品で肌トラブルを起こす。本当は渡された時にその事情を説明するべきだったのだけど、その人がわざわざ自分のために選んできてくれた気持ちを思うと言えなかった。でも、それからも結局「あの化粧品使ったよ、とても良かった」と感想を彼に伝えることはできないままだ。向こうも「使ったのかな?」と気にしていたかもしれないと思うと、今でも申し訳ない気持ちになってしまう。

人には、苦手なことや、不得意なことがある。それを克服しようと無理なパワーを使うよりは、さりげなくそこを避けて通る工夫も必要だ。人間は、四六時中は頑張れない。頑張れる時には頑張るけれど、そうでない時にはやんわりとかわしたっていいと思う。くらげさんの彼女は、初めてのお店でメニューを決める時に、ひどく迷う。どれを選んだらいいのかわからないのだ。それがわかっているくらげさんは、できるだけ新しいお店には入らない。彼女の負担はこれで少しは減ったはずだ。

普通を求めない

ごく一般的なカップルだったら、洋服をプレゼントして、それを着てもらうということは、よくある光景だ。けれど、それをしたくても、自分の何らかのこだわりや事情などでできない人もいる。ここで「みんなはしているのに……」などと恨みがましく相手を責めると、トラブルになってしまう。「あなたはそうしたいんだね」と相手の気持ちを認め、無理に相手を変えようとしないという姿勢を持つことで、関係は長く続けることができる。

どんな人にも何らかのこだわりはある。相手のこだわりは、長年続いているものもあり、そう簡単には変わらない。相手ももしかしたら変えられないことに苦しんでいるのかもしれない。けれどそうしないと落ち着かなかったり、不安だったりするので、そうせざるをえないこともある。そんな相手の身になって考えれば、結局のところ好きという気持ちがあるのなら「あなたがそこにいるだけで幸せ」なのではないだろうか。

(文・内藤みか)

ボクの彼女は発達障害 障害者カップルのドタバタ日記

著者名:くらげ
出版社:学研プラス
聴覚障害の彼氏と、広汎性発達障害の彼女、二人の毎日は大騒ぎ! 発達障害の彼女との日常やさまざまなトラブルを彼氏からの目線で描いた、笑いあり涙なしのコミックエッセイ。彼女から見た「発達障害者から見た日常のイメージ」マンガは目から鱗の内容。

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